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2012/08/31(金)
裁判所は行政の味方!?
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最高裁が開いた原発訴訟をめぐる裁判官の研究会で「これまで手続きの適否のみを審理してきたが安全性の審査をしよう」との意見が多かったという。伊方1,2号機、福島第二1,3号機、滋賀1、2号機、女川1,2号機、東海第二、もんじゅ、柏崎刈羽1号機と今まで判決が確定した原発訴訟はいずれも原告敗訴。裁判所は結果として国の事業の後押しをしてきた。だが、福島第一原発の事故を受け、反省の色が覗えるという。わたしの経験でも国や県、市などを相手に訴訟する件について弁護士に相談すると「勝てない」の一言で片づけられてきた苦い経験がある。裁判官は国策や行政の政策を否定することをためらうというこれまでの経験則を弁護士はよく知っているための発言である。しかし、本当に司法が福島第一原発の事故を教訓に「行政追随の判決を出してきたことを反省」するかどうかは今後の状況を見極めなければなるまい。眉唾ものである。原発に関して素人の裁判官が安全性を判断しようとすれば、専門家や学者の意見を聞かなければならない。ところが、国や電力会社の立場を支持する御用学者や御用専門家がうようよいる。結局は都合のいい意見をチョイスして安全だとの判決をだせば、学者の意見を採用した結果であり、わたしには事故が起きても罪はないと自分を慰めることができるというわけだ。護送船団方式で国民を真綿で締めるやり方を変えようとの意識を各界、各層、各人が自覚しなければ改革はなるまいと思う。しかし、わずか半歩の半歩でも反省の色が見えただけでも前進と評価したい。今後の司法判断に正しさがもどり、原発訴訟判決に正義の輝きが増すことを祈りたい。
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