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2013/04/17(水)
地震と屋根と安全性
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13日の淡路島地震による被害状況を新聞やテレビ報道などで見る限り屋根瓦の崩落が圧倒的に多かった。阪神淡路大震災も同様の状況であった。阪神淡路大震災の後、各住宅メーカーは建物の安全性について見直した。その結果、基礎杭の強化、柱や壁の強度アップとともに屋根材を瓦から鋼板或いは軽量の瓦に変更できるように努力してきた。一方、淡路瓦は日本三大瓦産地の一つであり、阪神淡路大震災の後、淡路瓦工業組合の会員は約250社が約90社へと3分の1に激減した。地元の同組合役員は「瓦が悪ものではない。柱や壁の強度の方が重要。瓦が落ちることで家全体が守られるようになっている。だからこそ1400年の瓦屋根の伝統がある」と言うが、これで瓦屋根離れが加速することは間違いないと思われる。日本の風土、景観を考えると瓦屋根がわたしは好きだ。鋼板葺きは瓦に比べて寿命が短く、メンテナンスを怠ると雨漏りの危険性が大きい。そうすると、土を使わない軽量の瓦が主流になるかも知れない。淡路瓦も軽量化の工夫を余儀なくされることは間違いなく、その研究と成果が今後試されることとなろう。淡路瓦は島内に良質の粘土が安価に豊富にあったことから京阪神の住宅や寺社に多く使われてきた結果、年間生産量約5千万枚、全国シェア約1割を誇ってきた。それだけに今後の研究の成否が地場産業の存続か、否かの分岐点となろう。終の住み家をもとめる人々にとっても、地震活動期にある地球環境の中で地震国日本にとってもこれはとても重要な課題である。ガンバレ淡路、ガンバレ瓦、ガンバレ研究者!の支援も必要となるであろう。
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