|
2010/02/12(金)
朱元璋:字(あざな)は何?
|
|
|
今週の朱元璋は11巻と12巻。楊憲が頂点を極め、そして失脚しました。 「怠ける」「くすねる」といった官吏の悪事にはチェックの厳しかった朱元璋も、「昇進のためには、手段を厭わない」タイプの楊憲の悪事は見抜けず、発覚後にはものすごーく落ち込んでしまいます。 楊憲は、明建国、国土復興にあたって、朱元璋の夢をかなえてくれた人物でありました。それが実は虚実であったとは!
というわけで、この辺り、楊憲と彼が対応する相手の一人称、二人称が様々にでてきます。
で、前から気になっているのが「字」です。
劉基は字(あざな)を伯温といい、「伯温」「劉伯温」と呼ばれています。 これに敬称をつけて「劉大人」「劉先生」または「伯温爺」といった呼び方も出てきます。 三国志時代からそうなのですが、中国では、通常、字で呼び合い、正式な公文書の記載や、父親や主君からの呼び以外には「名」は持ちいません。
だから、「伯温」と呼ばれるのは正しいのですが、問題は他の人。 宋濂(そうれん)は、景濂(けいれん、かな)という字があるにもかかわらず、誰からも「宋濂」と呼ばれています。
戸部尚書の呂昶(リュチャン)と楊憲が言い争うシーンで、激昂した楊憲が「呂昶!」と呼び捨てるシーンがあるのですが、ここは、元が字+敬称でないと、呼び捨ての衝撃って薄いなぁと。
もっとも、李善長になると、「善長」は字なのか、名なのか。 今のところ、調べても「字は・・・」の記述にいきつきません。
当の朱元璋も、「改名」はしていますが、字の記述がない。 劉備だって「玄徳」という字があり、「自分でつけた」という説もありますが、関羽にも字があります。
字幕は、アテになりません。日本では字と名や各種の呼称が混在するのを避けるために、原文通りの訳にしていないことが多いです。これは中央電子台の「三国志演戯」でも見られました。 耳をそばだてて、それらしき音を拾うのです。 もしかして、ちゃんと字呼びしているかも。 三国志の人物ほど、登場人物の全てが有名人ではないようなので、字が不明な人の方が多いので、音だけでは拾い難いんですが。
さて、「劉伯温」は「リゥ パオン」が読みになるようなのですが、「リュバオン」と聞こえるのは良いとして「ハォイェ」とか「ホーエナー」って何の接尾字がつくのだろうか? 「ハォイェ」は「伯温爺(ハオン イェ)かなぁと思うのですが、「ホーエナー」ははてさて?
「爺(イェ)」は、年配者を尊敬をこめて呼ぶ場合の接尾字だそうです。 「劉大人(リゥ ターレン)」の「大人」も尊称 「劉先生(リゥ センション)」の「先生」も尊称ですが、ドラマの朱元璋は教えを請う儒者などにししか用いていないので、日本語の「先生」に等しい感じです。
|
|
|