優妃 讃良の着物についておもうこと
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2011/10/05(水) 歴女以上研究者未満
「歴女」という言葉がある。
歴史を題材にした物語の登場人物のファンを指すらしい。
「らしい」というのは、書かれているものによってその造詣の深さに差があるからである。

浅い定義なら「特定の歴史系のストーリーのキャラのファン」であって、そのキャラが史実ではどういう人間かは追及しない。
そのストーリーでそのキャラが出没する場所は見に行くが、史実での縁の場所には興味がない。
「xxの嫁になりたい」等と口走るタイプが多い。

単純に言えば、J-Popのアイドルをそのキャラに置き換えただけと思えば良い。

学者から見ると「ホントの彼って、そういう人じゃないのだけどね」と、この浅いレベルで定義される「歴女」の行動を嘆くらしい。

一方、深いレベルの場合は、そのキャラや関連する人物の史実での足跡、生活場所、活動範囲(各戦場など)、衣服、食事メニューにまで追求していく。

こちらの問題は、どこかで、研究論文にいきついてしまうこと。
学者のご高説を賜りたいとこなのだが、その欲求の源がゲームキャラからの発したものである場合、どうも嫌な顔をされてしまう。

ここで、きっぱりと割り切って、発端がゲームだなどとオクビにも出さなければ良いのかもしれないが、それは端々に散見されるに違いない。学者にとって、それは不愉快なことなのだ。

しかし、ここ数年で「歴女」という言葉がはびこるようになったが、私が中学生であった時、それは私のいた中学では普通にあった。文化祭で大賞を取る展示といえば、決まって、日本史の誰かを研究したものだった。関連書籍を読み、縁の地を訪れて、その人となりを追う。ゲームキャラこそいなかったが、少女マンガに登場したのがキッカケであったなぞ、普通のことだった。

とはいえ、かつての少女マンガの場合は、マンガ家が資料を集め切れなかったことによる史実の誤差や、マンガであるがゆえの美形化に過ぎなかった。
多分、今のゲームキャラ等が駄目なのは、わかっているのに、あえて、設定を違えていることによるのかもしれない。
どう転んでも会ってもいない筈の二人が出会うとか、それが年代的に「片方はもうその時期死んでるから」といったズレとか。
デザイン効果を狙ったが故に、史実ではありえない服を着てるとか。

そういうのがきっと、嫌いなんだろうなぁと思う。

装束など、様々な関係者が入り乱れているが故に、敷居の高いことこの上ない。
現在の振袖とは大きく異なる、この衣類は、着て、動いて初めてその各所の構成や着付け手法、所作の意図に気付く。

だが、そんな体験のできる場所は滅多に存在しない。
それを望む人の中で偶然にその機会を得られたものは実に幸運と言わねばならない。

しかし、そこで、気付いたことを誰かに問う術が、又、ないのだった。


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