優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/09/30(土) 運動会の観戦
衣更え直前日ですが、朝方の曇りまくった気配からは想像のできない好天気となりました。
そういう日にお姫さんの学校で運動会がありました。
中高合同で行うので、総勢2千余人が動き回ります。
場所は、学校ではなく、近在の市営競技場。400mのトラックに屋根付き観客席のついた場所。
小学校時代は、学校の校庭で、保護者席といえば、「保護者席と書かれた領域に各自がピクニックシートを敷いて」でしたが、さすがに私立です。いや、学校のグラウンドに保護者席をしつらえる手間と後始末を考えたら、競技場借りた方が面倒がないのかもしれません。
学校に比べれば、駐車場だって、少しはマシにありますし。

って、見に行く予定でいたのですが、
「着物で来ないでよね」
とお姫さん
「やっぱり、ジャージだよね」
と殿。

なんで「見るだけ」なのに、ジャージ着ていかないといけないのか。
しかも、JRに30分以上も乗って、デパートまであるような駅で降りて、競技場まで徒歩。当の生徒たちは体操着での登校は禁止で、制服着用と指定されています。そんなとこに、なんで「親」が、ジャージ姿?
私だったら、そんな親が来たら、恥ずかしくて堪りませんが。
というわけで、殿の弁はねじ伏せて、洋服姿にしました。
普段着はヤだし、通勤スタイルもパスしたい。
というわけで、黒のギャザースカートにジャンパースカート風にも見える太めの肩紐(?)なのに、フレンチスリーブのブラウスにしました。
途中で、お姫さんの小学校時代からの友人を拾って、車で競技場へ。

競技場の屋根のある中央の席が広々と保護者席に充てられています。
両翼の屋根のない席の片方が高校、片方が中学の席。その向こうの外野にあたる芝生席は誰も入れずに。
保護者の服装はやはり、普段の授業参観時の格好か、若干スポーティかといったところです。スポーティといっても、ジャージ姿は一人もいません。ポロシャツにチノパン程度。Gパンの若いにーちゃん達は卒業生のようです。

中高が女子校だった私には、中高の男子生徒のいる運動会を見るのは初めてです。「ぅおーー!」雄叫びが野太い!
勢い余って、転ぶヤツ続出の雑駁な勢い!
勇壮なマスゲーム。
小奇麗にまとめてしまう女子の動きよりも、見てて楽しい。
女子もまけじと中高合同で侍ソーラン節を踊ります。
(成績優先で合格者を決めるので、女子は各学年3割位しかいない)

「着物着てなかったから、見つけるの大変だった!」
そこそこに広い保護者席をしらみつぶしにしたらしいお姫さん登場。
先に出て行ったお姫さんは、私の格好も、友人の格好も知りません。
普段はピンクなど柔らかい色のTシャツを着ていることの多い、この友人が、今日はめずらしくも黒シャツだったし。
「だって、着物着て来るなって言ったじゃない」
「あれ、そんなこと言ったっけ?」

やはり大勢の中から探し出すのには、見つけやすい格好というのもあるわけで。
授業参観だの学園祭だので、着物姿は既にお姫さんの友人達にも既知のこと。いまさら、どーってことない筈なんですよ。
保護者参加の玉入れ競技なんてものもありましたが、そういうのに出る気ないし。観客席にちんまり座って観戦するのに、着物姿は何の差し支えもない筈。

殿の運動会のイメージは、在校生が少ないので、村の運動会を兼ねていた経験でした。親も参加者ですから、運動のできる格好で来ます。
それは、「単なる観戦者」の立場とは服装が異なりますわな。

今日の天気と回りの雰囲気からすると、薄手の紬か、単仕立てのお召し辺りにウールの袴辺りがカジュアルで着物的にスポーティで良いでしょうか。
明治時代のとある女学校の運動会は、袴姿でした、着物にタスキがけした姿で体操したり、かけっこしたりしている写真が残っています。

うん、来年は袴で行こう。

2006/09/28(木) 衣替えの準備
久々に快晴。
衣替え前の最後の半袖で出歩ける日になるらしい。
とはいえ、乾燥してきたからか、風はサラっとした秋の風。

そろそろ着物も衣替えの準備です。
洗いに出すものは洗いに出し、家で洗えるものは、洗濯機で洗って、浴衣にはしっかりとアイロンかけて、しまい込む準備が必要です。

夏の正絹絽、今年は何度も着なかったから大丈夫かなと思ったけど、衿元は汗ジミています。やっぱり洗いに出さなくては。

家で着る白小袖は一足早く、麻混のものから、化繊羽二重の白小袖+半襦袢に換えました。襦袢なしではもう肌寒く感じます。
着物も、浴衣や薄物から、単に切り替える時期ですものね。

