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2015/04/20(月)
出雲の棚田
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奥出雲の棚田は他と比べてずっと大きく整然としているという。このうちの大原新田は「日本の棚田百選」にも選ばれているという美田であるらしい。これらの棚田はたたら製鉄に必要な砂鉄を採るため、人々が鍬で山の斜面を切り崩し、土砂を水路に流し、重い砂鉄をえり分けた後の斜面を整地して造られたとのことだ。砂鉄をえり分けるために土砂を水路に流す工程を「鉄穴(かんな)流し」という。奥出雲は花崗岩の地質が多いので砂鉄がたくさん取れたというから、吉備地方も砂鉄が採れたのではないかと思われる。吉備津神社の近くに「真金の十字路」という地名(R180)があるように吉備における製鉄も盛んではなかったかと推察される。また、宮崎駿監督の映画「もののけ姫」はたたらによって森が侵されていく様子を描いたと言われているが、自然破壊のその後の棚田再生は人間の英知の一つではなかったかとも思える。このように製鉄産業で巨大な利益を得た古代出雲族は権力を築き、現在の島根、鳥取、福井さらには新潟や長野に至る巨大国家を造り上げたのではないだろうか。大国主命とはその巨大国家を築いたその人ではなかったかと思われる。だが、出雲と言う地名はなぜついたのだろう。宮崎の日向に対し、島根の出雲。雲が出る、とは日を遮り、日の邪魔をすることになるではないか。雲隠れとは死を意味することであるから卑弥呼(日巫女?日御子)に敵対したのか、それとも大和朝廷、天皇家に敵対したのか。大和政権は卑弥呼の後継なのか。それとも違うのか。なぜ?がますます大きく、広くなってゆくばかりだ。
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