優妃 讃良の着物についておもうこと
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2011/07/29(金) 名古屋着物事情
7月の後半、名古屋に出張状態だった。
その最終日、名古屋駅につくと、いつもなら、一番早く乗れる新幹線の切符を取るのだが、最終日だし、時刻は17時前。ちょっと遅くなっても帰宅に問題はない。
ということで1時間半程遅い便の切符を取る。
そうすると、窓際が取れる。いかに、ビジネスマン達が帰路に関しては、直前に切符を取るかがよくわかる。

さて、と見回せば、一番近いのは、名鉄百貨店である。
なんか、催し物やってるかなーと思ったら「呉服総ざらえ」
なんですか、まんまいいことやってるじゃないですか。

というわけで、催事場階にエレベータで直行。
名古屋の傾向ってどんなのか、そういうのがわかるだけでも楽しいなと。
夏のセールなので、夏の薄物と一緒に有松絞のでこぼこ反物がどーんと並ぶ。有松は愛知のものなので、扱いはやはり多いのだなと。
※9月半ばに行ったところ、名鉄百貨店呉服売り場には今度は浴衣ではなく木綿着物や絹物(?)の有松絞が登場。
これは、他の地では見られません。さすが「地元」

小紋や訪問着の傾向は、はんなり京都系。
このデパートの傾向か、はたまた愛知という土地の傾向なのか。
東京のデパートでこういう総棚さらえを何度も見ていますが、江戸系の粋筋や東北の素朴な紬が入るせいか全体印象が違う。

と言いながら、手頃な小紋を手にとってしまいました。
薄い黄色地に立沸に花の小紋。東京だとみつけにくい色柄。
薄い黄色とか香色とかって、そう好みじゃないのだけど、最近の自分の顔に一番映りのいいのがこの色。
「好きな色」と「似合う色」は必ずしも同じくない。

もう一つは、化繊。化繊も趣向が違います。
っていうか、この織り方何?
単仕立てで、夏の薄物っぽい生地だけど、紗でも絽でもない。いや、絽目があるから、絽の仲間か?でも普通の絽より、厚みというか、嵩のある感じ。ぬらっとした感触は一見暑苦しそう。
その生地で小紋柄。薄藍墨の単色濃淡で、枝葉の影を片寄せて。
着るとそう暑くはないというか、通気性の良い感じ。

気になる、織りに強い呉服屋はどこだっけ?
そこに着て行って聞き出したい。
ああ、でも絽はもう終りか。(って書いているのが9月だから)

こんな化繊の仕立て上がりの着物でも違いのある名古屋着物事情。

2011/07/09(土) 「暑い」で済む着物
梅雨はどこに行ったのでしょうか。
もう死ぬほど暑いんですが。
洋服だと、下着に木綿のタンクトップ着てても暑い。
背筋の谷間をつぅっと汗が垂れていく不快感たら、たまりません。
脇もじゎーっとネチネチしてくるし。
どこも汗でべとべとです。

それが、着物になると、不思議と、「暑い」で留まります。
「たまらん」まで暑くは感じない。
物理的な差では、まず上で書いたような「背中をつたう汗」がない。脇でネチネチする汗もない。
膝から上の股の内側をくっつけるとペタペタすることもない。

但し、着物の地質でいくらか差異は生じます。
イチオシは綿コーマか綿縮み。仕立て上がり浴衣に多い木綿地よりも、従来の浴衣の地質の方が涼しいです。

次点は正絹とか麻。でもコレは高い。正絹は家で洗えないので、季節の終りに洗いに出さなくてはいけません。

化繊系ではセオα。浴衣も着物もあります。タダの化繊よりずっと涼しい高機能化繊です。
着物専用では、シルック、シルジェリーといった正絹を模した生地も良いです。

どれにしても、洋服よりは涼しいです。
まずは生地の問題なんでしょうね。同じ木綿でも綿コーマの方が暑くないんだし。
洋服でもセオαのような高機能化繊の衣類もありますが、私は持っていない。