さて、家で洗濯するもの、店に頼むものですが、基本的には、洋服と同じ。
洋服だって、ウールのスーツやジャケット、ちょっと良いお出かけ用のワンピースやコートはクリーニング屋さんですよね。
家で洗濯するのは木綿のシャツやTシャツ、トレーナーや化繊のソレなど。そして、下着や靴下の類。

着物の場合は、クリーニング屋でも「丸洗い」や「京洗い」を引き受ける場所もあります。私の場合は、呉服屋さんに持ち込みます。
正確には、こういったメンテは悉皆屋さんの範囲だそうです。
今は、滅多に見ないので、呉服屋さん経由で悉皆屋さん行きにするのが便利です。

食べ物や雨などのシミをつけたような場合でない限り、洗濯に回すかどうかの判断は季節の終わりで十分です。

持ち込むものは、まずは正絹の羽二重や縮緬のもの、お召し。夏着用のものはまず必須です。冬着た物を夏になって出す場合は、特にシミとか汚れがないようなら、風を通してしまうだけにします。
普段着っぽい紬の単は、自宅着なら、石鹸洗剤で手洗い。
おでかけ着なら呉服屋さんに。
正絹夏絽も、お下がりの普段着用のは自宅洗濯です。
ウールはおでかけ着や袴はクリーニング屋さん、普段着は石鹸洗剤で。
木綿は普通に洗濯機。手縫いのはネットに入れて。
化繊(風呂敷着物からシルックに至るまで全て)も洗濯機

襦袢は、正絹は呉服屋さんに。家だと、縮んだり、柄が滲んだりと面倒です。
ウールと化繊、身頃が木綿で袖が化繊の二部式は自宅洗濯。
夏の麻も自宅洗濯。

「リサイクル屋や、フリマで千円位で買ったのに、洗濯にお金かけたくなーい」と思うのは、さもありなんだけど、洋服で考えてみて。
ステキなウールのスーツをフリマで安く入手したからって、家で洗濯しますか?同じく、シルクのブラウスだったら?
定価で新品を買おうと、バーゲンだろうと、お下がりだろうと、中古だろうと、扱いは同じですよね。着物も同じ。

逆に、「着物は安く入手したいし、洗濯の手間やお金もかけたくない」という人は、洋服と同じく、化繊とか木綿素材を使いましょう。

「帯も汗にしちゃったんだけど、帯って洗わないですよね」
そう洗いません。
洋服だって、絹のスカーフやベルト、ネクタイを洗濯するなんて聞きませんよね。
もし、やむをえず汚しちゃったら、クリーニングに出す。
帯や帯揚げ、帯締めもそういうものだと思って下さい。

しばらくは、アイロンかけとも格闘が続きます。

2006/09/27(水) 七五三の準備
まもなく袷の季節です。
袷の季節には、祝い事も多いですよね。
例えば、七五三。
本来は、子供の成長の節目を祝う儀式で、これを期に着るものの形態が変わりました。
今でも「成長を祝う」ことには変わりはありませんが、着物自体を着ることがなくなっているので、「着物の形状が変わる」という意識は恐らくなくなっているのではないかと思われます。

だからでしょうか、伝統的な格好ではなく、男児なら水干や直垂や狩衣、童直衣、果ては鎧兜、女児ならハイカラさんな袴姿や十二単やミニ花嫁さんな打ち掛け姿等も見られます。洋装でのタキシードやお姫様ドレス姿もそういった一つですね。

記念写真として残すのに、伝統的な格好とは別にそういったコスプレ的な格好もあっても良いとは思います。最近の写真館にはそういった貸衣装が充実していますし、親の言うなりにそんなものを着てくれるのは七五三位まででしょうから。

もちろん、お家の習慣で「我が家は5つの祝いには男児は初めて甲冑を着用する機会とする」とか「3つの祝いには袴姿で祝う」というのがある場合は別です。それはそれで、おうちの大事な習慣ですから。
お公家さんやお武家さんの場合、そういった習慣をきちんと伝えている家も存在します。今の一般的な七五三スタイルの方がよっぽど新しい着用習慣です。

でも、コスプレも行き過ぎは禁物。
まず、相手は幼い子供だということを忘れてはなりません。
着慣れない格好は、伝統的な着物も含めて、長丁場は辛い。
短時間でテキパキと済ませるか、日頃から木綿の着物と下駄などで着慣れさせておくなどの配慮が必要です。

