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2016/03/01(火)
変革のエネルギー
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たのしみはつねに好めり焼豆腐うまく烹(に)たてて食はせけるとき 橘曙覧(たちばなのあけみ) 江戸時代の下級武士は皆貧しかった。彼は古学を探求し、尊王の志を抱き、仕官を断った。そこで彼の暮らしの貧窮は甚だしかったが、彼は年に数度の焼豆腐を愛した。生計は文を書いて売ることで妻と子ども3人とともに襤褸小屋で暮らした。長崎の出島では針の穴のような小さな光、つまり外国の文明が日本という国に射しこんでいた。下級武士たちはその光に刺激された。こうして幕末日本の若い下級武士たちに変革のエネルギーが蓄えられていった。今わが国ではどうだろう。焼き豆腐を食べながら貧苦の中に変革のエネルギーが蓄えられているという状況なのであろうか。今日ではありすぎる情報の中に埋没しているのではないだろうか。否、わたしは信じたい。戦争法に反対して立ち上がったあの若者たちのエネルギーがそうであると。変革のエネルギーは蓄積されているのだと。
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