優妃 讃良の着物についておもうこと
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2011/12/30(金) 官職の唐名、異称
律令制における官職の唐名のお話

「水戸黄門」の「黄門」は中納言の唐名「黄門侍郎」をさしている。
平清盛の「平相国」は太政大臣、
菅原伝授手習鏡に出てくる菅原道真を菅丞相は「大臣一般」を指す。
稀に出てくるのとしては「左府、右府、内府」これは「左大臣、右大臣、内大臣」である。

がものによっては人名にしか見えないものもある。

例えば、「金吾」
「金吾中納言」といえば、小早川秀秋なのだが、この「金吾」は「執金吾」という唐名で衛門府に属するものを指す。

源氏物語に出てくる「柏木」も衛門督を指す。これは唐名ととはちょっと違うらしい。

松永弾正で有名な「弾正」は「霜台(そうたい)」
戦国BASARAの松永久秀は白髪交じりの壮年男性なので、「頭髪に霜を頂く」という壮年の形容詞に見える。
何のことはない、官位である。

侍従は「拾遺(しゅうい)」

戦国BASARAでは、毛利元就が息子の養子にあたる小早川秀秋を「金吾ぉ!」と叱り付けているが、元就の官位は右馬頭(唐名では典厩(てんきゅう)まんまやな)、衛門督より下位なのだが、義理でも親子なら呼び捨ててもいいんだろうか。

人名にしか思えないこの「金吾」という呼び名が、官位だったとは。

金吾と言えば、辰野金吾。日本銀行や東京駅の設計者である。

権兵衛、なんとか衛門は、兵衛府や衛門府なのだが、ちょっと古い時代の男性名として一般的だった。何か流行でもあったのかな。

歌舞伎とかで「主税(ちから)」「主計(かずえ)」「玄蕃(げんば)」「雅楽(うた)」というのが人名で出てくるのもちょっと楽しい。
忍城のおもてなし武将には、酒巻靫負は普通「ゆげい」と読むのだが彼は「ゆきえ」と読ませる。音読するとかわいい。
辞書ひいたら「ゆぎえ」と読むことはあるらしい。
これも「衛門府」の異称。

衛門府は、異称が多い気がする。

2011/12/11(日) 呉服屋3店
ひょんな経緯で今週末は近所にあるチェーン店系の呉服屋3店を訪れた。

最初の一店目はジャスコに入っているR屋。化繊を始めとするプレタ着物が豊富な店。木綿のプレタがあるのも貴重。
ここの私の担当は最初は中年の女性だったような気がするが、今は若い男性店員。大学で装束を学んだという彼はちょっと話が合う。その割に着物の知識は少ない。しかし、素直に知らないという態度なのが良い。
終末に割引されていることの多い腰紐を買いに立ち寄ったのだが、なんと丁度B反倒産品市の初日。襦袢生地が9千円とか、小紋が2万5千円とか破格値。大島が1万5千円とか、もうどうしようって世界。
丁度、お姫さん用に大島を仕立てたので長襦袢が必要でしたので、クリーム色に桜柄のを調達。織りやぼかしだけでなく、桜はピンクに、葉は萌黄にと色が挿してある地は高いのでこれはお買い得。
記憶では、私の成人式の着物の長襦袢もこうやってどっかのバーゲン品だった記憶。
さらに、西陣から織元も来店中。
ただ、お値段もよろしい。
一枚、好みの柄のを出してくれたのだけど、お値段が財布の紐をぎゅーっとしちゃう高さ。
「あんさん、これこうたら、タンスの中入れて、どないする?」
というので、
「これは、大島でも小紋でも訪問着でも何にでも合わせられるから、締める機会がすごく多いと思う」
と言ったら、
「なら、これでどない?」
と電卓を見せた。
値札の1/5! それってアリか?
「こうやって着物きてくれはってるし、そういう人が気に入ってくれたら、また来てくれはるやろ、それやったら、こうてのろた方がよろしわ」
という。儲けは他の機会に充分できるのだから、こういう機会は「着てくれる人」を増やす方に注力するのだと。
昔はよくいた「お得意さん作った方が、長い目で見て儲けやろ」ってクチです。
値つけもいいとこ。値切りのセンスもいい具合。
値切りは丁々発止。但し、一太刀目が重要です。
おっちゃん、いい勘してる。

