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2006/10/04(水)
初心に帰る
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今、すっごく特徴のある子がピアノのレッスンに来ています。曲を覚えるのに楽譜からではなく、耳で覚えたり私が弾くのを見て覚えたりするのが得意な子です。
楽譜が読めるのは文字を読むのと同だから、人に読み聞かせてもらうより自分で本が読めたら好きな本を好きな時に読めるわけで、そのほうが絶対にいいだろうと思っていました。楽譜を見ただけで音のイメージが湧いてくるのも重要な音楽性だし・・。 そう思って、最近けっこうウエイトを置いてしまっているかもしれません。
人間は一度自転車に乗れるようになると、運動能力が衰えない限り、「乗り方忘れちゃったよ」ということはないよね。ブランコだって一度こげるようになると、漕ぐのを忘れるっていうことはないよね。でもピアノは一度離れてしまうと弾けなくなってしまう人が多いのはなんでだろう??
ワタシも子供が生まれてから現役を離れていた時期も長かったけど、ピアノの弾き方を忘れたりはしてないです。正直、子供のころはピアノって面倒だなぁと思ったときもありました。ただそれを超えて楽しみを見つけだしてから、脳にスキルとして取り込まれた勘があります。
ってことは音楽が楽しいと脳に取り込まれることがいかに重要か実感しています。ブランコに乗れないからといって泣きながら猛特訓してやっとの思いで乗れるのと(それはそれで達成感がありますが)、ミョーな漕ぎ方でも風を感じる心地よさや、景色の揺れを楽しむのと・・。たとえそれでブランコは子供時代に漕げなかったとしても、大人になって公園に立ち寄った時、「もう一度チャレンジしてみようか」と思うんじゃないかな?ブランコに乗れない大人がいるか??っていう気もしますが、例えばです。例えば。
ピアノも人よりも曲が弾けて満足するより、ピアノを辞めた後に「あのときは楽しかったなぁ。また楽器やりたいな」と思ってくれるような指導をしたいです。指導というより、仲間として楽しめるような・・。
だからその生徒に対しても、読譜に固執することなく、特徴を生かして幅広く感性を伸ばしていきたいです。 この頃、ちょっとつまんないレッスンだったね。ごめんね。
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