小林師範の続々指導日記
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2020/11/19(木) 詭弁について(その14 各論13 論点のすり替え 2/2) 第6327回
 本日の小林の健康状態ですが、平熱(36.5度)、痰無し・咳無し・味覚&嗅覚障がい無しで、鼻づまり無しです。

 新型コロナウイルス感染者が急拡大しています。これについては、明日以降に書きたいと思います。

 14時00分〜16時は、上大岡で哲学の勉強会をしました。

 17時00分〜18時30分は、横浜道場(西が岡小学校体育館)の幼年等&初心者の稽古でした。
 18時45分〜20時45分は、同所で中級以上の稽古でした。

 さて、タイトルの件ですが、「論点のすり替え」の後半です。

 アリストテレスは、論点のすり替えを相手の主張に反駁する際に犯してしまう間違いであると考えていました。そのため彼は、その当人が反駁とはどういうものかについて無知なのだとしたのです。アリストテレスにとって、論点のすり替えは論理を知らないことに等しいのです。実際、アリストテレスは全ての論理的誤謬は論点のすり替えに還元されるとまで言っているのです。現代では、アリストテレスほど広い意味で使われている訳ではありませんが、「論点のすり替えは論理を知らない事に等しい」という言葉は傾聴に値する警告だと思います。

 「お前だって論法(Tu quoque)」も、論点にすり替えで、意図的な議論の発散を狙ったものと言えます。これは、相手の主張やアドバイスについて、発言者自身もそれが出来ていない事を指摘するものです。。「お前だって論法」は人身攻撃と共に使われ、発言者を貶めるような文言が含まれる事が多いのです。
 「お前だって論法(英語:Whataboutism)」は冷戦時期においてソビエト連邦(ソ連)が対西側諸国で使用したプロパガンダの手法(英語版)でした。ソ連が批判された場合に、その返事が「(西側諸国における事件を挙げて)〜こそどうなんだ?」(英:What about...)になる事から名付けられたものです。「お前だって論法」は、相手の論点に直接反論せず、相手の言動が主張と矛盾していると指摘して相手の論点の信用をなくそうとする論理的誤謬の一種で、いわゆる「論点のすり替え」の一種です。
 
 また、○○主義などを意味するismを付した「Whataboutism」という語は2008年にエドワード・ルーカス(英語版)がエコノミストではじめて使用したそうです。ルーカスに依りますと、この手法はソ連崩壊後のロシアで見られ、ロシアの指導者の間に冷戦とソ連時代のメンタリティが復活した証拠だとされています。

 また「自然主義論法」というのもあります。つまり「自然が一番」「自然が正しい」という前提に立って批判/反論する論法です。
 自然が良い/Aが自然でBが不自然である/だからAが良くBは良くない

 例としては、以下の通りです。
  育児は昔から女の仕事であり、それが自然だ/従って男が育児休業を取得するのは間違っている
  相撲はもともと神事であったのに、スポーツ的な価値観に染まってきたのは本来の姿ではない/従って、スポーツのように真剣勝負にこだわるのは間違っている。

 自然が全ての曲面や状況で正しいというのが証明されていません。個々の内容で判断すべきでしょうが、「自然は常に良く正しい」という大前提で、全て判断して個々の問題について検討しないというすり替えです。

 更に、ナンセンスな論点のすり替えを多用して聞き手を混乱させ、自分が望む結論へ誘導する弁論を揶揄する論法もあります。いわゆる「燻製ニシンの虚偽」の一種です。ユーモア作家エリス・ワイナーに依りますと「誰かが自分の言い分を、聴き手の脳がまったく麻痺してしまうほど明らかにナンセンスなことを並べて主張すること」としていますが、厳密は定義はないという事です。(詳しい由来は省略します。)

 今流行りとしては、「ご飯論法」があります。法政大学の上西充子教授が名付けたもので、これもすり替え論法です。質問に真正面から答えず、論点をずらして逃げるという論法です。「朝ご飯は食べたか」という質問を受けた際、「ご飯」を故意に狭い意味にとらえ、(パンを食べたにもかかわらず)「ご飯(白米)は食べていない」と答えるように質問側の意図をあえて曲解し、論点をずらし回答をはぐらかす手法です。加藤官房長官が多用する方法です。

 「ご飯論法」の発展形として「チャーハン論法」がありますが、これは上西教授が10月8日、自身のツイッターで、菅義偉首相が日本学術会議の会員候補の任命を拒否した問題をめぐり、過去の国会答弁との食い違いはないとする加藤勝信官房長官の説明をチャーハンに例えて批判しました。上西氏は、加藤氏の記者会見の動画と並べて「『エビチャーハンを作っていたのを玉子チャーハンに変えましたよね』という質問に『同じシェフが作っており、その点においてなんら変わりはない』と言っているようなもの」と表現し、「ご飯論法」と同じ論理だとしました。


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