また、洋装では、ウェディングドレスにベールといった大人風の子供サイズな格好をさせるケースもありますが、着物で白無垢だの角隠しだの果ては十二単におすべらかしだのってのは、どうも。
十二単は、成人式にあたる「裳着(もぎ)」という儀式をして、大人になったという意味で着用するようになる衣装です。

平安時代に七五三にあたる儀式は、3歳の髪置き、5歳の着袴、
3歳で儀式以降は髪を伸ばし始め、
5歳で袴を穿くようになります。
  男児はこのとき、半尻(はんじり)という後ろ身頃の若干短い狩衣風の衣類、女児は、細長という袿ににたオクミのない着物を着用します。

本来これ位の格好しかしないのに、ごってりとお雛様のように着せこんだら、小さい子供は疲れてしまいます。

ハイカラさん風な行灯袴姿は、親の着付けの手間も、子供当人の楽さもあって、便利そうですが、注意するのは着物の種類。
ハイカラさんといえば矢絣で、貸衣装では、ピンクやオレンジの矢絣模様の着物とセットにしてあることも多いですが、袴姿の格は、袴下の着物の格で決まります。ですから、振袖のお嬢さん達と同格にするには、袴下の着物は、やっぱり振袖、紋付色無地、黒紋付などです。
着物には肩上げをします。袴が長い場合には、裾から10cm位の位置で折り上げをします。

明治以降、華族のお嬢様方はちょっとしたよそゆきにはこういった格好をしてようですが、成長の祝いの着用物は、各家に伝わる習慣に従った格好をしてようです。ですから「行灯袴で七五三」というのは、伝統的な習慣にはない形態です。
でも、着せてみると、結構カワイイし、今後、そういった格好が定着してもいいかなと思います。平安時代でも5歳で「着袴」で「袴を穿く」んですから。

我が家には、抱き合わせで買ってきた3歳児用らしき紫の袴があります。今は、お姫さんの三つ身の着物と共に人形が着ています。
こんな頃に袴はかせたら、さぞかし可愛かったでしょうねぇ。
装束仲間には、自分の娘とか姪っ子向けに子供用の袿を誂える人もいます。下は何着てても、すっごいカワイイらしい。
ウチのお姫さんの初装束は10歳のときの狩衣。
もう「殿上童」って感じです。

2006/09/18(月) 釈迦に説法
曇り。雨がたまーに降ってくるので、洗濯モノもおちおち干せない。
殿は会社。姫と私でお留守番。
ホントは即売会に出かける予定だったんだけど、お姫さんの休み明けのテストの点数が余りに悪かったので、強化勉強期間に。

でも、家にいると、日中に電話がかかってくる。
売り込みの電話。

今日の電話は、「NTTのBFlets光」。NTTが委託したとかいう、ベルサポートとかいう会社から。
「今度、そちらの地区にも光回線が敷かれますんで、近日中に工事に伺います。」
はぁ〜、勝手に切り替えるもんなんですか?
「皆さん、Fletsに切り替えられるんですよ」
んな、子供のおねだりじゃあるまいし、人サマがするかどーかって関係ないでしょ。聞きたいのは必須なのかってこと。
「料金は5,600円程高くなりますが、お支払いは同じですから」
は?言ってることがわからないんですが
しかも、質問はぐらかしてるし。
「基本料金が、以前は、3千円位高かったんですが、今は500円差にまでなったんですよ」
はぁ、そうなんですか。でも、それじゃ「同じ」じゃないでしょ。
「通話料金がお安くなりますので、それで500円位お安くなります」
ウチの通話料金、500円もしてないんですが。
「あ、そうなんですか」
「インターネットも速くなりますよ」
ウチ、別に遅くないんですけど。
「そんなことないでしょ。ADSLと光じゃ回線速度違いますから」
いや、そんなに大量のデータ流さないんですよ。
「コンピュータの速度から言って、そんなことないでしょ」
(なんだ?なんで、そっちに話が行くんだ?)
いらいら、してきたので、
ごめんね、私、コンピュータのエンジニアなので、シロートさんじゃないの。ネットの転送速度とか遅延とか、必要帯域って判断つくの

なーんて、言っても、どうやら、わかってない。
というか、こっちの言った言葉がわかってない。
シロートなのは、あっちの方だ。

動画をダウンロードしたり映画を見たりするには、高速回線が必要なのだけど、ブログや掲示板などテキスト主体のサイトをウロつく程度には、ADSL回線でも十分なのだってことを、電話の向こうは理解してくれない。

結局、ガス会社が取り付けている検知器の回線がFletsに対応してないという話になって、大人しくお引取りいただけた。

でも、それだって「それは使えませんので、外していただくことになります」と言い切る。
それじゃ困ります。
「でも、使えませんから」
今のサービスが維持できないなら、Fletsは我が家には不適切です!

