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2010/05/27(木)
外着の袴、下着の袴
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女袴の紐の結び方にはいくつかあります。 まず大きい差異が「右脇か左脇か中央か」です。 左右脇の場合は、チョウチョ結びか片結びかがあります。
装束の中で、この袴の結び方を見ると、中央で結ぶのは、男性の指貫です。束帯の場合は、下袴が右脇で、上袴が右左脇です。 同じ脇にしてしまうと、結び目が重なって、モコモコしてしまいますから、反対側にすることで防止したのだろうと推測します。
この結び位置について、ある本では、「右脇に結ぶのは下着の意味」とありました。女性の装束で、長袴の紐を右脇に結ぶのはそれが、下着であった名残なのだと。
そういう風に考えると、今の女性の行灯袴でも、左に結ぶ場合は、道行とか羽織とは羽織ったほうが、理に叶うのかなと思ったりして。
「宝塚の生徒さんは右脇に結ぶ」という話を聞いたことがあるのですが、グラビア写真をみても、中央でないことまではわかるものの、袖に隠れてしまって、どちらに結んでいるのか、チョウチョなのか片結びなのか判るものがありませんでした。 戦前は、登校時の制服でもあったので、上に羽織を着た写真などもありますが、昨今は、礼装に限られているので、式服の黒紋付かお正月や海外公演時の振袖を用いたものばかりで、上に何かを羽織った姿を見ることはできません。
そろそろ、羽織も暑くなる季節。「衣替え以降には羽織は用いない」という説もありますが、帯結びなどのボロ隠しになり、防塵にもなり、気楽に羽織れる羽織は便利なもの。 クーラーのなかった時代に育まれた盛夏素材は、夏場の空調の効いた場所では、いっそ寒いくらいなので、羽織があった方が良いほど。
羽織は、旧暦4月から盛夏生地である紗が使えます。 黒や紺の濃い色の紗から、下の着物の柄が透けて見えるオシャレは、この時期ならではのものです。
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