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2010/06/17(木)
「虞美人」衣装
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「虞美人」のお衣装なお話。 白井版の「虞美人」では、明代の衣装が使われました。 鎧として一番美しいのは明代なんです。日本にある仏像で四天王の武将姿でも明代の鎧姿のものは多いです。 三国志も明代に三国志演戯が成立するので、演義の衣装は明代衣装が多いです。 まぁ、日本で言うと、「時代劇」というと、江戸幕末の服装になっちゃうのと一緒です。中国は近代化直前は清という異民族国家で辮髪と旗服という、従来の漢民族の服飾とは異なる時代なので、一番新しい漢民族というと明代になります。
日本では、中国の歴史的服飾情報が入りにくかったことや、日本の時代劇ですら、そういういい加減な時代考証だったので、見栄えのする京劇などでつかわれた明代衣装が使われたのでしょう。
今回の衣装は項羽と劉邦時代の形態を基本としています。 生地はもちろん、舞台なので華やかで色鮮やかで煌くものです。 当時、直袍という、裾のまっすぐなものと曲袍という、バイヤス仕立のものがありましたが、舞台では曲袍で統一されています。 武人は、膝丈位で下袴の見える形で、文官は膝下20cm位の長めか、更にそれに下裳をつける形態。 項羽と劉邦、懐王は、少し形態が異なります。直袍系かな。前が開いていて、下裳をつけていたり、前掛(正しくは何というのだろう)をつけていたりします。偉い人用衣装。
女性も曲袍です。下裳付き。男性のよりも周りが深く、脇でなく、後ろ中心までいきます。
今は、当時の中国服飾もよくわかるようになったからこその衣装デザインでしょう。
面白いといえば、稽古風景。昔は木綿の浴衣でしたが、今は、カラフルな浴衣に並んで化繊の着物も使われていました。 女性の稽古姿は着物か浴衣の上にロングスカート。裾や袖さばきが近いようなものを着用するようで、まぁ近いですね。 男役は、シャツとズボンの上に衣装の丈に近い丈にお端折りしてます。劉邦は裳姿が多いので、裾丈ですね。
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