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2010/01/08(金)
ほんの三行史
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三国志演戯って、黄巾の乱から晋による統一までを対象にしてますが、漢が終わるのって、曹操が死んだ後のこと。 高校の世界史だと、ほんの三行で済まされてしまいます。 隋と唐の間も「隋唐演戯」ってのがある位、どったんばったんしてるのに、禅譲されたかの如く、あっさり書かれています。 唐の二代目、李世民は結構戦塵をくぐっています。 元が明になるにも「元末の混乱の中から朱元璋が現れて・・・」と一行にもなりません。 宋の前は五代十国時代があるわけですが、趙匡胤の動きもほとんど書かれていないので、まして楊家将の話なんて出てきません。
中国史って、すっごく判りにくいと思ってたんですが、なんのことはない、話が抜けている。 ヨーロッパ史は、歴史物語が日本にも沢山紹介されているので、そこからうかがい知ることもできるわけですが、中国の歴史物語って日本に存在を知られていない分が多いですね。
イギリス史なら正統ならシェークスピアの史劇と言われる分野 フランス史なら三銃士ですね。続編まで読めば、英仏関係、スペインの存在なんかまで判ります。「モンテ・クリスト伯」や「赤と黒」も背景に歴史が重要にからんでいます。
日本で漫画なら、「ベルサイユのばら」「アンジェリック」「サラディナーサ」辺りかな。今コミックに残っていない単発の歴史モノも昔は結構ありました。マリア・テレジアが若い頃にシュレジェンを獲られた「オーストリア継承戦争」もそうやって覚えましたし、森川久美はシェークスピアの史劇を何作か漫画家しました。ベネチアの主長が主役のシリーズ好きだったんですけどね。文庫コミックにならないかなぁ。ベネチアとトルコの関係はこれで覚えました。
と、これを中国に目を向けると、チョイと前までは、三国志と「項羽と劉邦」位。やっと北方「楊家将」が出て、「李世民」も文庫化されました。 中国は、漢文の世界の方がその辺を知れるでしょうか。 世界史で「赤壁」も「五丈原」も出てこないのに、世界史の資料集に地図に朱書きされているこの地名は、漢文の授業の為かと。 「赤壁譜」は漢文じゃ、比較的有名なものの方。 春秋戦国だって「呉越同舟」「鶏鳴狗盗」となれば、故事として登場。「項羽と劉邦」の話を知らないでも、「四面楚歌」の故事なら知名度はより高い。
韓国歴史モノは今フィーバーですね。「韓国ドラマで見る、韓国の歴史」ってムックは思わず買っちゃいました。ほとんどの時代が登場してるんですね。日本で大河ドラマがほとんどの時代を扱ってるのと同じなわけで。
日本史だと、平安やそれ以前って、登場率低いんですよね。 おかげで、平安の藤原の推移もわかりにくい。これも、「ほんの三行史」で片付けられてる。 「枕草子」の背景である、藤原道長と藤原伊周の権力闘争なんて、日本史で出てこない。すんなり道長が内裏で主権を握ってたかのような書かれよう。 そこを解説したくないからか、高校で扱う「枕草子」まで、その辺にかかわるクダリを取り上げない。装束にかかわるようになって、原文全部読んでみたら、いやいや。私はそれまで、あの本は「ものづくし」と「内裏で体験、お茶目な事件簿」だとばっかり思ってましたから。
歴史は、ちょっと踏み込んで知った方が覚えやすいです。
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