小林師範の続々指導日記
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2017年11月
前の月 次の月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
最新の絵日記ダイジェスト
2021/03/07 ブログを移行しました
2021/03/06 ブログを移行しました
2021/03/05 ブログを移行しました
2021/03/04 ブログを移行しました
2021/03/03 ブログを移行しました

直接移動: 20213 2 1 月  202012 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201912 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201812 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201712 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201612 11 10 9 8 7 6 5 4 3 月 

2017/11/18(土) 『運動指導の心理学』(55:運動好き・運動嫌いと性格形成その5) 
9時〜11時30分は、藤沢湘南台道場(六会小学校体育館)の稽古でした。組手模擬試合をしました。13時〜14時30分は、くるみ保育園(下和泉小学校体育館)の稽古でした。16時〜17時15分は、湘南台カルチャーセンターの稽古で、形等中心で行いました。17時〜21時は、「特別稽古」(長後公民館ホール→第1談話室)でした。
 さて、タイトルの件ですが、今回は、「運動嫌い」(その2)で、「運動嫌いを生み出す、メカニズム」です。(P156)運動嫌いは、恐怖と能力が関係しているということです。
 恐怖についてですが、苦痛刺激は生得的に強い不快感情や回避的行動を引き起こします。しかし、水泳やドッジボールと不快感情や回避行動の間には何の関係もありません。苦痛経験(昨日の日記参照)をする事により、運動と不快感情の間に強い結びつきが出来てしまいます。すなわち「運動」と聞いただけで、怖い嫌いという感情が生起し、何とかやらないでいようと言う回避行動になってしまうのです。
 また、能力に関するものは「学習性無能力感」というものが関与しています。これは、かなり有名な実験ですが、犬に電気的刺激を与えますと当然逃げようとします。しかし、最初から犬を逃げられないようにして電気的刺激を与えます。最初、犬はもがきますが、繰り返すうちに反応しなくなります。一種の諦めの状態です。次に犬を動ける様に(逃げる事が出来る様に)自由にした状態で電気的刺激を与えても、犬は逃げなくなります。反対に一度でも、電気的刺激を与えた時に逃げるという経験をさせていますと、自由にした場合には逃げようとします。
 これは、自分の意図や行動と結果(嫌悪刺激の回避)の非随伴性の認知が成立し、無力感が形成されるからだと説明されています。運動で例えれば、上手くなりたいという意図を持って一所懸命練習しても少しも上達しない、更に周りはどんど上手くなっているという状況で「自分はいくら努力しても駄目なんだ」とか「自分は運動神経が鈍いのだ」と言った意図及び行動とその結果についての非随伴性の認知が形成されます。その結果、運動に対する動機付けが低下し、運動の学習が上手くいかなくなるだけでなく、運動は大嫌いであると言った非常に強い嫌悪感や自分が惨めだという情緒を抱く様になります。
運動の場において学習性無力感で重要な事は、運動嫌いだけでなくて、無気力的な性格が形成される事です。運動嫌いの人の性格を見ますと、運動好きの人の性格と対極をなしていて、劣等感が強く消極的で失敗する事を極度に恥ずかしがるという点が上げられます。しかし、これらは性格が原因で運動嫌いになったのではなくて、統制不可能な状況を経験する(幾ら努力しても上手くならない)事により運動嫌いになり、同時に無気力と言う性格も形成されるのです。運動嫌いと無気力は共に、学習性無力感の結果なのです。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.