優妃 讃良の着物についておもうこと
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2007/05/31(木) 結婚式に着ていく着物
明日から衣替えですね。
着物の一番一般的な衣替えは「6月1日より単衣」です。
「一般的な」というのは、地方やお家の習慣によって、案外とこれが違ってたりするからです。

とりあえず「一般的な」に従うと、6月は単、7,8月が薄物です。

袷の着物を持っている人は、まだ、そう少なくもないんでしょうけど、これが「薄物」になると、かなり少なくなり、単になると、もっと少なくなります。
「礼装用の単を持っている」といえば、年がら年中着物を着ていて、袷はもちろん、薄物も持ってる人って考えても、大概は外れません。

そんなだから、結婚式などは、袷の季節を基本とし、まして単の季節である6月と9月は外すのが常識だったらしいんですが、「ジェーン・ブライド」の影響なのか、結婚月には主催者が無頓着なのか、着物関連の質問では、「6,9月の披露宴に着ていく着物」の話題はよく出てきます。

質問は主に「袷の礼装は持っているのだが、6月に着ても良いか」同じパターンで「8月に着てもよいか?」というもの。

これ、洋服だったらどうなんでしょうか?
「披露宴に着ていける服は、冬物の厚手ウールのしかないが、8月に着ていっても良いだろうか?」
すっごく変な質問していると思いませんか?
いいとこ「別に構わないけど、暑いんじゃない?」とかね。
(だから、1着しか買わない背広なんかだと、冬物とか夏物は避けて「合い物」を調達しておくことが多い。)

そう、着物だって、正月とか成人式用に調達する袷の着物は「冬物」だから、厚手ウールのスーツと同じで「暑い」んです。

しかも、この時期、気候がほどほどなので、「ガーデン・ウェディング」向きだとかで、「式場は空調が効いている筈」の予想が外れて、「木陰のテーブル席」で炎天下状態だったりします。

何故か、着物の場合、冬物で一年中着通してしまおうという発想が、結構な面で見られます。
「高いものだから、おいそれとは、新しく買えない」とか
「この季節に着物を着る機会はきっとないだろう」なんてことで
わざわざ、単や薄物の礼装を買おうという気にならないのでしょう。
でも、なぜ「季節にあった着物がないなら、着ていくのは諦める」ってならないかが不思議です。
夏物持っていないなら、洋服で出たって良いわけです。
「なにがなんでも着物でなければならない」というケースはまずないでしょう。(あるとしたら、季節はずれの着物を着ていくような事態もまた許されないんじゃないかと思います)

「やっぱり、着物で出席したいの」というならば、やはり季節に合った着物を調達した方が良いと思います。
単も薄物も暑い季節のものですから、いっそ正絹でなく、シルック等、高機能化繊の着物はどうでしょうか?
シルックの類は普通の化繊よりも、絹の風合いに近く、正絹程ではないにしろ一般化繊より涼しいです。
自宅での洗濯も可能です。
付け下げだって色無地や江戸小紋だってあります。これなら披露宴に十分使えます。
価格も正絹より、ずっと安いです。

不運にも夏場の結婚式に呼ばれてしまった「一年中着物を着たいな」と思っている人は、良い機会と思って、正絹なり化繊なりの夏着物を調達するのも一手だと思う次第です。

そうそう、長じゅばんや肌襦袢、裾よけ、帯板に至るまで夏物にした方が快適です。帯はもちろん夏帯、帯揚げと帯締めは通年用で良いのですが、こちらも夏用がやっぱり涼しいです。

2007/05/27(日) 授業参観に着物
昨日は、お姫さんの学校の授業参観でした。
今日の着物は、単仕立の大島。地白に細かい黒の十字絣が一面に入り、更に、薄い黄、紅、緑、青で不定形なブチが入っています。
ブチも染めでなく絣。何気ない柄ですが、すっごく手間のかかった逸品。きっと高かったんでしょうねぇ。大伯母の形見なので、由緒は全く不明なんです。

これに、小袋帯、松葉の袴、麻の白足袋にしました。
小袋帯は失敗。陽気が良いのでかなり汗ばみます。
着物を単にしたのだから、帯も絽とか紗、博多の単とかにすべきでした。

