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2018/08/12(日)
転校
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弓や矢も手作りながら本格的なものを作ろうと努力した。弓は竹をしならせるために火であぶった。矢は初めは竹の節を削って尖らせた。そのうち、自転車のスポークを中に仕込んだものも拵えた。鉄砲は傘の柄で根元部分にやすりで切れ目を作り、火薬を爆発する装置を作った。もちろんこれは銃の筒の部分であり、台座は木を削って拵えた。われわれが手榴弾と称するものも作った。ボルト二本と真ん中にネジを合わせるやつだ。まずボルトにネジを少しまく。そこへ運動会で使うピストルの紙管(爆薬)を入れる。そしてもう一方をボルトで締める。このボルトとネジを相手に投げつけるのだが、当たるとば〜〜んと音がしてボルトとネジが飛ぶのだ。竹で拵えた盾も作った。竹で拵えた盾を持ち、木で拵えた剣を腰に差し、腰に巻き付けた布袋には手榴弾を入れ、弓矢を持つ者と槍を持つ者とが対抗する部落の者らと闘いをする。何とも奇妙ないでたちである。しかし、これが大けがを引き起こした。矢が目にささり、大事件となった。こんな事件があった翌年の春、わたしは転校した。
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