優妃 讃良の着物についておもうこと
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2016/05/22(日) 衣料品の価格
さて、日記を更新しようとしてビックリ。
最新が昨年の9月である。確かにその辺りから仕事が多忙になり、土日まで駆り出されて、大変な目に遭った。

今日の話は「衣料品の価格」
今、某ブランドに凝っているのだが、このメーカーの価格戦略が実に面白い。

商売の基本としては「定価で売れる努力をする」「売れ残りが出るならバーゲン品にしてでも売りさばく」「アウトレット販売も活用する」といったところだろう。
定価で売り切りたい:商売人なら誰もが抱く。売り切れる自信のある数量に抑えれば、そっれは叶えられるが、もっと売れたのにと思えば、どれ位多くしても大丈夫なのか。日頃の販売数の把握は重要である。
バーゲン品に:価格を下げるにも適切な期間がある。定価で買おうという顧客がいる間はもったいないことだが、ズルズルしていると、シーズンを逃して誰も買わなくなってしまう。「え、もうこれ値引きしちゃうの?」位を見切るのがポイントである。
これは、日々の販売数をグラフで見て、頃合いを判断しているのだろうか?というのも、件のメーカーは、「これデザインがイマイチなんだよね〜」と思う商品はサッサと値を下げてしまうのだ。
いい感じのは、値下がりどころか品切れしてしまう。まだ売れると思えば「追加入荷」もある。商品によっては、売れ行きの悪い店舗から引き揚げて別の店舗に回すこともある。
アウトレット活用:今年から某アウトレットモールに店舗を持ったようだが、それまでは「感謝セール」といって、流通センター等の会場を借りて販売会をしていた。開発見本品や販促グッズも出るので、これはこれで楽しい。

傍から見れば、「昨年のとどこが違うの?」と言われそうなデザインや色柄であるから、このブランドの初心者は昨年モノでも十分楽しめる。私だって、今年のものも着るが昨年購入のだって着ているのだから。音楽だって、贔屓の歌手が新曲出すと買ってしまうのに似ている。どれだって似たようなものだが、やっぱり新曲は新曲である。といって旧作品に飽きたわけではない。

着物との関連について:
着物は洋服のブランドに比べれば流行という考え方はない。
とはいえ「今シーズンの新作入荷品」というのはどの店にだってある。在庫にしたくなければ、どこかで値引きしてシーズン中には売り切りを模索する。
そして、チェーン店でない限り、同じ商品を仕入れても、最初の値付けからして店によって異なる。それは一つには「立地条件」というものが関わる。顧客が集まり易い場所というのはえてして店舗賃料が高い。着物の展示会で「デパートだと、リベート取られるからこの値札だけど、ここソレないから、この価格でいいよ」なんて言うのは日常茶飯事。
つまりが「銀座や新宿のデパートの品物は高い」というわけだ。
でも、日本橋三越の仕立て上がり化繊は他のキモノ屋の化繊とは格段にセンスが違う。ついでに、着なれた顧客を相手にしているからか、古来からの着付けや居住まいを否定しない。(多分、イマドキの着付けも否定しないだろう)。高いんだけどね、赦してしまう感。
倉庫代はバカにならない:
独立店舗が織元を招いての販売会も安い。「問屋通さないから」という。それどころか「気に入ったのない?好きな色で織ってあげるよ」とまで。在庫経費とオーダーの手間が相殺する位なのである。在庫倉庫費は定価に上乗せされている。問屋も倉庫代を加算する。
「ネットって安いよね」と思って見ると、配送元がとんでもない地方だったりする。意欲も目利き能力も高いが顧客数の少ない店舗がネットに打って出るのがある。
京都の職人が見本を目安に指定の色で描いてくれるというサイトもある。大層豪奢に見えるが、職人は店舗納めだろうが、個人オーダーだろうが、同じように描いているわけで、倉庫代も中間マージンもないこのシステムはその分お安いのである。
京都に気軽に行けるなら、直接行って、頼んでくれば良いのだけど、東京にいてはそれもままならない。ネットは便利な手段だ。
その一方、ネットにはバッタ品もあれば、写真ではわからない「安いと思ったら安物だった」なんて品物も出回っている。
某店で「お仕立て上がりで39,800円の正絹黒留袖」なんてのがあって「マジ?」と思ったら、生地は安いし柄はプリントである。海外でのミシン仕立てなのは言うまでもない。実物見れば一目瞭然だが、ネットでは判断できない。
急ぎは高い:
着物は、まだ仕立て上がりは珍しい。反物が仕立て上がるには、店舗受け取りで約1か月から2か月かかる。
仕立師さんの話によれば、3,4日で着物は仕立て上がるものらしいが、そこは「待ち行列」というものなのだろう。
本当に懇意にしている店ならば、実際に1週間程度で仕上げてくれるという話を聞く。
そして、急がせない方がえてして安い。
はたまた、上に書いてきた「織ってもらう」「染めてもらう」「描いてもらう」は安いけど、その分、仕上がりまでに期間を要する。既に出来上がっているものとは調達期間が異なる。「取り寄せ」も倉庫代の節約だが、こちらも取り寄せ期間に数日から1週間はかかる。
織ったり、描いたりしてもらうならその分の期間も必要になる。

価格の付け方はなかなか見えづらいものだが、懇意のブランドのあまりにも顕著な値動きに、思わず筆を執った。


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