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2013/03/19(火)
原発!金か生命か!
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2月1日、「答えは同じだ。半径20km圏だ」と記者団に繰り返し、憮然としていた伊藤裕一郎鹿児島県知事。半径20kmとは、九州電力川内原子力発電所(薩摩川内市)の原発事故に備えて避難準備する原子力防災重点区域のことだ。国の指針は半径30km。伊藤は旧自治省時代に石川県で原発政策を学び、自治大学校長も務めたとの自負があり、半径30kmを否定し続けた。その背景には、自治体財政の問題もあり、厳しい地方経済の問題もある。薩摩川内市内富士通系企業のリストラ(約700人中550人離職)があり、隣接市のパナソニック系企業来春閉鎖などという経済問題がある。川内原発は13カ月運転すると2〜3カ月の定期点検に入り、県内外から1基あたり約千人の技術者や作業員が集まり、地元経済が潤っていた。九州新幹線の全線開業に伴い開業した「ホテルルートイン川内」も点検で9割近くあった顧客の特需が見込めなくなったと嘆く。周辺ホテルや旅館の嘆きの声は「原発を動かすのか、動かさないのか、はっきり決めてくれ」と政府の政策の不明確さへの不満といらだちに変わっている。そんな中、森博幸鹿児島市長が「半径30kmで対応したい」と知事に反論した。これを受け、原発政策に精通した自治大学校長のメンツを捨て、伊藤は半径30kmを認めた。なんとしてでも「原発再稼働にこぎつけたい」との思いを優先したからにほかならない。しかし、ここには「原発は安全だ」と言いはってきたが、「福島では原発事故が起きた」という反省がない。人の生命の重さについての認識がない。福島原発で水素爆発を起こしてから2年。未だに故郷に帰れない人たちがいるという事実に目を向けない議論が大きく復活してきている自公政権下での日本の現在の状況がある。生命軽視の議論がもう鎌首をもたげてきたのだ。大蛇はまた人の生血をほしがりはじめたようだ。
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