次に行ったのは、専門店街にあるM屋。
先日、お姫さんの大島を頼んだところ。先週、仕立てあがってきたのを試着したところ、肩の縫いが斜めだったので、どうにかならないかと置いてきたもの。
仕立て師さんがその話を聞いて返答してきたものを担当がメモしていたのですが、伝言をそのまま聞いても何のことやら訳がわからない。何故「襟付けも直さなくてはいけない」とか「背縫いも解く必要がある」につながるのか?店員はもちろんわからない。私に伝えれば判ると思ったようですが、私も何故そうなるのか。
で、今回は、仕立て師とそのまま電話で話せるというので、(前回は、日曜だから連絡不能という話だった)、つないでもらった。
で話してみれば、何のことはない「袖縫いを真っ直ぐにした場合、抱き幅を守るために、襟側をその分寄せてやらなくてはならない」ってだけだった。斜めに細めた縫いに比べて、真っ直ぐに縫えば、抱き幅は広くなる。「その分、抱きは拡げていいです」と言えば簡単にすんだ。あとついでに、「この生地だと、裾つぼまりにするのは無理が大きい」というので、「腰から通しでいいです。」と返答。「通し」というのは、同じ寸法で行くこと。肩幅からまっすぐに袖付けを下ろし、そこから腰までで狭め、その後は同じ寸法で行く。最初は肩幅8寸に対して裾幅7寸2分。8寸も細める。それを裾幅7寸5分腰幅7寸5分とする。これならいけると。
この程度の伝言もできないのだろうか?ちょっと気になるこの店。
そして、この店には大島紬の「先生」なるものが来店しての大島フェア。泥大島、白大島に加えて、縞や無地、夏大島と多彩に持ち込んでいる。無地や縞は絣がない分やはり値段が半額だ。
といっても、20万円以上する。
更に気になったのがその「先生」言動。
「いいわ、お好きに着ていらして」
というのは褒め言葉とおもいきや、何故か何度も口にする。
私はこの日、縞の白鷹お召しに桜の縫い取りの紺袴、四半幅の帯も桜柄。
マイサイズの着物の袖は、世間一般の1尺3寸ではなく、1尺4寸5分。長い。
これは、裄1尺8寸5分の長い裄に対して、袖の縦横比を守る場合の手法である。
この「先生」はそれがお嫌いのようだ。
「ホントは1尺3寸なのよね
その「ホントは?」って何ですか?
更に。
「お召しは単に仕立てるものなのよねぇ」
「ええ、これは単仕立てです」
昼間はちょっと天気が良いので、もう袷の季節だが着用。
そういうことに拘るのは、厳格な茶会位だ。
「今は袷よねぇ」
だから何?
そして、別れ際
「あなた、夏も袴なの?」
「ええ、夏は絽ですが」
余程、袴姿が嫌いなのであろう。プレタの絽の袴はない。お仕立てなのだが、この「先生」はそれに気付いたであろうか。
(私にはどうでもいいことだが)

最後は 駅ビルのY屋。かつて近在のビルにいたが撤退してしまったのだが、12/1にこのエリアに戻ってきた。
一時期、3店のチェーン店が相次いで撤退し、このエリアには一軒のチェーン店もなくなるという事態だったが、その後に乗り込んできた呉服屋が繁盛しているのを見て、まだ市場はあると再認識したらしい。
以前はそう評価していなかった化繊プレタを大量に持ち込んでいる。1/3が振袖、1/3が正絹もの、1/3が化繊プレタ売り場といった比率である。
ここは花織風の生地や大島風の生地の使う業者を抱えていて、これらは染め柄によって紬や大島風のプレタになる。
今回は、お姫さん向けに紺地の小紋を調達。
黒地に花輪の柄もお姫さんは気に入ったが、試着してみると、「40代の奥様」になってしまった。トンチンカンなのではなく、実に自然に上品な年配女性に見えるあたり、何なのか。
なので、それはやめて、もう少し可愛い柄に。
イヤイヤびっくり。洋服ではこうはならないだろう。
他にもう一人お客がいたというのに、とっかえひっかえ店員が挨拶にくる。結局、名刺を差し出したのは若い男性店員。彼が私の担当となったようだ。
モノは知らないようだが、しったかぶりはしないところが気に入った。


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