関大将棋部の日記
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2021/06/29(火) 【割込K崎】俺の知るオリックスがこんなに強いわけがない
どうもすいません1回生のK崎です!またしても割り込みということでM安君の日記を首を長くして待っておられる方々には申し訳ないのですが、書きたいことがあったので書かせていただきます。
内容はタイトルでも分かる通り野球ネタ…正確にいうならオリックスネタですね。“将棋部の日記なのにどこにオリックスのネタなんてどこに需要があるんだよ”だなんて思われる方々もいるとは思いますがそんなことは気にせずに書いていきたいと思います。
さて、そろそろ本題に入りますと最近のオリックス・バファローズは近年でも稀に見るほどの勢いで勝ち進み、なんと10年ぶりの交流戦優勝、37年ぶりの11連勝を果たし、現在では楽天と同率で7年ぶりに首位に立つという正真正銘の破竹の勢いでペナントレースを駆け抜けています。破竹の2連勝や!とか自虐していた頃のオリックスはもういないんです。37年前というと当然自分は生まれていませんし、オリックス・バファローズという球団名も存在していません。当時は阪急ブレーブスという球団名で、常勝軍団として名を馳せていました。今の大学生の方で阪急や近鉄、南海といった関西の鉄道会社がプロ野球球団を持っていたという事実を知っている方はどれくらいいるんでしょうかね。その後、球団は阪急からオリックスに譲渡され、オリックス・ブルーウェーブへと名前を変え、2004年に大阪近鉄バファローズを吸収合併する形で現在のオリックス・バファローズが誕生しました。その後は2008年と2014年を除いて長らくBクラスに低迷してしまう苦しい状況が続きました。
昨年の今頃はプロ野球史上初の同一カード6連敗という非常に不名誉な記録を打ち立てるなど絶望的な状況でしたが、一年が経ち、監督が変わり、ここまでチームが変わるとは思いませんでした。ちなみに自分が本格的にオリックスを応援するようになったのが5年程前なので、ファンになって以来はじめての首位ということで、首位という響きに中々落ち着かず、順位表を見るときもいつもの癖でつい下から見てしまいます。Bクラスが指定席でここ2年は最下位と、他球団のファンの方からバカにされ悔しい思いをしてきたのですが、今こうしてチームの快進撃を見ることができて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
とはいっても正直な話、このままシーズン終了まで絶好調のまま突っ走って優勝できるとは到底思えず、どこかで失速してまたBクラスに落ち着く…なんてことも十分あり得ます。そのため、オリックスが首位に立っていたという事実をここに残しておこうと思い、こんな駄文を書いたという訳です。もしも後半戦で失速してまたBクラスに沈んでも“この時は楽しかったな…”という風に感傷に浸ることができればそれで幸いです。もちろんこのまま優勝してくれたら一番嬉しいんですけどね。もし優勝するとなればあのイチロー選手を擁し、“がんばろうKOBE”を掲げ、被災した街と共に闘い日本一に輝いた1996年以来となる25年ぶりの快挙となります。死ぬまでに一度はオリックスが日本一に輝く瞬間をこの目で見届けたいものです。
そんなこんなで自分も今の強いチームを見て、居ても立っても居られず、今度の水曜日は例会がないということで、2ヶ月ぶりに野球観戦に行こうと思います。かなり久々なので非常に楽しみなのですが、対戦相手が昨年に悪夢の6タテを喰らった千葉ロッテマリーンズということで、相性が悪い相手なのは心配ですが、今の勢いなら勝てると思うので、声は出せませんが、手拍子などでしっかり応援したいと思います。
今更ですが、本来ならN川さんのように将棋部らしく将棋に関することを書いた方が良いのかもしれません。しかし、初心者である自分が偉そうに将棋のことを書くのも気が引けますし、バイトのことを書くとなると愚痴まみれになってしまい、誰もいい気分にはならないでしょう。そのため、自分が日記を書くときは野球ネタ(というよりはオリックスネタ)に走りがちになってしまいます。この日記を読んで少しでもオリックス・バファローズに興味を抱いていただけると幸いです。また、現状では一回生の方は自分とH中君しか日記を書いていないので、他の一回生の方が少しでも書きやすくなってくれればいいなと思います。
余計なことばっかり書いていたら長文になってしまったので某オリックスファンyoutuberの名言(?)を借りて締めたいと思います。それでは行きます。

これが紛れもなく強いチームや!!オリックス!優勝やぁぁぁぁぁ!!!