襦袢は、京都で買ってきたシルックの二部式を初おろし。
水色の地に白と濃い水色の水玉の可愛い柄が気に入って買いました。店オリジナルのソレは背は衣紋抜きでなく紐を留めつけるタイプ。専用の紐が付属しています。留めつける手間が必要ですが、位置がバッチリ合うので、私の場合は好みです。
衣紋抜き式はなんか着崩れるんです。

麻の白足袋は、「着物のやまと」で調達した500円ナリ。
開けてみたら「まねきや」さんの足袋でした。
裏はサラシ。少しは涼しかったかな。よくわかんなかった。

そして、今回は、新兵器!
「スリッパ草履」
正月に山形の結城屋さんで調達した、裏がスリッパ底になっている草履です。楽屋履きなどに使われているそうです。
お姫さんの学校は、上履きかスリッパが必要です。
ただ、足袋でスリッパ履くと、すっごく歩きにくい。
今回からは、問題なく快適です。

授業参観の科目は「担任の行う授業」になっていました。
今年の担任の担当教科は古文。この日は宇治拾遺物語の一篇でした。前日まで中間試験だったので、予習も十分に言い渡せなかったとかで、今日の授業はとにかく対象部分の「品詞分解」で終わりました。

しっかし、古文といえば「品詞分解」って相変わらずですね。
このあと現代語訳して終わりだったら、昔と変わらないなぁ。
その文の「鑑賞」なんてほとんどしませんもんね。
モノによっては、「そのクダリの背景」なんかもあるわけですが、昔は全然やりませんでした。
「枕草子」なんて、裏に「栄えゆく道長一派、衰えゆく道隆一派」って歴史的背景があるわけです。これを知って読むのとそうでないのでは、読みコミの深さに差が出ましょう。
はたまた、服飾の部分なんて「桜が良い、山吹が良い、躑躅(つつじ)も」と字面を訳しただけでは何の面白みもありません。
「どんな色目なのか」「その色目にはどんな意味が含まれているのか」っていうのが分かると面白いのに。

2007/05/26(土) 着物に無縁
「着物畳めないわよ」
はいぃぃぃぃ?
今、なんとおっしゃった?

私よりも年配のご婦人は、こともなげにそう言ったのでした。
「着物着た経験も、振袖を成人式と披露宴に招かれた何回か着ただけだし」
更に
「この間、息子の結婚式だったんだけど、新郎新婦の母親ってお酌とかして回るでしょ。あれのときに着物だと扱いが面倒なので、相手の親とも相談して二人ともドレスにしたの。新婦もドレスだけだったから、問題なかったし」

その方は娘さんの成人式の振袖もレンタルで、卒業式の小振袖と袴もレンタルで終わりにしたそうです。
もちろん着付けは着付けさんを頼み、そして、帰宅して脱いだ着物は「適当に畳んで返却した」んだんだという話。
昨今のレンタル着物はそんな畳み方で返却してもいいそうな。

話には聞いていたのですが、私よりも上の年代の方でも、「着物を着た経験もほとんどない」「畳むのも、立ち居もできない」って、本当にあるのだなと。
その方は決してスチャラカでいいかげんなタイプではなく、絵に描いたような良妻賢母の方です。そんな方でも着物に縁を持たないこともあるのだと。

そういう家の娘でも、成人式や成人のご挨拶に親族への挨拶回り、卒業式には着物を着るんだなぁと思ったり。
でも、かなりの確率で、きっと、その娘さんももう着物を着ることもないんだろうなとも思ったり。

仕立は仕立師に、着付けは着付け師に頼むことができますが、立ち居は自分で会得していなければどうにもなりません。
習っただけでどうにかなるものではなく、「慣れ」として体に覚えこませておかないと、咄嗟の行動、無意識の行動が取れません。そういうことが分かっている人ほど「だから着物は着ない」と判断するでしょう。

「着物を着ない人」は「着物を着られない人」になっていくのだと思った日でした。

2007/05/25(金) 夏はきぬ
「卯の花の匂う垣根に時鳥早やも来なきて
 忍び音もらす 夏はきぬ」

私が初めてこの歌を聴いたのは、石鹸のテレビ・コマーシャルでした。「お中元にxxx絹石鹸」と。
だから「夏は絹」だと思った次第。

すっごく良いコマソンだねと親に言ったら「昔からある歌だよ」と。
「夏は来ぬ」がホントの歌詞。
(「来ぬ」を「きぬ」と読む場合は、「ぬ」は現在完了を意味し、
「夏が来ている」という意味になる)

