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2015/09/30(水)
どうするディーゼル車?
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VW社の不正ソフト問題が中国経済の不振に続き世界経済の行方に暗雲を広げている。NOx の排出量が多いディーゼル車の欠点をどう克服するかは自動車メーカーの課題であった。石油ショックから省エネ機運が高まり、欧州の自動車メーカーはガソリンエンジンより燃費性能に優れたディーゼルへと流れを変えた。欧州の新車市場では50%を超えたといわれる。ちなみに1990年代初頭は10%強であったようだ。その流れを大きく加速させた原因はメーカー各社の「NOx 排出量軽減を技術革新で克服した」とのアピールにあったとするが、EU(欧州連合)のこの問題に対する罪悪は2つある。一つは環境保護に対するEUの信頼失墜である。これまでの環境保護に熱心というイメージはこれで崩れた。実に残念なことである。その理由は二つ目の罪悪であるが、EUは「実際に路上でディーゼル車を走らせるとNOxの排出量が規制基準をかなり上回る」との報告を2年前にまとめている。にもかかわらず今日只今米国が指摘するまで動かなかったのはなぜか。自動車業界に対する配慮以外には考えられない。ということは、環境保護よりも自らの経済と産業界、政界への配慮を優先したということになる。わたしもディーゼル車への買い替えを予定していたが今しばらく様子を見なければなるまい。
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