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2013/03/18(月)
どうなる厚年基金
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AIJ投資顧問が厚生年金基金に大きな損失を与え、その運用について大問題を突きつけた。各企業年金基金は低金利下での利回りの低さに喘ぎ、損失をだしている基金も多い。こうした状況下において、自公・安倍政権は「厚生年金基金制度を10年間で事実上廃止し、基金の損失を公的に補填する」という改革法案を今国会に提案する。これまで企業年金は自己責任が原則であった。ところがこの法案が法律になると幾ら損をしても国民が支払った血のにじむ税金で補てんされることになる。これが本当に正しいのだろうか。約9割の厚生年金基金が年金を予定利回り5.5%という高い数字で受給者に約束している。そこで高リスク・高リターンの基金運用に走るのだ。それをさらに法律で後押しするように高利回りで利益が出れば解散時に穴埋めする積立不足額が減り、失敗しても税金で穴埋めしてもらえることになるのだからもっと積極的に運用しようということになるわけだ。自公・安倍政権のインフレ2%達成のためにはじゃんじゃん使えということだろうが、余りにも危なっかしい。その上基金運用の失敗のツケが国民にまわされるのはとてもじゃないが納得がいかない。昨年末、大手ヘッジファンドが東京で開催したセミナーに約120の基金役員が参加したというが、約2割に及ぶ基金役員が投資のプロも二の足を踏む「海外市場で売買される生命保険を組み込んだ商品」を投資したい金融商品にあげたという。外資系証券会社は2011年頃から「複雑な仕組みの債権(換金が難しい)」を2千億円も基金に売り込んだというから恐ろしい。中には投資(凍死)した途端に2割も減価したという債権もあるという。わたしは、安倍のミクスではなく、「安倍のミス」になるだろうと憂慮している。「ク」がないどころではなく、「大ク(苦)」となるだろう。
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