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2013/03/24(日)
農村から都市へ
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かって中国革命の行き詰まりを打開するため毛沢東は「農村から都市へ」とのスローガンを打ち出し、実践した。貧苦に喘ぐ農民の支持を得、都市を包囲し、それから都市部の労働者の意識を変え、共感を得、国を変えようというものだ。彼は晩年、文化大革命という間違いを犯したが、「農村から都市へ」の方針は正しかったとわたしは思っている。今、中国はこの当時の方針を思いだし、実践してほしいとわたしは思う。農村を愛し、都市労働者を愛することは「人を愛する」ということだ。中国の省都はどこも大気汚染で昼間も薄暗いと聞く。日本にまでPM2.5が飛来する状況だ。日本でもかってあった。公害で病気を起こし、裁判をしなければならなくなった。上野駅に象徴される出稼ぎや集団就職も今の中国の社会事象だ。違う点は新しい中国の指導部・習近平らが政策の柱としている「都市化」政策であろう。大都市に出稼ぎに行かなくても農民が快適に暮らせる小都市を造り、6億人の農民を新都市に集め、効率のよい教育、医療、年金制度を受けられるようにしよう。人口の減った農村部で土地を集約し、大規模農業を育成しようというのだ。だが、トラブルが各地で続発している。例えば、広東省上浦村では村長が住民の許可なく共用農地を工場用地として50年間貸し出す契約をしたことに農民が反発し、公安当局と大きな衝突が起きている。「都市化」は工場誘致をはじめとする土地開発となり、金融業者の暗躍の場所ともなり、いつのまにか不動産開発による経済成長にすり替わっているのだ。ここまで来ると日本と同じだ。日本と同じことが起きているのだ。農民の生活向上が忘れ去られ、農地の不当収用、地方財政悪化を招いている。人を愛し、そこに住まう人たちの暮らしを守るという為政者の信念が中国にも、日本にも求められるのではなかろうか。「人を愛する心でもう一度やりなおそう!農村から都市へ」。幸せな暮らしのできる地域をもとめて。
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