小林師範の続々指導日記
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2017年11月
前の月 次の月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
最新の絵日記ダイジェスト
2021/03/07 ブログを移行しました
2021/03/06 ブログを移行しました
2021/03/05 ブログを移行しました
2021/03/04 ブログを移行しました
2021/03/03 ブログを移行しました

直接移動: 20213 2 1 月  202012 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201912 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201812 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201712 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201612 11 10 9 8 7 6 5 4 3 月 

2017/11/28(火) 『運動指導の心理学』(63:目標設定と目標志向性その7)
 午前、午後共にゆったりしました。読書をしたり、12月の配布資料の作成準備をしたりしました。今日は、テスト期間中という事で藤沢総合高校空手道部の稽古は、ありませんでした。19時〜21時は、藤沢長後道場(長後公民館ホール他)の稽古で、昇級審査向けの課題を中心に行いました。21時〜21時45分は、同所ホールで「自主稽古」でした。
さて、タイトルの件ですが、今回は、「目標志向性と動機付け・行動の関係」です。(P174)「自我志向性」(成績目標)は、勝ち負けや順位をどの位重視するかという勝利志向性と密接な関係があり、そのための研究が行われてきました。
 ある高校生を対象とした「目標志向性と動機付け・有能感との関係」の研究では、課題志向の方が自我志向性より、競技達成動機、内発的動機付け、有能感の全てが統計的に有意(意味が有る)に高くなるとされています。
また、課題志向性が強い人は、自我志向性(成績目標)の高い人よりスポーツへの興味が強く、長時間継続して行い、自由時間を使って練習したり、適切な練習法を採用したりする傾向が強い事も報告されています。
 中学生を対象として体育授業の研究でも、以下の様な事が報告されています。「体育授業ではどのように成功したかと思う」という質問に、「先生に言われなくても自分から進んで練習する」とか「嫌いな種目でも一生懸命練習する」といった項目で調べられました。(運動行動の強度)。また同じく「難しい技でも頑張って練習を続ける」とか「不得意な運動でも諦めずに練習する」(運動行動の継続性)という項目でも調べられました。更に、「難しい運動に挑戦するのが好き」とか「自分で決めて運動したい」(内発的動機付け)という項目で調べました。
その結果、課題志向性を持つ生徒は自我志向性を持つ生徒より、体育授業での運動行動の強度や持続性及び内的動機付けの全てで高い事が確認されました。更に、内発的動機付けでは、自我志向性の場合、有能感が特に低くなる事も分かりました。
 結論ですが、「競技スポーツにおいても体育授業において、順位や勝ち負けでなく、個人の進歩向上を目指し努力するという課題志向性を持つことが動機付けや有能感を高めるのに有効である」(P176)という事です。
 そこで、私が指導しています主に小中学生ですが、「自我志向性」(成績=結果重視・他者との比較重視)と「課題志向性」(プロセス重視・自己(の過去)との比較重視)の関係ですが、これは全くの主観であり狭い範囲での経験かも知れませんが、「自我志向性」が有る人(強い人)は、「課題志向性」も有る(強い)というのが私の感想です。同じですが、「課題志向性」が有る人(強い人)は、「自我志向性」も有る(強い)という事にもなります。どちらが優先であるという事ではありません。
 優勝を目指すという様に目標を明確に持っている人は、その為の自らの課題(伸ばすべき点・克服すべき点や獲得すべき点・状態等)を鮮明にしている様に思います。
 反対に、試合での勝利や審査合格について、目標を持っていないか目標を漠然としか持っていない人は、自らの課題を明確には持っていない様に思えます。であれば「課題志向性」は、問題にはならないでしょう。これは、「競技志向性」が強い私の指導が原因なのでしょか?自分では、良く分かりません、正直。
 で結論なのですが、私は「自我志向性」も「課題志向性」も運動(スポーツ)を継続するのに大切なものだと思っています。そもそもスポーツの一つの楽しみは「勝敗を決する」というところにもあります。その為には、出来なかった事が出来る様になるという様な課題を解決して行くプロセスも含まれます。
 外発的動機付けと内発的動機付けの所でも、両者は共に必要と書きましたが、この「自我志向性」も「課題志向性」の両方とも必要なのではないかと思います。ただ、駄目なのは「過度の外発的動機付け」であり「過度の自我志向性」ではないのかな?と思っています。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.