|
2007/08/01(水)
八朔
|
|
|
一日は「朔日」とも呼びます。八月は「八朔」です。 柑橘類で「はっさく」ってありますけど、さて、同じものやら。
気象庁的には、梅雨明け宣言はまだということですが、29日の夕刻に雷雨も降りましたし、梅雨明けゲージの立葵も頂上まで咲ききりました。トドメに蝉も鳴いています。 我が家では、「梅雨明け」と判断しました。
この日、京都の祇園さんなどでは、芸妓さん、舞妓さんが、黒紋付の裾模様の正装で、お茶屋さんやお師匠さんの処をご挨拶に回る日だそうです。一度みてみたいものですが、なかなか機会がありません。なんせ、一日こっきりのことですから。
さて、昨日、着物を買いました。 綿の縦絽ですが、普通の綿絽に比べるとずーっと薄い生地です。 イマドキの「プリントのプレタ浴衣」の仲間です。 とはいえ、このシリーズはちょっと大人向けな地味な色柄で揃えられています。パっと見は、夏塩沢とか明石縮み、夏芭蕉の雰囲気です。 生地の薄さと透け加減に柄付けは明らかにこの辺の夏の織物系着物を意識していると思われます。
そのうちの一枚が気に入ったので、買い求めました。
店員「たとう紙はごいりようですか?」 私「はい、お願いします」 店員「畳み方はご存知ですか?」 私「・・・・・はい」
会社帰りの洋服姿。着物を着られるかどうかはこの格好からでは全く想像がつかないでしょう。そういう人の中には畳めない人も当然いるんでしょうね。
店員「帯はどのようなものをされるご予定ですか?」 私「そうねぇ、黒の絽か、紗献上辺りをお太鼓に結ぼうかと」 店員「ああ、それは良い組み合わせですねぇ」
ここは「ご一緒にポテトもいかがですか?」戦術でしょうか。 シックな柄行きなので、普通の浴衣用の半幅ではカジュアルっぽ過ぎな感じです。店員さんは「持っていない」方に賭けたようにも見えましたが、残念ハズレです。
店員「こちらのですと、襦袢を重ねて着物のようにお召しになることも可能ですよ」 私「そのつもりでいましたの。麻の紗の襦袢がありますので、これを合わせようかと思っております」
おっとりと会話は進みますが、「ご一緒にポテト」並みの追加品はなかなか出てこない。そりゃ、一式持っていますからね。 絽の夏帯は白と黒の二本、紗献上は薄蘇芳と薄花田の二本。お出かけには絽の帯、完全カジュアルなら紗献上。大体この4本でことは足ります。
シック系のこのチェーン店は比較的敷居が高い印象なんですが、それでも、「何も持っていない初心者」も浴衣などは買って行くことがあるようです。 「何か後で、聞かれたら困る」とでも思っているのか、徹底して、「初心者確認」が続きます。
店員「こちらのチケットは、この浴衣をお持ちいただくと、千円でお洗濯をさせていただくチケットです」 私「家で洗えないものですか?木綿100ですよね。」 店員「いえ、普通に洗っていただいて構いませんが、干す場所とかアイロンが大変でございましょう?」
浴衣の洗濯チケットって、「アイロンかけ」ができないから、頼んじゃおうって人のためのものだったんですね。 正藍のは2回程は色留めも兼ねて業者さんにお願いしましたが、それだって、その後は家で洗濯しています。 他のものと一緒に洗濯して色落ちの心配すら不要なプリント浴衣をなんで千円もかけてクリーニングに出すのかと思ってた。
個人的には、着物って、四角でまったいらになるので、襞があって立体裁断な洋服なんかよりよっぽどアイロンはかけやすいと思ってるんですが、世間じゃ、あの広さに辟易してるのかも。
店員「お着物はよくお召しになるんですか?」
あら、急に初心者確認から、飛びました。 質問の回答をまとめれば「初めて浴衣を着る」んじゃない事くらいわかるわけで、次に来るのは「他の着物も売り込めるのでは?」という魂胆でしょう。
私「家では、大概着物ですのよ」 店員「こちらのお店でお買い物になったことは」 私「伯母が以前、こちらの別の店に勤めておりましたので、その頃に色々と揃えていただきました」
「伯母が」ってのは真実。実際に成人式の訪問着などそのツテで購入しましたし、大伯母からのお下がりにもこの伯母から買ったものが含まれていました。
店員「展示会などにお出かけにはなりませんか?」 私「必要なものは、十分に誂えていただきましたので、もう十分にございますのよ」
さりげなーく、行かないョって意思表明。 だって、このチェーン店、化繊の反物ないんだもん。 今回、こんないい柄の木綿着物が目につかなければ、「いつものように」素通りする筈でした。
さーて、しばらくは展示会攻撃が来るかしらね。
|
|
|