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2012/12/15(土)
甲冑姿:体格でバレる男装
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『女信長』の続き、というか、その一部。 映像化される信長はいかついイメージが多いです。 背も高く、筋肉も盛り上っていそうで、顔は面長系の長四角。 が、教科書でも有名な信長像は線の細い美男子です。 当人とどれほど似ているのかにはどの人物であれ問われるところではありますが、他の武将でいかつく描かれる者もあるので、「やさ男に描くのが当時の画風」とは思われません。 妹であるお市の方の絵図、そして現代に残る織田の末裔であるスケート選手の面立ちからみても、信長は線の細い美男子系であったろうと思われます。
が、こういう線の細い美男子系は、甲冑姿が貧弱になるんですよね。 私は、身長168cmで、割りと男装がキマる方です。 平安装束の直衣や狩衣だと、パっと見区別がつかない。
とはいえ、背広のサイズで言うとA4かY5辺り。 サイズ区分では男性としては小柄な区分になります。 体格にピッタリな甲冑だと、この体型がモロバレ。
今年の忍城時代まつりで「自前甲冑隊」の一員で参加したのですが、皆で並んでみると、「なんか、ちっさい貧弱なのがいる」と思ったのが私だった。 男性と並んで小さいと思ったことなぞついぞなかったのに。 武将をやる人間は、通常平均よりは背も高ければ、体格もがっしり系が多いようです。
『女信長』のスナップでも、長身の筈の天海さん扮する信長が同様にちっさぃ感じに写っています。 宝塚の男役時代を彷彿とさせる座り方、歩き方、彼女だけを見れば決して「男ではない」とは感じさせないのに。 衣装も男性の方を大きく見せるようにデザインしており、ジャニーズ系のようなイケメン系の細身でなく恰幅の良いタイプをそろえていることもあるわけですが。 小説内で、信長はその体格差を憂える場面が度々出てくるわけですが、画面はそう作られています。
やってみると、実感な甲冑姿。 私も、歩き方も立ち方も意識してるのに「いつになく貧弱に写っている」と娘にまで言われた。 刀の構え方などは、さすがに剣道や弓道の素地があった方が良いようです。うっかりすると、すぐに「へっぴり腰」になります。 弓道の立ち居で意識する筋肉と、甲冑姿で槍や太刀を構えるときに意識する筋肉は同じところです。
服飾関連は、やはり、着用体験が貴重なことを教えてくれます。
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