優妃 讃良の着物についておもうこと
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2017/01/22 着物買うのに、いくら以上だと「高い」?
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2017/01/22(日) 着物買うのに、いくら以上だと「高い」?
先日、よく行くチェーン店系の店の店員に聞かれたのが、タイトルの質問。
着物に限ったことではないが、一律の「いくら」って決めている人っているのだろうか?
スーパーで鶏肉がグラムいくらかに拘る人が、ディズニーランドで豪遊しているのを知っている。
この人にとって「夕食って、いくら?」「レストランで食べるならいくら?」ってことも、ランド内か外かでは相場が違う。

私の着物の相場で言うと、基本は「反物で10万円、仕立てて20万円まで」ってとこで、大方の着物はどんなすごいものでも、案外とこの範囲に収まる。それよりも高いものは、流通経費の上乗せであることが多い。なので、同レベルのものが、産地直送ならこの位になる。「某さんがこれの別柄のを150万も出して買ったんですよ!」などと自慢げに言う業者もいる。
「お買い得」と言いたいのだろうが、お買い得だから買うなんてのはスーパーの野菜だって、ありえない。「ゴーヤ10本でこのお値段!」といっても関東圏では飛びつく人は少ない。「牛肉サーロインが一枚100円!」だったら「今日の夕食はステーキに変更!」ならありうる。

着物で言えば、いくら安くったって、「んじゃ、次の○○はこれ着て行こう」って思いつかないなら、売れないわけである。
一見、「これどこに着て行くなだ?」と思うゴスロリ衣裳だって、買う当人達には、ちゃんと着て行く場所があるのである。

「訪問着とか買わないですか?」先の質問は続く。
着物屋は上は留袖や訪問着から下はウールや小紋、化繊まで扱っているので意識がマヒしているのかもしれないが、今や訪問着はフォーマル・ドレスのランク。洋服系統で「フォーマルは買わないんですか?」って聞くブティックはない。「クリスマス用のパーティ・ドレス出てますョ」位か。
対する着物なら「お正月用の新柄出てますョ」なら、それもありだが、不思議と老舗店以外ではこの言い方はしない。

洋服で言えば、好みのブランドやファッションがある。
私はジーパンは穿かないので、いくらお買い得だろうと、人によっては憧れのブランドのだろうと興味はない。
ブティックによってファッション志向には偏りがあるので、好みの店に行けば、比較的容易に好みのものに出会える。

呉服屋も、老舗系は割と傾向が偏っている。
が、いかんせん、昨今は手近に呉服屋が何軒もあるわけではないので、足袋だの襦袢襟だのという消耗品を調達するのに、「とにかく呉服屋系」な店にもお世話になることになる。
そんな消耗品しか買わない店でも「着物をよく着る人なら、ウチの着物も買ってくれるのでは?」と欲を出す。

ところで、着物と洋服では大きな違いがある。
着物には流行がない。全くないわけではないが、「昨年買ったモノはもう着れない」ということはない。30年前のものは傾向が違うが、見慣れているから感じるので、素人さんにはわかるまい。
着物にはサイズがない。これも全くないわけではないが、同一人物の体型変化程度ならおおかたはカバーしうる。
レンタルの着物を見てみると良い。ドレスなら9号とかサイズがあるのに、着物はフリーサイズ扱いである。
着物は一張羅でも許される。「それこないだも着てたね」は洋服では言われたくない言葉。何故か着物はそれで通る。かつて、日本人は礼装も一枚、普段着も一枚だったからなのだろうか。

というわけで、訪問着、色無地、小紋、大島、紬、位あれば、これ以上なくてもことは足りてしまうのである。
これらをそれぞれ複数枚持っているのは、好き者かお金持ちマダムな世界。

「自分か配偶者が勲章もらっちゃったらどうする?」
ないと言いたいとこだが、まぁ、そんな機会があったら、

 ローブ・モンタント作る

本当なら洋装指定なのである。「白襟紋付き ”でも可”」である。
このランク、色留袖でも100万円クラス。シルクのローブ・モンタントだって100万円クラスで作れる!
(3万円位の色留袖で行っちゃいけないらしい。)
こんな機会しかローブ・モンタントなぞ着れない。(色留袖は着られる) ここは洋装でしょう。

個人的には「名織物なら反物で20万円台」なんだけど、おおかた調達済。白鷹お召、結城紬地機手織り、つづれ帯。
大島は母からの譲りモノ+白大島(中古扱いだが、糸切ってない未使用品)でことたりている。塩沢お召は大伯母からの遺品。
夏物だと、明石縮、小千谷縮

白大島は実は中古品どころか「ハギレのワゴン品」だった。「切って売るのも面倒なシミだらけ品」の山の中に何故入っていたのか不思議。たったの500円。
譲りモノやら、産直品やら、叩き売りやら、待っていれば破格値で手に入る。

作家モノには興味はない。

そして、着物の本場、京都に拠点を置く工房なら、出入りの店を通じて、好みの色や柄で織ったり染めたりしてれる。
在庫費などの上乗せがないので、これは安い。
これを知っていると、ホントに欲しいものは、欲しいときに頼めば良いと思ってしまう。

先日、京都の小間物屋で、簪を買おうとしたら、店先で作ってた簪の金額が、引き出しの中のパーツ合計+手間賃で計算されたことにびっくり。「桃色のも付けるかい?」この店も作ってくれる店だと知った。

勿論、作ってもらうには時間が必要である。
着物や浴衣の仕立て賃、季節外れだと安くなるのもご存じだろうか?


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