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2010/06/08(火)
どこでも高齢化、どこでもデフレスパイラル
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着物業界は高齢化していると言います。 着る人も、売る人も、織ったり染めたり、縫ったりする人も。 業界的に縮小方向にあり、修行期間の長いワリに実入りの少ない 職種なので、若い人としては敬遠方向だとも。
でも、昨今は、どこの業界でも似たような話を聞くように思います。安価販売のしわ寄せは当然原価に響き、それに携わる人件費も買い叩かれます。一社位なら「あんたんとこの仕事はしない」とも言えますが、そういう店の方が大多数を占めては、働くほうもそんなこと言えなくなります。 「若手が少ない」って、はい、私のことですか? さすがにこの歳ですから、一人も年下がいないってことはなくなりましたが、随分長い間、最年少が続きました。 昨今、かなりの働き手を抱えるコンピュータ業界の一員で若手もガンガン入っていますが、ある特定分野においては、若手が入り難い状況にあります。 って、昔は当然だった「アセンブラが読める、ハードのメッセージ・コードを読める、タスク・スケジュールを組める」ってことが、若手では経験を積み難く、そんな機会があるとオジン、オバンの絶好の機会となります。 今は派遣ですから、コンペになったら、若手だろうと叩き落します。こっちの生活かかっていますからね。 かくして「すぐに身につく、誰でもできるような仕事」ができる位では、コンピュータ業界でも、仕事にあぶれます。 買い手側でもできる人の方を採用するので、どちらを採用するかといえば当然に。 でも、これも行き過ぎているような気がします。 二人一組で募集がある場合、ベテランと若手を組ませて、若手に経験を積ませようとしても、若手だけ落選しちゃう。 これでは、若手は経験を詰めません。 それどころか、ベテランの経験はそこで潰えてしまいます。
着物業界どころか、コンピュータ業界ですらこんな状況なのです。下手に安価なニーズが多いだけにより酷いという気がします。 似たところでは、食品スーパーですね。この近辺は「引っ越してきた人間が、特売と勘違い」する程、平常値の低い場所です。 交通網が発達していない農村地帯なので、車で移動するからか、ちょっと位遠くても買い物に行ってしまうので、競争相手の圏がやたら広い一方で、収入が低い人が多い。 それが、昨今の不況で更に抑えられたところに、近隣店舗の上を行く激安スーパーが出店!どこから引いてくるのか、もやしは10円、秋刀魚は60円、豆腐は35円mお茶は2リットルボトルが98円。 買い物客の流れが一気に変わったようで、従来の激安を謳うスーパーも応戦。小規模経営のスーパーは力尽きて倒産や撤退。 こちらも年収カットされていますから、安い方が良いのですが、生産者の売値がどうなっているかと思うと寒いものが・・・・ 結局、人件費を節約し、雇用者の給料が下がって、購買能力が下がり、更に安い値でなくては売れなくなる。モロにデフレ・スパイラルを感じます。 景気は回復しているといいます。余り多くを望まない土地のせいか、年末にはごったがえした職業安定所も、今は落ち着きを取り戻してきました。それでも、収入は0よりはマシってとこ。 近所の安売り戦争はまだまだ激化の一途です。
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