小林師範の続々指導日記
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2017/10/10(火) 『運動指導の心理学』(その25:「効果的な運動学習指導の展開」:視覚による指導1)
午前中は、いつもの通り読書と蔵書のスキャンをしました。14時〜16時は、藤沢総合高校空手道部の稽古でした。19時〜21時は、藤沢長後道場(藤沢総合高校体育館)の稽古でした。また、「基本形の日」という事で、稲葉指導員を講師にしてナイファンチ初段を行いました。
さて、タイトルの件ですが、今回は、「視覚による指導」です。(P90)人間が情報を得るには、視覚情報が殆どで、五感情報の7割〜8割(あるデーターでは87%)と言われています。非常に大きな割合ですので、非常に重要な所です。(「二重下線&ゴシック体太字&赤色」位に重要です!)
「言って聞かせて見せてみて、褒めてやらねば人は育たぬ」と言われています。「見せて」というのを「示範」(しはん)といいます。「示範」により、学習者に目標を提示することになります。学習者は、指導者の運動を見て真似をします。視覚情報は、情報量として非常に大きく効果的です。ちなみに「学ぶ」は「真似る」から来ています。
心理学では、見て学ぶことを「観察学習」と呼びます。それが成立するには「注意過程」、「保持過程」、「運動再生過程」及び「動機付け過程」の四つの過程が必要です。それぞれについて、見て行きます。
まず「注意過程」ですが、どこに学習者の注意を向けさせるかが重要です。そのためには、「示範」する際に、「こことここを注意して見て下さい」と指示すると良いということです。私もこれを読んでからは、生徒の指導には「まず、右足の動きを良く見てね」とか「右手の動きを見てね」と言います。確かに、そうすると生徒はそこに注目するようになり、効果があるのかな?と感じています。私の場合には、実感ですが、本書ではその事例が述べられています。(P91。紹介は、省略します。)
 次は、良く見える方向から見せるというのがあります。これは、一つの方向だけでなく、幾つかの方向から見せるということも含まれます。これには、面白い経験があります。幼年の子供に、突きの高さ(中段の位置)を見せるために、正面ではなくて、生徒と直角に向いて指導するということで、「私のする通りにしなさい」と言いながら横を向きましたら、生徒も真似して横を向いてしまいました。(笑い)
 また、速い動きをゆっくり見せるという方法があります。但し、ゆっくり見せますとゆっくりやるものだと勘違いする生徒もいます。「本当はこうやって速くやるんだよ」と「示範」した後で、「良く分かるようにゆっくりするからね」と念を入れた方が良いですね。
 更に、見にくい動きは誇張して見せるというのがあります。この場合も、しっかり「誇張するとこうなるからね」というのが良いです。
 また、良くない動きと対比して見せる等がありますが、この場合は、とか「これが貴方の悪い動きで、こちらが正しい動きね」と言う必要があります。その場合には、前に書いてある注意する点を意識させる、ゆっくり見せる、誇張して見せる等と組み合わせて行うと良いです。
 更に、「モデリング」と言って、身近なモデルを見せるというのもあります。ある程度技術を習得した人をモデルとする方法です。生徒は、指導者より身近な人が行うので刺激になります。更に、モデルになる人も「良い見本です」と言って上げますと気持ちが良いもので、モチベーションを高めることになります。これは経験的な感想ですが、生徒に「悪い見本」と言ってやらせるのは、後輩の前で恥をかかせることにもなりますし、生徒のモチベーションも下げてしまいますので、やらない方が良いと思っております。
以上のことを、1回だけでなくて、何回も見せる方が、より効果的です。
 これらのこと事は、色々と組み合わせれば、より効果的です。例えば、良く見える様な位置に立って、ゆっくり誇張して、何回も見せるというよう様な事です。


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