優妃 讃良の着物についておもうこと
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2010/06/04(金) 帯しろ裸
本日、「ムシの日」です。はみがき週間という言い方もある。
私が小学校のときはこの日、朝礼で「はみがき体操」というのをしました。保健委員は前で例になるので、放課後の保健室当番時などに、これを練習してました。
ある日、某TV局に、その練習風景を撮影されてしまったことがあります。祖母が見たのですが、ビデオなどない当時のこと、私はそれを見ることができませんでした。

って、今日は本の話。
「母の衣替え」安田房子著

著者は、由紀さおりさんと、安田祥子さんのお母様です。
ステージママとして、長年お二人を支えてきたそうですが、そのいでたちは着物姿だったとか。後年、「目立つから」と洋服に替えたそうですが、逆にずっと着物だったんですね。

着付けを習ったのも後年のことなので、ご自身の着付けは親譲りと推測します。
早替わりにも等しい舞台の着物姿の由紀さおりさんが、綺麗に着付けておられたのは、お母様の着付け術のなせる業であったと。

タイトルは「母の衣替え」で章のタイトルも「振袖」「小紋」「結城」と着物の単語が並びますが、1章の「緋の袴」以外には、その単語に関わる逸話は読み取れませんでした。

著者は緋の袴で小学校に通っていたそうです。時は関東大震災の翌年の四月。赤坂にある小学校です。同じクラスの子の中では裕福な方に入っていたようです。級友は「帯しろ裸」という、帯をしないつけ紐だけの着物姿の子が多かったとか。

夫の母の小学校でも「普段から袴の子、着物だけの子」と色々いたそうですから、似たような感じなのだろうと思われます。

帯をしないつけ紐だけの着姿は、竹宮恵子さんの「紅にほふ」の冒頭で、満州の妓楼を経営するおかみに買われた2人の少女の着姿として出てきます。

つけ紐があるのは、子供の着物だけですが、「帯しろ裸」の場合は、後ろでリボン結びできる位に長い紐をつけます。
室町時代の子供を描いた扇面図などにも似たような姿を見ることができるので、古くからある子供の着付け形態のようです。
もっとも、お公家さんの場合は5才辺りで「袴着」といって、以後、男女共に袴を着用するようになるので、「帯しろ裸」姿はそれ以前の幼い姿に限られます。一方、庶民は成人まで、その格好のまんまいっちゃいます。この習慣が、昭和戦前までは普通にあったのだと思われます。

今でも、七五三の三つのお祝いで被布を着る場合、下の着物はつけ紐だけで帯や兵児帯は不要といわれています。
この姿だと、帯の重さや苦しさがないので、3歳児には向いているなと思ったものです。

んで「帯しろ裸」こんな着方で出歩く人がいないので、死語なんですが、「帯しろ」は「帯をしろよ(=帯をしていない)」という意味と推測しますが、「裸」とは?
お寺さんや、お宮さんで、白小袖だけ(お宮さんだと、切袴プラス)を「裸」と言うことがあります。
着物きているのに「いやー、裸ですみません」と出てくるお寺さんの言葉に、来訪者の方がビックリするとか。
上に法衣や狩衣を着てできあがりなので、白小袖姿はいわば下着姿。白の下着シャツにステテコ姿で人前に出るとしたら「裸ですんません」と言うでしょうね。お寺さんやお宮さんだと、それが白小袖姿という訳。

というののと同じ語源の「裸」なのかな、と。

そういう私は、昨日、自宅で白小袖に伊達締めだけしてゴロゴロしてたら、宅配便がきちゃったので、その格好で応対しました。
「相手が寝巻きで出てきても、動じるな」とは業界どこででも言われていることらしく、そのオジサンも顔色一つ変えずに去っていきました。頭の中では何を考えたやら。

洋服の白シャツ下着もそうですが、白一色の単衣仕立ものって、確かに「下着」っぽいイメージがあります。
同じものでも、色柄つけば、洋服ならTシャツとなり、和服ならユカタ」って思えるんですけどねぇ。


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