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2007/05/26(土)
着物に無縁
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「着物畳めないわよ」 はいぃぃぃぃ? 今、なんとおっしゃった?
私よりも年配のご婦人は、こともなげにそう言ったのでした。 「着物着た経験も、振袖を成人式と披露宴に招かれた何回か着ただけだし」 更に 「この間、息子の結婚式だったんだけど、新郎新婦の母親ってお酌とかして回るでしょ。あれのときに着物だと扱いが面倒なので、相手の親とも相談して二人ともドレスにしたの。新婦もドレスだけだったから、問題なかったし」
その方は娘さんの成人式の振袖もレンタルで、卒業式の小振袖と袴もレンタルで終わりにしたそうです。 もちろん着付けは着付けさんを頼み、そして、帰宅して脱いだ着物は「適当に畳んで返却した」んだんだという話。 昨今のレンタル着物はそんな畳み方で返却してもいいそうな。
話には聞いていたのですが、私よりも上の年代の方でも、「着物を着た経験もほとんどない」「畳むのも、立ち居もできない」って、本当にあるのだなと。 その方は決してスチャラカでいいかげんなタイプではなく、絵に描いたような良妻賢母の方です。そんな方でも着物に縁を持たないこともあるのだと。
そういう家の娘でも、成人式や成人のご挨拶に親族への挨拶回り、卒業式には着物を着るんだなぁと思ったり。 でも、かなりの確率で、きっと、その娘さんももう着物を着ることもないんだろうなとも思ったり。
仕立は仕立師に、着付けは着付け師に頼むことができますが、立ち居は自分で会得していなければどうにもなりません。 習っただけでどうにかなるものではなく、「慣れ」として体に覚えこませておかないと、咄嗟の行動、無意識の行動が取れません。そういうことが分かっている人ほど「だから着物は着ない」と判断するでしょう。
「着物を着ない人」は「着物を着られない人」になっていくのだと思った日でした。
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