口語的な「来る」「来ない」でもなく、文語でもよく知る「来ぬ(こぬ)」でもない「来ぬ(きぬ)」ってのが、またステキな言葉で子供心にゾクゾクしました。

昨今、「小学唱歌」とかの類が学校の音楽の教科書から消えつつあると言いますが、この歌は私の小学校時代にも既に教科書から消えていた歌でした。

「卯の花」「橘」「早苗」「おうち」と装束の色目にもある初夏のキーワード満載ながら文語文満載でもある歌詞。
「時鳥(ほととぎす)」「さみだれ」「皐月闇」「早乙女」「裳裾」というキーワードもステキ。

文語文や古文って、歌の歌詞としては、口語文よりも優れていると思っています。
短い言葉で様々な状態を表せる動詞や形容詞と副詞の組み合わせ、多彩な語彙。

「語彙が難しい」とか「文体が文語体で判りにくい」、果ては「そういった事象や職業を見ることがなくなった」ということで、こういった歌詞の歌が、音楽の授業から消えています。
でも、私の時代も、都会に暮らす私は「村の鍛冶屋」なんて見たこと無かったし、「外を歩けないほどに雪に降り込められ、更にその上を吹雪が舞う」のも写真かTVでしか知りませんでした。
だからといって、そういった歌を理解できないということはなかったし、また全体の理解はともかく、一つ一つの語彙の理解はしないで歌ってた。

そういう発想って、今はダメなのかな。

「愛宕の山に臼が住む」と思っていようが、「帰ってみれば、怖い蟹」がいようが、歌を知ってると知らないでは何かが違うんじゃないかと。

「愛宕の臼」は鉄道唱歌の「汽笛一声 新橋を 早や 我が汽車は離れたり。愛宕の山に薄霞む月を旅路の供として」
「怖い蟹」は、助けた亀に連れられて竜宮城に行った浦島太郎の唄の最後の方、「帰ってみれば、こは いかに。」

2007/05/23(水) 「七緒」「きもので京都」新刊
着物の季刊本系統が矢継ぎ早に初夏号を出してきました。
「美しい着物」「きものサロン」も勿論出ました。
夏なので「ゆかたxxx」の類も出ています。

会社の帰りに持ち帰って電車で読める厚さと重さで、まずは「きもので京都」と「七緒」を買いました。
時期的にどちらも「ゆかた」を特集しています。

「きもので京都」は「なごみ」というお茶道の雑誌の特別増刊の扱いなので、やはり「茶道で着られる着物」がベースにあります。だからなんでしょうか、ゆかたの着付けレッスンでも、しっかり「最低限度は補正を」となっています。
うーむ、あれで最低なんですか。フル装備だと思います。
だって、胸は専用パッドを巻いて「つぶす」兼「ほどよい膨らみ確保」、ウェストはくびれを埋めて、ヒップまでなだらかに仕上げる。胸元に肉のない人はV字に手ぬぐいをはさみ、肩にもガーゼハンカチを置いて、専用のさらし布で押えます。つまり、とにもかくにも「薄手パットながらも寸胴体型」の上に着付けるという次第。
私の貧弱体型ではここまでする程のことはないのだけど、お姫さんの方は私よりも胸があるし、腰のくびれも大きいので、これくらいやらないとダメかなーとも思ったりします。
並寸サイズな小柄体型ということもあって、見事に「帯に乗る胸」なんだもん。
家で寝巻き、起き巻きな着付のときにはいいけど、縁日とかだと、どーしよーかなって感じ。

一方「七緒」だと、同じ補正でも「肌襦袢や裾よけをきっちり着付ければ十分補正はできる」という比較的自然体派。腰のくびれの分はさすがに「浴用タオルを後ろ腰にあてて隙間を埋めて」ではありますが、巻かないので苦痛感は少なそう。
その「下着」だって「専用の下着がないなら、ブラ付きタンクトップとステテコでも十分」と言う。