はい、スベりましたね。みなさんがドン引きしてる顔が目に浮かびます(笑)。やはり深夜テンションで書くとロクなことがありませんね。交流戦で本当に優勝したんで許してください。ちなみに元ネタを知りたい方はyoutubeで“オリックス優勝や!”と検索してみてください。きっとあなたもオリックスの虜になるかもしれません。それでは布教活動もそこそこに、いい加減に終わりたいと思います。引き続きM安君、よろしくお願いします。ここまで読んでくださった方へ(1人もいるか分かりませんが…)、こんな駄文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました!それでは長文失礼致します。

2021/06/26(土) 対面で将棋したい
 こんにちは!Y田です。更新遅れてしまい、申し訳ございません。

 いよいよ対面授業が始まり、部活動も堂々と活動できる可能性が出てきました。一回生もたくさん入ってきて、まだ顔を合わせていない人もいるので、楽しみなことこの上ありません。
 私は個別指導塾の講師のバイトをしているのですが、人に何かを伝える難しさを日々痛感しております。というのも伝えたいことが100あっても、そのことを全て教えていては、複数の生徒を相手にする以上時間的に問題が生じます。しかし、1しか伝えなかった場合理解してもらえない可能性が高いです。これらを生徒次第にバランスを変えて接するのはなかなか難しいです。
次は一回生のM安君お願いします。

2021/06/24(木) 振り飛車党のジレンマ(文責:N川)
将棋のプレイヤーは序盤における戦法選択の傾向によって2種類の属性に分類されます. 皆様ご存じのこととは思いますが, 居飛車党と振り飛車党のことです. 本稿では後者の振り飛車党に注目し, 序盤において戦法がどのように決定されるのかを簡単なゲーム理論のモデルを用いて分析していきます. また, この文章についての免責事項を以下に挙げておきます. 以下の免責事項を踏まえ, かつ膨大な暇を有し, つまらない文章を読んでも笑って許すくらいの器量を持っている方のみこの文章をお読みください.
・本稿での分析は将棋が内包する複雑な部分を捨象した簡単なモデルを用いた分析です.
・筆者のゲーム理論に関する知識は学部生レベルのものであり, 高度な分析は無く, 理論的な誤りが含まれている可能性があります.
・本来ゼロサムゲームである将棋を非ゼロサムゲームの枠組で分析しているためモデルの随所に不自然な点があります.
・筆者はこのモデルの正当性を主張するつもりはありません.

振り飛車党と一口に言っても, 一枚岩ではありません. ここでは, 2種類の属性を想定します. まず想定されるのは, 純粋振り飛車党です. これに属するプレイヤーは相手の戦法に関わらず常に振り飛車を選択します. 振り飛車党と言えば, このようなプレイヤーを思い浮かべる方が多いかもしれませんが, 本稿ではこのタイプのプレイヤーについての分析は行いません. なぜなら, このタイプのプレイヤーは常に振り飛車を選択するため, 戦法選択に関して戦略的要素が存在しないからです. 本稿で取り扱うのは, 混合振り飛車党, つまり相手が居飛車を選択するか振り飛車を選択するかによって, 自分の戦法選択が変化するようなプレイヤーです. 本稿では, 相手が振り飛車なら居飛車, 相手が居飛車なら振り飛車を選択したいと考えるような混合振り飛車党について分析を行います. このような限定をして分析を行う理由はこのようなプレイヤーが割合として混合振り飛車党の多くを占めているという筆者の経験的な感覚によります. 簡便のため, このようなプレイヤーに対抗形党という名前を与えておきます.
では, 上で想定したようなプレイヤーを具体的に定義して, 簡単なモデルに基づいて分析をしてみましょう. まず, このタイプのプレイヤーは相手が振り飛車で自分が居飛車という状況を最も好ましいと考えます. また2番目に望ましい状況は自分が振り飛車を指すという状況です(相手が居飛車であっても振り飛車であっても望ましさは変わらない). 最後に, 最も望ましくない状況は, 相手が居飛車で自分も居飛車という状況です. 以上は全て仮定に過ぎません. 実際にそうであると主張しているわけではないということはご理解ください. このようなセットアップのもと, このプレイヤーの具体的な利得関数(payoff function)を特定化します.
u(居, 振)=1, u(居, 居)=-2, u(振, 振)=0, u(振, 居)=0
(居, 振)というのは, 自分が居飛車で相手が振り飛車という状況を意味しており, u(居, 振)=1は自分が居飛車で相手が振り飛車という状況で得られる利得が1であるということを意味しています. このような特定化のもと, まずは見ず知らずの人との対局を考察してみましょう. 見ず知らずというのは, 相手が指す戦法についての予想が全くできないということです. ゆえに, 居飛車を指す確率が1/2, 振り飛車を指す確率が1/2であると予想することはある程度妥当でしょう. この仮定のもと, 居飛車を選択した場合と振り飛車を選択した場合の期待利得(expected payoff)をそれぞれ計算します. 期待利得とは, 名前通り利得の期待値のことです.
居飛車を選択した場合の期待利得: 1/2×(-2)+1/2×1=-1/2
振り飛車を選択した場合の期待利得: 1/2×0+1/2×0=0
この場合, 振り飛車を選択した方が期待利得が高くなります. 要するに, 相手の指す戦法が全くわからない場合は振り飛車を選んでおくのが賢明であるということです.
では, 対抗形党同士の対局において, お互いがお互いに対抗形党であることを知っている場合を考えてみましょう. 先手のプレイヤーをF, 後手のプレイヤーをSとして, 利得関数を書き直します.
u_F(居, 振)=1, u_F(居, 居)=-2, u=_F(振, 振)=0, u_F(振, 居)=0
u_S(居, 振)=0, u_S(居, 居)=-2, u=_S(振, 振)=0, u_S(振, 居)=1
この場合, 括弧内の第1項がプレイヤーFの戦略, 第2項がプレイヤーSの戦略です. また, u_F(・)はFの利得関数を, u_S(・)はSの利得関数を表します. このような状況ではどのような結果が実現するのでしょうか. 詳細は省略しますが, (居, 振)と(振, 居)がナッシュ均衡(Nash equilibrium)であることがわかります. ナッシュ均衡の定義や求め方などはわかりやすく説明する自信がないため, 説明は割愛します. ナッシュ均衡は求まりましたが, 解が2つ出てきてしまいました. ナッシュ均衡は常に唯一というわけではないので, こういうことはしばしばあります. このような時に問題になるのが, どちらの均衡の方がもっともらしいかということです. そして実は, この場合, (振, 居)という均衡は不適切な均衡であり, (居, 振)が適切な均衡です. このように均衡同士に優劣が生じるのはなぜなのでしょうか. それは,今分析していたモデルが将棋の序盤における戦法選択という戦略的状況において重要な要素をモデルに含めていなかったためです. その重要な要素というのはお察しの方もいるように「手番」です. 将棋において, 2人のプレイヤーが同時に戦法を決定するということはなく, 決定には必ず順序があります. つまり, このゲームは同時手番ゲームではなく, 逐次手番ゲームなのです. (続く)

