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2013/04/18(木)
定年と無縁に生きて耕せり
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表題の句は埼玉県の宮城和歌夫さんの作です。農業一筋に生きて来られたのでしょう。会社務めならば定年を迎え、のんびりと野菜作りを楽しめる年だが、わたしは定年を過ぎても鍬を持ち、畑を耕しているというのです。ここからは自然と向き合って農業を楽しみながら暮らしてきたという誇りも感じられる。だが、しかし、楽しいことばかりではなかったはずです。自然と向き合う暮らしは楽しい時もあれば、苦しい時もあったはずです。東日本大震災ほどではないにしても、時に自然は恐ろしい夜叉の顔を見せます。自然災害のみでなく、社会の、或いは政治の恐ろしい夜叉の顔も見せつけられます。日本の農業はこれまで日本経済の発展のため(自動車や家電の輸出のため)という名目のもとに犠牲にされ続けてきました。今回もTPP参加のもとで関税撤廃・貿易自由化の名目のもとに犠牲にされようとしています。農業の保護は日本人の健康に関わる重大事だとわたしは思っています。スーパーの店頭でアメリカなど外国産の安価な肉と少し高い国産の肉とが並んでいるとどうしようかと悩みます。安全をとるか、安さをとるか。消費税が8%、10%になれば安全よりも安さを選ぶようになるのではないでしょうか。そうすれば健康を害する危険性が増すことになります。これらのことについて宮城さんはどう思われてこの句を詠まれたのでしょう。
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