|
2013/01/23(水)
日本のメセナを考える
|
|
|
有名企業のラグビー部やサッカー部及び陸上部が企業の支援を受けられなくなり廃部、選手の移籍が余儀なくされている。スポーツと同じく文化関係も同様だが、地域連携でなんとか持ちこたえ頑張っている施設もある。その一つが愛媛県東温市の「坊っちゃん劇場」であろう。観劇会を催す学校に補助金をだす基金設置の原資は地元企業と個人の寄付だ。2012年度は1500万円の支援があったという。しかし、振り返って岡山はどうだろう。林原が倒産し、そのメセナ事業は崩壊している。古美術のコレクションを誇る林原美術館。林原類人猿研究センターでは8頭の類人猿を飼育して研究を進めていた。恐竜の研究をしていた林原自然科学博物館。同館は1993年以来モンゴル・ゴビ砂漠へ調査団を派遣していた。それらのメセナ経費は年間4億円を超えていたという。林原の倒産の主原因は融資の担保にしていた不動産価値の目減りによるものだが、わたしは「親が購入した思い入れのある土地を手放すことを恐れた経営感覚」にあると直感した。わたしの居住している隣の町内にお住まいだったのでよくわかる。今同社が保有していた土地が宅地分譲地としてわたしの学区内でも 巨大な分譲地として販売されている地区が二つもあり、わが家から100mほどしか離れていない隣学区の隣町でも巨大な分譲地が販売されている。事前に計画的に販売していれば倒産は回避できたとは大方の識者の見解だ。わたしも同様の意見だ。経営を維持しながら赤字覚悟のメセナ事業を展開することは至難の業であることは十二分に理解している。わたしはこれまでの林原のメセナ事業の取り組みに感謝している一人だ。だが、これからは、地域にとって必要な事業は官民挙げて支援することが必要だとわたしは思う。備中漆の継承、保存などは岡山県が主導する事業であろうし、林原美術館や恐竜博物館の継承、存続は岡山市の責務であろうと思われる。恐竜博物館などは岡山市が単独でやるには荷が重過ぎるだろう。それならば国や県と共同して継承、保存するための知恵と努力を出しつくすことは岡山市の責務ではないかとわたしは思う。
|
|
|