|
2012/08/02(木)
福島原発事故から1年4カ月・・(5)
|
|
|
東電事故調は「運転操作に必要な知識はあった」「訓練は不足していなかった」と主張している。しかし、政府事故調は「第一原発では現場の判断ミスがあった」と指摘している。また、国会事故調は「原発の現場判断に東電本店が介入した」ことを取り上げた。2号機の減圧方法を考えていた吉田第一原発所長は「弁を開けると原子炉の水位が下がるのでベント(排気)で減圧する方針だったが、斑目原子力安全委員長が弁を開けることを提案、東電社長が斑目案(弁を開ける)をやるよう指示。結果は吉田所長の懸念したとおり水位が下がり、燃料露出の時期が大幅に早まったという。東電事故調の報告書を読んだ政府事故調の畑村委員長は「(自分たちの非を認めると)裁判や損害賠償に絡む。ストレートにものをいえる立場にないのだろう」と推測する。そして、過酷事故への備えがなく、教育訓練が不十分だった東電の組織的問題を重視していた。「1号機は非常用復水器を手動停止したにもかかわらず動いていると誤認し、注水を中断」「2号機ではかろうじて動いていた冷却装置を信頼し過ぎて減圧や他の注水準備が遅れた」「3号機でも減圧が遅れ、他の注水手段を準備する前に冷却装置を手動で止め、注水が遅れた」というように「適切さが欠けていた」と批判した。こうした事実経過から判断すると、現場の初動における判断ミスはあったと思われる。事故原因を率直に反省し、後の対策に役立てようとしない東電に対し、1兆円もの国民の税金を注ぎ込み、経営立て直しを図る民主党の眼鏡は曇っているのではなかろうか。
|
|
|