関大将棋部の日記
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2022/02/15(火) そろそろスパイダーマン最新作の話をさせてくれ(ネタバレ有)
割り込み失礼こんにちは。T那覇です。
関大将棋部の機関紙「千里譜」の記事を書いていたのですが、その一部があまりにも長く、本筋と関係なさそうだったので消そうと思ったのですが、せっかく書いたのでここに載せることにしました。
タイトルにもあるように、MCUシリーズ最新作の『スパイダーマン ノーウェイホーム』の感想です。がっつりネタバレ有です。

前作で敵に正体をバラされたスパイダーマンことピーターパーカーが、事態を解決しようと魔術師ドクターストレンジに助けを求めます。ところが、ストレンジが実行しようとした「ピーターパーカー=スパイダーマンであるという記憶を家族恋人友人関係なく消す」という方法をピーターが邪魔してしまった結果、次元が混乱し、「ピーターパーカー=スパイダーマンであることを知っている」別の世界のヴィラン(敵)が勢ぞろいしてしまうというストーリーです。過去にもスパイダーマンは「サム・ライミ版」、「アメイジング版」の2シリーズで映像化されており、今回登場したヴィランはそれぞれのシリーズで登場した人々と同一人物です。役者も同じで、彼らが出演するというニュースや予告編が出た時、ファンはとても喜びました。原作となるアメコミに、別次元のスパイダーマンが勢ぞろいする『スパイダーバース』という物語があり(余談ですが、2018年にアニメ映画化されています)、今回のストーリーでそれが実現するのではないかと期待したのです。そして、その予想は見事に的中しました。過去シリーズでスパイダーマンを演じたトビー・マグワイア(今作ではピーター2と呼ばれる)とアンドリュー・ガーフィールド(同じくピーター3)がMCUにそれぞれの次元のスパイダーマンとして登場し、現行スパイダーマンであるトム・ホランド(ピーター1)と肩を並べたのです!僕は公開初日に見に行ったのですが、彼らが登場した時思わず涙ぐみました。
彼らのサプライズ登場も、ファンの期待に応えたものとしてとても素晴らしかったのですが、物語はその期待や予想を大きく上回る物として進んでいきます。それは、過去作品に対して与えられた救いだと僕は考えています。
AIに意識を乗っ取られてしまった天才博士が今回の物語でそこから解放されたり、スパイダーマンに対するコンプレックスや周囲への不信感から敵対してしまった男がお互いにマスクを脱いで会話して和解したりと、ヴィラン一人一人になるべく焦点を当てて、彼らに根付いていた問題が解決されていくように感じました。その救いはヴィラン達だけではなく、歴代スパイダーマンたちにも差し伸べられます。特に心に来たのが、ピーター3であるアメイジング版スパイダーマンのシーンです。
『アメイジングスパイダーマン2』のクライマックスで、ピーターの恋人であるグウェンステイシーがヴィランの手によって高所から落とされてしまいます。ピーターは彼女を救おうと急降下、糸を伸ばします。彼女が地面に衝突する寸前に糸が彼女に届いたのですが、落下時の衝撃によって命を落としてしまいます。彼女の死はファンに大きな悲しみを与えると同時に、彼女が遺した言葉からピーターが再びスパイダーマンとして立ち上がるラストシーンは彼らを大きく感動させました。
それから時が経った現在、MCUの世界でピーター3は過去の出来事に近い場面に遭遇します。ピーター1の恋人であるMJが爆発に巻き込まれ高所から落下してしまうのです。初めはピーター1が助けようとしましたがヴィランの妨害に遭ってしまいます。今作でも救えないのかと観客は絶望してしまいますが、そこに駆け付けたのがピーター3でした。落ちていくMJを今度は自分の手で助けることが出来たのです。今度は救えたという喜びからか、ピーター3の顔は涙ぐんでいました。僕も泣きました。
このように、過去作品の登場人物に対する救いを明確に描いていたのですが、その代償はとても大きなものでした。終盤、別次元の進行が拡大し、世界が危険な状態になってしまいます。それを解決するために、「ピーターバーカーの記憶そのものを世界の人々から消す」という悲しくも勇気のある選択をピーター1はします。事態は解決し、この次元にやってきたピーター達やヴィランは元の世界に帰ったのですが、この選択によってピーターは人々の記憶から消えてしまいます。恋人のMJも、ハイスクール時代からの親友も、誰も彼のことを覚えていません。それだけではなく、彼が存在していた証拠さえも消えてしまい、真の意味で彼はこの世界から孤立してしまいました。しかし、ピーターパーカーはそれに挫けずに、親愛なる隣人スパイダーマンとしてニューヨークを飛び回るのです。
このラストでMCU版スパイダーマンはひとまず幕を下ろしました。とても切ないものでしたが、このラストを経てMCU版ピーターは真のスパイダーマンとなったという意見もあります。というのも、過去作と比べると彼はとても恵まれていました。アイアンマンであるトニー・スタークに見込まれてアベンジャーズにスカウトされたり、宇宙規模の大きな戦いに参加したり、これまでのスパイダーマンが経験したことのない場面に多く遭遇していました。そもそも、過去のスパイダーマン作品には彼ら以外のヒーローは出てきません。彼らだけでニューヨークの平和を守っていたのです。これまでの繋がりが全て絶たれ、世界から孤立したことで、MCU版スパイダーマンは彼らと同じ状況となったとも言えるのです。
どうやら今後もMCU版スパイダーマンの活躍は描かれるようです。ひょっとすると今後はピーターパーカーとしてではなく、スパイダーマンとしての一面のみでほかのヒーローと関わることになるのかもしれません。これからのスパイダーマンの活躍もとても楽しみにしています。

以上となります。お目汚し失礼いたしました。
それでは皆さん、さよなら、さよなら、さよなら。


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