今回の「七緒」は、なんと「ステテコを自作しよう」というコーナーまで。市販のステキなのも掲載されているけど、ステキなのはさすがに高額なので、お針のできる人はチャレンジするのもあり。夏の着物姿の問題点の一つは股や膝裏をつたう汗。ステテコがあるとこれが解消されて快適に過せます。
着物専用は高いけど、洋服用の5分丈フレア・パンティとか、オバサン向け楊柳ズボン下はそれよりずっと安価です。
若い人なら、ローライズ5分丈スパッツもオススメ。
今はこういうスパッツも裾にレースやリボンのついた可愛いのがある。ゴスロリ用のシュミーズも使えます。

最後はステテコ話になってしまった。

2007/05/21(月) 卒論教官決定
お姫さんの卒論教官がやっと決まったそうな。
日本史担当の教師のどちらかだろうと予測していたのだけれど、あにはからんや、美術の教師がついたそうです。
まぁテーマが「日本のファッションの変遷」ですから。本を探すときにも「美術」のエリアに本探しに行くこともありますし、「服飾史」は美大で研究している先生もいらっしゃいます。
なーんて、勝手に想像してたら、「明確にどこかの科目分野に入らない論文はそれ以外の教師がつく」んだとか。
とはいえ、「天才の研究」という不明確分野だけど、対象がモーツァルト等音楽家を取り上げている子の教官は音楽教師だそうで、そうそう全くアサッテの教師が割り当てられたわけではないんじゃないかと思う次第。

お姫さんは美術部で、美術教師は顧問。そっちでも縁があるので、都合がよかろうと思われたフシもあります。

次の提出で、先日撮影してきた、装束の写真とかお姫さんお得意のイラストなどを加えましょうか。

2007/05/20(日) 京都調達品 使い勝手
京都で調達してきたいくつかのグッズの使い勝手です。

●湯文字
 丸正さん調達品
 銀座で調達した分は、腰紐が裾よけ同様に細く、着付けた感じは「短い裾よけ」という感じですが、こちらは、紐が太くなっています。オモシロイことに、これで結ぶと、裾がすぼまるような形に仕上がります。紐と腰部布がつながっているので、ちょっとウェストニッパー的に出腹を抑えるような締め方もできます。

んで、この湯文字があると、浴衣の着崩れがしにくくなります。
お風呂上りに、湯文字巻いて、あとは浴衣を着ちゃって、ゴロゴロしても大丈夫。肝心な点は胴周りなので、ここに既に動かない木綿があると、同じ木綿の浴衣の滑りが悪くなって崩れにくくなるのではと見ています。

●腰紐
 幾岡屋さん調達分の縦シボ腰紐 630円
 予想通りに、化繊といえども、カラ解けしません。
正絹のだと細く丸まってしまうこともあるのですが、化繊の厚手さがいい方向に向いて程よい太さに。これは良い紐です。

●半襟
 半襟にする前に、袴の前帯代わりに多用しちゃいました。
 これがあれば、伊達巻だけで帯なしでもゴマカシ可能。
 化繊縮緬の半襟は、袴の上からちょっと見えるのに使ってもいい柄です。

今回の調達グッズはなかなか便利なものでした。

2007/05/08(火) なんで「東大寺」?
「装束好きに50の質問」で、「東大寺といえば?」って質問があったので、「なんで、藪から棒に」って思ったんだけど、
そういえば、「東大寺」には「正倉院」があったんだった。
平安以降の形態の装束好きには縁の薄いところですが、奈良朝の衣類がかなり破損しちゃったらしいですが、それでも相当数現存しているという世界的にも稀有の収蔵庫。
きっちりお蔵にしまっておくと、ちゃんと残るんですね。
空気にあたると劣化する類なので、「正倉院展」のような博物館展でも滅多に出ないです。復刻品(?)が出るときはありますが。
お姫さんの卒論用に史料を集めていて、「奈良朝の服飾」の情報でサーチしてて、とある本の巻末に「正倉院収納品一覧」を見つけました。思ったよりも沢山の衣類(残決を含む)が収蔵されていてびっくりしました。何代かに渡って収蔵を重ねたからなのか、ほぼ同じ形状の衣類なのに右前の衣類と左前の衣類のがあったり
収納年によって、裾の広さが変わっていたりと、そこだけでも衣類の変遷を見ることができいます。


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