下着の問題もあります。
脇の汗の対応には、半そでなど、脇布のある下着で、脇の汗を吸収させるのがベスト。膝上の湿気も、木綿楊柳地のステテコやズボン下を着用した方が汗が吸われて快適です。
女性の夏物衣料の場合、こういう下着を着用しにくいのが難点。
フレンチスリーブや3分丈スリーブは半そで下着が見えてしまう。スカートにステテコってわけにもいかないしね。

そして、洋服形状。タンクトップや、オールバックのように生地がないのは汗を吸ってくれないし、炎天下ではお日様の直撃に遭います。そして、袖などはゆったりと風通しの良い形状。着物の袖は洋服よりもゆったりしていますから。

身八つ口から風が通るのも着物の強み。男性の着物は身八つ口ないから駄目かと言うと、こっちは、帯位置が低いので、袖口から入った風が胴体まで筒抜け。これはこれで涼しい。

いつものように着物姿で、病院に行って、薬局行って、モールでショッピングしてきたんですが、「お暑いのに、着物なんてすごいですね」とどこでも言われました。

この日は、そういわれる位暑い日でした。
洋服でもグダっと来るような「暑いぞ熊谷」な日。

この日の私は、化繊の紅梅風の浴衣を着物風に洗いざらして柔らかくなった麻の長じゅばんを重ねていました。昨年購入の牡丹色に花を絵羽に描いた変わりダネ。これに松葉の袴。足は素足に右近下駄。モチ、ステテコ着用。胸には扇子と懐紙という常備セット。
小物的には、帯は単の正絹博多織を二つに折って角帯モドキ。
伊達締めはなし。腰紐とこれだけで着物を留めています。
長じゅばんにも紐はなし。

はい、暑いですねぇ。でもぎゃあぎゃあ言う程の暑さではありません。液体になって滴る汗はありません。
その辺が着物のパワーなんだろうと。

2011/07/02(土) 夏こそ着物
今年も半分過ぎてしまいました。
6月の更衣を過ぎ、7月突入。着物は天下晴れて、薄物OKの季節です。
でも「夏に着物は大変ですよねぇ」とか「夏なので着物はしばらくお休み」だのという話をよく聞きます。
「冬は着物が最適」というのは理解されやすいです。洋服に比べて重ね着のしやすい着物は寒さに強いと納得してもらいやすい。
一方、夏は、となると、「洋服は半そでやタンクトップ、ミススカにできるけど、着物は袖あるし、裾丈だし」と、涼しくしようがないように思われます。下着を抜くわけにもいかない。

でも、ちょっとまって。
着る枚数や肌を覆う面積を減らせば涼しくなるものでしょうか?

発汗は重要。発汗による気化熱で身体の内側の体温を下げるとか。但し、それが肌の上にいつまでも溜まっていると、腐敗して、いわゆる「汗臭く」なります。素肌を晒す弊害はこれなんです。
昨今は、直射日光を素肌に浴びると紫外線で、肌に障害が起き易くなるとも言われています。日傘を差している人が増えましたが、腕などを完全に日陰にしきれるものでもなく、やはりショールなどに頼ることに。

こういった「肌に一枚」は、吸湿性の良い木綿や麻が向いています。麻は、外気温が体温よりも低い場合、高い方に向って熱や湿気を発散させる効果があるので、33度位までの気温下では最適。
熊谷のように体温よりも高くなる場合は、逆に体温と外気温を遮断する木綿が向いています。
先日、既に熊谷は39度を記録。39度に比べれば、体温の36度は低いでしょ。
イマドキの色柄豊富な浴衣よりも、昔ながらの綿コーマや綿縮みの生地の方がこういう機能は高いです。
炎天下歩くなら、楊柳の下着に浴衣が最適。
汗を吸って、気化熱で肌を涼しくしてくれます。

そして、着物の構造も重要。身八つ口から団扇や扇で風を送ると、熱循環を促進し、涼しい!!!!
洋服で扇いだって、こんなに涼しくありません。

今年は震災から電力不足と、いつになく暑い夏になりそうな予感。冷房止める暴挙(?)に出た鉄道もある位。
家の冷房も可能ならば切るとかしたいと思うならば、

浴衣で過ごしてみませんか?


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