優妃 讃良の着物についておもうこと
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2013/07/01(月) 夏着物
7月突入。文句なく、夏着物の着用の季節です。
6月は「透けない単衣」の季節ですが、冬物の袷にも使えそうな縮緬の単衣仕立てじゃないとダメとか言う人もいます。
が、そういう生地だと、昨今の気候的には5月がいいとこ。
装束だと、旧暦4月から「夏モノ」ですが、昨今の着物と逆に「夏生地の袷仕立て」を冬物と同じ枚数だけ着重ねます。
秋篠宮のご成婚の際のお装束がこの例になります。
皇太子のご成婚の方は冬装束です。

装束は6月から「ひとへかさね」、つまり、単衣仕立ての衣をかさねる月に入ります。旧暦とはだいたい1か月ズレですから、新暦の7月からがこの季節です。

着物も「透ける紗の単衣は7,8月」ですから、ここは同じ。

前置きが長くなりましたが、つまりが「スケスケ着物の季節」到来!というわけです。

優妃はこのスケスケ着物が大好きです。
平安時代だと、袷の着物も、蚕の糸が細かったせいで、裏の生地が透けて、裏の色が透ける効果を狙ったわけですが、今の装束地は帯地と同じですから、ほとんど透けません。
着物も袷用の縮緬はやはり「白地表だと印象が違う」程度なので、以下同文。

その点、紗地は違います。スッケスケ、で下の生地がバッチリ影響します。
6月に着る「紗袷」という着物の場合は、表は無地紗とか流水紋で裏側の絽に鯉や金魚を描いたりして、透かしの妙を楽しみます。7月に入ると、これが単衣になるので、今度は長じゅばんの柄を見せる形になります。

京都の紫織庵の夏襦袢はこの効果を想定して強い色のものや、柄の鮮やかなものがあります。緋色の長じゅばんに濃藍の紋紗なんか、ゾクっといいです。緋が端々にチラ見えし、全体は紫っぽい感じになります。白抜きで鯉なんか描かれているとそこだけが藍になって浮き上がります。

最近は「緋縮緬の襦袢」とか「緋の胴裏」とか、赤味の強い裏モノが手に入りにくくなりました。
大島や藍染めの紬や浴衣には、緋のチラ見えっていいのに。
八掛けも緋を探すのが苦労です。
お姫さんの成人にあたってあつらえた大島の八掛けも店にある見本になくて、他の業者の見本をいくつもあたってもらった程。

装束では、夏の花を想定してか赤の色目が夏向きとしては目立ちます。なんか暑苦しそうだけど、きっぱりと赤い紅花染めは案外と涼しいさっぱり感があります。
そも、紅花の収穫期は初夏。「採れたての紅花で染めた衣」となれば、この時期の衣服になります。案外と「旬の染色」なのが理由かも。
秋になって涼しげな露草で染めた衣服が出回るのも、露草の季節が晩夏だから。
「採れたて=>即使う」が案外と当時の発想だったりして。

今年の調達化繊夏物は、白に近いベージュに薄花田で流水を描いたもの。化繊では今までにないスッケスケ生地です。下に薄水色の襦袢を着ると水色の着物になっちゃう位スケまくり。

そういう着物は腰回りも丸スケで安心ならないものですが、私はホレ、袴ですから、その心配は全くなし。


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