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2006/10/03(火)
トリスキ
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今日のようにお天気がよい秋晴れの日だったと記憶している。茶屋町から、玉野からなど母の姉妹たちが妹尾のわが家へやってきた。おじいさんがいがぐり頭をなでながら、首をひねって、「なんにもねえのお」と言って、家をでた。それからしばらく、ぼくは従兄弟たちと外で大遊びして帰ったところ、すき焼きのいい匂いがした。それは鶏肉のすき焼きだった。みんなでわいわい食べた。ほんとうに美味しかった。翌朝、鶏の声がしない。「どうしたんだろう?」トリ小屋に行ってみると、最近1ヶ月ほど卵の味を楽しませてくれた鶏がいない。寝ていた弟を起こしてそのことを話した。弟は飛び起きた。弟が面倒を見ていた鶏だった。おじいさんに言うと、昨日食べた奴だという。弟は泣き出した。おじいさんは「美味しくいただけたのだから鶏も成仏するだろう」と言った。弟は承知しなかった。そして、それ以来、鶏を口にしなくなった。わたしは「なんまんだぶ」と言って食べている。ぼくという奴は人さまの命をいただいて生きている不埒な奴だ!
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