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2011/07/09(土)
「暑い」で済む着物
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梅雨はどこに行ったのでしょうか。 もう死ぬほど暑いんですが。 洋服だと、下着に木綿のタンクトップ着てても暑い。 背筋の谷間をつぅっと汗が垂れていく不快感たら、たまりません。 脇もじゎーっとネチネチしてくるし。 どこも汗でべとべとです。
それが、着物になると、不思議と、「暑い」で留まります。 「たまらん」まで暑くは感じない。 物理的な差では、まず上で書いたような「背中をつたう汗」がない。脇でネチネチする汗もない。 膝から上の股の内側をくっつけるとペタペタすることもない。
但し、着物の地質でいくらか差異は生じます。 イチオシは綿コーマか綿縮み。仕立て上がり浴衣に多い木綿地よりも、従来の浴衣の地質の方が涼しいです。
次点は正絹とか麻。でもコレは高い。正絹は家で洗えないので、季節の終りに洗いに出さなくてはいけません。
化繊系ではセオα。浴衣も着物もあります。タダの化繊よりずっと涼しい高機能化繊です。 着物専用では、シルック、シルジェリーといった正絹を模した生地も良いです。
どれにしても、洋服よりは涼しいです。 まずは生地の問題なんでしょうね。同じ木綿でも綿コーマの方が暑くないんだし。 洋服でもセオαのような高機能化繊の衣類もありますが、私は持っていない。
下着の問題もあります。 脇の汗の対応には、半そでなど、脇布のある下着で、脇の汗を吸収させるのがベスト。膝上の湿気も、木綿楊柳地のステテコやズボン下を着用した方が汗が吸われて快適です。 女性の夏物衣料の場合、こういう下着を着用しにくいのが難点。 フレンチスリーブや3分丈スリーブは半そで下着が見えてしまう。スカートにステテコってわけにもいかないしね。
そして、洋服形状。タンクトップや、オールバックのように生地がないのは汗を吸ってくれないし、炎天下ではお日様の直撃に遭います。そして、袖などはゆったりと風通しの良い形状。着物の袖は洋服よりもゆったりしていますから。
身八つ口から風が通るのも着物の強み。男性の着物は身八つ口ないから駄目かと言うと、こっちは、帯位置が低いので、袖口から入った風が胴体まで筒抜け。これはこれで涼しい。
いつものように着物姿で、病院に行って、薬局行って、モールでショッピングしてきたんですが、「お暑いのに、着物なんてすごいですね」とどこでも言われました。
この日は、そういわれる位暑い日でした。 洋服でもグダっと来るような「暑いぞ熊谷」な日。
この日の私は、化繊の紅梅風の浴衣を着物風に洗いざらして柔らかくなった麻の長じゅばんを重ねていました。昨年購入の牡丹色に花を絵羽に描いた変わりダネ。これに松葉の袴。足は素足に右近下駄。モチ、ステテコ着用。胸には扇子と懐紙という常備セット。 小物的には、帯は単の正絹博多織を二つに折って角帯モドキ。 伊達締めはなし。腰紐とこれだけで着物を留めています。 長じゅばんにも紐はなし。
はい、暑いですねぇ。でもぎゃあぎゃあ言う程の暑さではありません。液体になって滴る汗はありません。 その辺が着物のパワーなんだろうと。
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