|
2017/08/12(土)
魚の小骨(15)君臨すれど統治せず
|
|
|
3日後の15日は昭和天皇がポツダム宣言を受け入れ無条件降伏を表明した日である。8.6の広島、8.9の長崎に投下された原爆、相次ぐ焼夷弾による空襲で日本本土は焦土と化していた。有名なあの「耐へ難キヲ耐へ忍ビ難キヲ忍ビ・・・」の日である。そしてアメリカ占領軍マッカーサーの指導の下で新憲法が発布され、昭和天皇は象徴天皇として「君臨すれど統治せず」となった。マッカーサーが何故天皇を戦犯としなっかったかは不明のままであるが、わたしは彼が天皇を日本国民統治のために利用したと考えている。本来であれば戦犯として処刑されていてもおかしくないのである。さてそれはさておき、住友家本家当主は”象徴天皇”のようだという。新入社員は住友家初代当主、住友政友が記した文殊院旨意書を教えられ、刷り込まれるという。正直であれ。慎重であれ。確実に処理せよ、などの5か条の商売の心得が記されているという。そして、今でも役員交代、事業状況報告など当主にお会いして報告をしているという。但し「君臨すれど統治せず」で事業に口出しすることはないという。グループの運営は白水会という19社の社長親睦会で毎月第4水曜日に開催され、全会一致が原則とのこと。その中での中心は住友家の創業地である新居浜4社、別子銅山で粗銅を採掘した住友金属鉱山、その工作機械を製造した住友重機械工業、坑道を支える木材の伐採と植林を行った住友林業、銅精錬の煙害対策をして発展した住友化学であるとのこと。財閥系企業グループの中では一番結束力が強いと言われている。それは創業当主家との絶妙なバランスを保ちながら、堅実経営を心掛ける住友グループならではの技ではないかとも思える。出光家が出光石油と昭和シェル石油との合併に反対を唱えて裁判沙汰になり、増資裁判で出光家が敗訴したことを考えるとナルホドとも思う。しかし、まもなく、団塊の世代の一大相続の時代=日本人口減少時代にどう対処するか?その際、利益を軍需産業化に求めるのかどうか?はわからないものの可能性は大と思える。「資源の少ない日本は世界の他の国と仲良くするのが商道の基本」だとわたしは思うのだが。
|
|
|