|
2012/10/06(土)
日本という国の経済の行方は・・・(13)
|
|
|
所得の分配と経済成長との関係は密接に関連しているがあまり研究事例に出会わない気がする。まず考えてみたいことはソ連邦はなぜ解体したか?ということである。国民みんなが幸せになるというレーニンの思想(マルクス・エンゲルスの理想郷)がスターリンによって壊されたのであるが、一説にはマフィアがはびこり多民族国家が制御できなくなったという人もいる。しかし、解体の根底には経済問題があるはずだ。東ドイツ解体の背景には旧態然とした工業生産体制があった。ソ連も同じであろう。研究開発を忘れた「慣習とボス支配」体制に安住した生活が労働意欲の喪失、脱税、特権階級の腐敗を生みだしたと思われる。尖閣諸島問題でわが国と対立している中国はこの状況から「改革開放経済」による資本主義的経済手法により国民の一部に巨大な富をもたらした。その結果、中国はアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となった。これは資本主義が生みだした人間の欲にもとづく中国人の労働(地方の安価な労働力提供と家族の生活維持のための大量の出稼ぎ労働という悲しい現実を含む)の賜物に違いない。だが多民族国家のきしみ、特権階級の腐敗、貧困層の政府への怨嗟の声は広がっている。こうしてみると、一面的ではあるが、過度の所得再分配は労働意欲の低下を生み出すのではなかろうか、またこの経済状況を土台とした政治の背景(政治への無関心含む)に特権階級の租税回避行為や腐敗を生みだしたのではなかろうか、と思われる。
|
|
|