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2012/12/30(日)
マネタイゼーション症
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マネタイゼーションとは中央銀行が財政赤字の穴埋めをすることで事実上の国債管理を通じておこなわれる。今の日本の日銀が民主党政権下でインフレ率1%と定め、民主党政府と日銀が通貨の量的緩和を共同作業することで一歩近づいていた。それを今度は自民党・安倍政権が2%に引き上げろと日銀を脅迫しておこなおうとしている。米国ではFRB(米連邦準備理事会)が量的緩和を続け、将来のインフレや財政赤字の穴埋めにつながる行為を続行している。自民党安倍政権はこの米のやり方を「真似たいぜショウ症」にかかっていると思われる。わたしはこのやり方は性急過ぎるし、よくないと言ってきたが、米国でもわたしと同じ考えの学者が現れた。スタンフォード大のジョン・B・テイラー教授だ。日経新聞のインタビューに答え「FRBのやり方は誤った方向であり、経済の不確実性を高めた。2009年以降の量的緩和は効果がなかった。市場はFRBの政策の観測ばかりを追い、市場本来の機能も失われた。緩和策からうまく撤退できるかどうか不安だ。低金利を長く続けるとのFRBの約束は長期金利を引き上げ、国債の利回りを引き下げた。FRBが国債を買えば政府は財政赤字を出しやすくなる。準備預金の急増によりマネタイゼーションが起き始めている」と警告している。安倍政権は日銀の独立性を壊し、禁断の木の実を食べようとしている。竹中平蔵日銀総裁説などはこの状況を如実に表している。日本経済はしばらく経つとこの毒に犯されるのではないかとわたしは恐れている。
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