優妃 讃良の着物についておもうこと
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2013/09/19(木) 中秋の名月に
本日、十五夜です。
先日、台風が通り過ぎたお陰か、空は一点の曇りもなく、煌々と輝る月を拝めそうです。
ツィッターの情報によると、今月の月齢15.0日は今日の20時13分だとか。
「今日はxx夜」と日単位で言いますが、新聞で見ると「月齢xx.x日」と小数点がついています。厳密には、15.0夜は一瞬というわけです。

さて、この十五夜の日、優妃は家で三方に月見団子を捧げて、装束で露天の宴をしてみたりしてきましたが、今年は、某神社で、舞楽が奉納されるとのことで、そちらに行って参りました。

見たいと思ってもなかなか見られないものの一つが、雅楽の演奏、舞楽や神楽の舞です。舞楽のための衣装も束帯や衣冠とは違うので、それらが見られるのも楽しみ。

本日の同行はお姫さん。
こちらは会社を早上がりしてきました。
銀座線のホームで待ち合わせたところ、降りてきたお姫さんが袋から出したものは、金のイカ、何やらダンゴ虫のようなものを抱いています。
「ご依頼の品です」としずしずと献上される。
お姫さんは、日中は友達と深海展を見てきました。
そこで売っているであろうイカのぬいぐるみを買ってきてと頼んだ次第。金色のダイオウイカと大王具足虫というお供。
コバンザメのように大王具足虫が供奉しているのだとか。
実物はナウシカの王蟲のようだと。
イカが金色なのは、今回、新発見となった「光にあたると金色に発光する」という現象をぬいぐるみに取り入れたもの。
さて、閑話休題。

会場は社殿の前に設置された舞台。雅楽の舞台なので、正方形で床には緑の布が敷かれています。織柄が見えるので装束の単衣の生地のような織物でしょう。

太鼓の奉納に始まる頃には日も落ちて、辺りは夕闇に包まれ始めます。都会の社殿なので、満天の星空とはなりません。
まぁ、満月が出てしまえば、星は見えなくなってしまうので、大きな問題ではありません。
残念なのは、この社殿は東に面して建てられているため、月は舞台とは反対方向に昇るとのこと。月と舞とどちらかしか見られません。
太鼓の次は管弦。揃いの直垂姿に垂れ烏帽子の奉仕者が幾人も。
笛のように小型の楽器は持参ですが、琴や太鼓のように大きなものは前もって運び込まれます。琵琶も事前運び込みでした。
もう一つ、笙(しょう)の前に謎の小鉢状のもの。演奏中、何やらそれにあてている様子。和楽器のオオカワが、小型の火鉢で焙って乾燥させながら演奏するので、笙も似たようなことが必要なのかもしれません。
音はといえば、西洋音楽で言うところの平均律の和声的には不協和音になる音の重なりです。それでいて、一つの「調和」を持っている。最初の曲は「双調音取(そうじょうのねとり)」という曲で、「双調」という調律に音合わせすることを曲としたものだと。
西洋音楽のコンサートの始まりのチューニングを思わせます。
続いては、女性の舞う「神楽」そして、男性の舞う「舞楽」と続きます。
この頃に、月が姿を現しました。予想通りに名月です。
群雲の間の月も良いですが、十五夜の月はこのくもりなき空に煌々と輝くのが好みです。

神楽の一つは「浦安の舞」、装束店で「浦安の舞」用の扇や裳などが売られています。名古屋の知人も浦安の舞を習っていて、奉納舞をしたことがあるので、割りと一般的な演目なのでしょうか。
ちなみに「浦安」とは、「心安らか」という意味で、日本の国の異名には「浦安国(うらやすのくに)」という言い方もあるのだとか。
「扶桑」「やまと」「あきつしま」「ひのもと」と並んで、日本を現す言葉です。しかし、どれも、のどかで穏やかな形容詞ですね。

唐楽は北庭楽(ほくていらく) 赤地の武官装束を片肩を脱いだ着付けで。典型的な左方舞のいでたちです。
帽子は「鳥甲(とりかぶと)」
楽曲は「唐風」なわけですが、中央電子台制作「三国志」に出てくる曲や舞を「見覚えてきた者が国内で伝授するとこうなるかな」という印象でした。「三国志」に比べると、音も動きもゆっくり。

国風(くにぶり)楽は、登殿楽(とうてんらく)薄緑の武官装束に巻纓(けんえい)冠。蛮絵が刺繍されています。元々は蛮絵装束は衛府の官人達の服で、狩衣の袖が縫い付けられたような形態でしたが、舞楽装束としての蛮絵装束は、武官束帯と同じでした。
ところで 闕腋袍(けってきのほう)は、袖は見頃に全て縫いついていると思っていたのですが、今日見た舞の装束は狩衣のように上半分程度しか見頃に縫い付けられていません。
あれれ?装束の場合はどうなの?、
現在、「女房装束の袿(うちき)の袖は平安期は振りはなかったか」の証拠を絵巻図から探しているのですが、これは闕腋袍も、同じように探さなくては。

装束を着て、これだけ動き回るというのは、舞楽をおいてはありません。普通はしずしずと動くだけです。
なので、「手を上げると、袖はどうなるか?」といったことがじっくりとみられました。これは、絵巻で形状を見るときにも役に立ちます。

で、舞や楽の方はどうなったかって?

やっぱり、気になる方を注視してしまうわけで ^^;)
弓道をするお姫だと、足運びに目が行ったようです。
「基本、右足から出してるんだね」とな。

そして、名月を背に、家路へと向かいました。


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