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2006/04/10(月)
雨がふると・・・
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雨が降ると思い出すことがある。子どもの頃、叔母とわたしはわたしの家族と一緒に暮らしていた。姉弟のように育った。もののない時代だった。年に1度ほどのすき焼きがたまらなく待ちどおしかった。姉は目が近かった。すき焼きのとき、姉は少ない肉を捜して鍋の上に顔をのせるので、だれも箸が入れられなかった。わたしは怒って姉の頭を小突いてどけさせた。当然ケンカになった。母は怒ってわたしたち二人を外に追い出した。外に追い出されたわたしたちは外でも言い争っていた。雨の下でいっそう激しくどちらが悪いかを言い争った。あの時の家はもうない。雨が降るとふと思いだしては笑いがふとこみ上げてくる。そして、思う。「さあ、もう少し、がんばってみっか」と。
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