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2015/08/03(月)
天皇の料理番 その2
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天皇の料理番の続き
ドラマを引き締めるポイントの一つは、各所の「ホンモノ」 全く同じものは無理なのですが、華族会館、英国公使館などを、それらしい屋敷をロケすることで実現。 料理人の手つきは実際のプロさんや指導された俳優さんが「いかにも」な手際を見せてくれました。 ジャガイモの皮むき一つとっても家庭の主婦の手つきとは違うわけですから。 さて、その中に、1シーンどころか、1カットでしかなかった貴重な「ホンモノ」がありました。 妻を亡くした主人公に、皇太后から下賜された人形。実物は実際に秋山家では家宝として大事にしているとのこと。番組で使われたのはそれと同じ作者が同時代に作成したものを借りてきて撮影されました。もうすこしじっくり見せて欲しかったです。
で、この人形が下賜された意味、ドラマでは曖昧にしていました。 主人公は「亡くなったのは妻なんですけど」が最初 間をおいて「あれは、残された子供を大事にせよとのことですね」と女官に返します。 女官はそれについては何も言いません。 当の皇太后は「秋山はそのように・・・」 と言って、何やら遠い目に。それは「判ってくれたのですね」の意味なのか「大正様を偲んで欲しかったのだけど、まぁ、いいか」の意味だったのか。 時点としては、大正が昭和に切り替わった時期、皇后様も皇太后になってお住まいを移した時期。親しい方にお形見分けをしていた時期でした。日頃、食事を支度してくれていた秋山にも、形見の一つとして与えた可能性も否めません。あの手の人形を大正様はお好きで沢山集めておられたそうです。料理人に下賜するには手頃な品。
ドラマでその点を曖昧にしたのは何故なのでしょうか? ストーリー上「家族を大切にせよ」の転機にしたかったから、真意を告げるとその点がブレてしまうからなのかもしれません。
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