2021/06/23(水) 振り飛車党のジレンマ(文責:N川)
なぜ, (振, 居)という均衡が不適切で, (居, 振)という均衡が適切なのか, 例に即してかみ砕いて説明します. まず, 仮定として居飛車か振り飛車かを表明するのは先手が先であるとします(この仮定はただの簡単化です. 後に外して考えることもできます). こういう手番を伴うゲームを考える時は, ゲームの終点から考えるのが普通です. つまり, 後手の戦法決定についてを先に考えます. 後手は先手の戦法決定を観測してから, 自らの戦法を決定します. 利得関数から, 先手が居飛車を選択した場合は振り飛車を, 先手が振り飛車を選択した場合は居飛車を選択するのが最適となります. 先手はこの後手の行動を織り込んだ上で, 戦法を決定します. 先手が居飛車を選んだ場合, 後手は振り飛車を選ぶので, 利得は1です. 先手が振り飛車を選んだ場合, 後手は居飛車を選ぶので, 先手の利得は0です. よって, 先手は居飛車を選択することがわかります. 以上の議論によって, 均衡は(居, 振)ということになります. この均衡は明らかに先手に有利なものです(均衡での利得は先手が1, 後手が0). 先手のプレイヤーの立場に立って考えてみると「居飛車を指すと万が一相居飛車になった時が嫌だな」というのは一見するとまっとうな心配であるように思えます. しかし, このモデルにおいては全くの杞憂です. 仮に, 後手のプレイヤーが「今日俺は絶対に居飛車で行くから覚悟しておけ」と宣言したところで, 先手が初手に▲2六歩と指せば後手は振り飛車にせざるを得ません. なぜなら, 後手にとっても相居飛車は望ましくないのです. ゲームが始まる前にいくら脅してみたところで, 実際に選択を迫られれば合理的なプレイヤーであれば, より大きい利得が得られる選択を取るしかありません. このような後手の宣言を空脅し(empty threat)と言います. 合理的なプレイヤー同士のゲームにおいて, このような空脅しは通用しないのです.
先程, 「居飛車か振り飛車かを表明するのは先手が先である」という仮定を置きましたが, 実際にはそうとは限りません. 例えば, ▲7六歩と指せば先手は居飛車か振り飛車かを明かさずに済みます. しかし, このような手はこのモデルにおいては先手の最善手ではありません. なぜなら, すぐさま後手に△8四歩と指されて, 先程とは立場が逆転してしまうからです. この戦法決定ゲームにおいては, 先に居飛車か振り飛車かを表明した方が有利なのです. いかがでしょう, 少し不思議な感じがしないでしょうか. 普通は選択の余地を残して相手の出方を見てから決める方が良さそうなものですが, 実は相手より先に意思決定を行ってしまった方が有利になるケースというのが意外にたくさんあるものなのです. このような行動をコミットメント(commitment)などと言います. ゆえに, 「居飛車か振り飛車かを表明するのは先手が先である」という仮定は結論となる均衡に影響を与えません. なぜなら, 先手が初手に居飛車を選択するのが先手にとっての合理的な選択だからです.
分析は以上で終わりです. この文章を最後まで読む人は一人もいないと思うのですが, どうでしょうか. もしここまで読んだ人がいればそれは凄いことです. 天晴れです. 自分でも何でこんなのを書いてしまったのかわかりません. 別に暇というわけではないはずなんですけどね……. まあ, これでも必要な説明をかなり省略しているので, きちんと書こうと思えばもっと長くなります. 表や図が使えないので, 丁寧に説明する気は起きませんでした. もしかしたら今年度の千里譜はこれをもう少し丁寧に書き直したものになるかもしれません. 誰が読むのかはわかりませんが.


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