ここまで言って、やっとご納得いただく。
よくまぁ、平気で「使えませんから」としゃあしゃあと言えるものだ。
ガス検知器ナシなんて、結構コワイぞ。
火付けに失敗して、床にガスが溜まるときもあるので、結構検知器は動作する。そういうときは、サッサと掃き出さないといけないんだから。
(プロパンガスは床に溜まるので、箒で掃き出すのが良い)

後で、NTTのサイトを調べたり、殿に聞いたりしたら、別にFletsに切り替えないといけないわけではないと。
しかも、いくつものコースがあって、インターネット回線だけFletsにするとか、光IP電話にするかしないかとか、ADSL併用にするとか、いくつもの選択肢がある。そんなこと一言も言わなかったゾ。
トドメに、今のADSLルータは複数ポートあるので、複数台のパソコンを接続しているが、光に換えたら、ルータを換えないとダメで、しかも、複数接続タイプはレンタルで300円/月とかかかるじゃない!
なーにが「料金は変わりません」だ。おーうそつき!

聞き損ねているけど、ウチの構内回線は4線式(普通は2線式)電話線が引いてある。これってどうなるんだろうかとかも気になる。
KDDIで長距離電話を使っている分がどうなるかとかさ。
光も距離で遅延する。センターで10MBなADSL回線は我が家では3MBがとこ。契約も3MB帯域で契約している。
光はセンター側は100MBな筈だけど、ウチに着く頃にはどれほど落ちてることやら。

なんか、一番知りたいとこが全然聞けてないことに気づく。
とにかく、「換えますからウンと言いなさい」って感じで。

まるで、どっかのチェーン店系の呉服屋のようだ。
しゃべってる当人に販売物の知識がからっきしなとこまで同じ。

2006/09/15(金) はじめの一歩
以前なら、今日は敬老の日でしたが、最近は月曜日に休みにするケースが定着して、18日です。

って、今日は「着物の始めの一歩」の話。

私の場合、祖母が着物を用意してくれていましたので、記憶にある最初の着物は、臙脂にフチのボケた白い水玉模様のもの、正絹ぽい感じのシュス地風ですが、ハテ何だったのか。
初参りの掛け着は白地にハデハデに友禅描きの。
3歳の着物は従姉からの譲り物で白地に扇模様の小紋縮緬。

一方お姫さんも、9月生まれで3ヶ月後の初正月用にはウールの一つ身を買いました。祖母が仕立てた真っ赤な襦袢地の着物もありました。

以後、どちらも、着る着物には困らなかった次第。
今は、親のお下がりを使えるので、更に着回しが効く。
果ては、大伯母や祖母の着物は「形見分け」なんて上品なレベルでなく「持ってかなかった分は全部ゴミ」なんて言われて、丸取り。
おかげで、上物から普段着まで色々。
でも、これでは、「母も祖母も着物に無縁だけど、着物を着始めたい」というお方の役には立ちませんね。

ちょっと見方を変えて「お下がり=リサイクル品」と考えましょう。
親や親戚からお下がりを回してもらえない場合は、不特定多数の方からのお下がり品(=リサイクル品)を回して貰えば良いわけ。
最近は、高齢者が亡くなっても、そのお子さんやお孫さんが着物を着るとは限らないので、「お金に困って売る」のではなく「始末に困って売る」というケースが格段に多いです。

まず選ぶのは、ウールでしょうか。
これからの季節、リサイクル屋の店先のワゴンに500円とか3枚で千円とかって、手頃な金額で出回ります。
単仕立てのウールは自宅で洗濯が可能ですから、扱いも比較的簡単。
サイズが合えばめっけもんですが、初心者はそもそも、ぴったりなサイズ自体がわかっていないこともあるので、極端に小さいとか大きいのでなければ、適当で良いです。

ウールの扱いは洋服のウールと同じ。虫が食いますから、季節はずれには収納は防虫剤をしっかりと入れます。

そろえる小物は、二部式襦袢(裄は買った着物に合わせる)、腰紐、伊達締め、足袋ソックス、右近下駄。半幅帯です。
これで、とりあえず、普段着着物になります。
肌襦袢を着ない場合は、衿開きの広い半袖シャツ等を用います。

「着物はお出かけ着にしたいので、こういう普段着は要らないの」という人もいるかもしれない。
でも、洋服と着物は着付けも動きも違うので、「着慣れ」を考えると、いきなり「よそゆき」より、着慣れ用の普段着を持っておいた方が良いと思う。

二枚目から「お出かけ着」でしょうか。リサイクル品では正絹でも安い価格付けされているものもあるので、そっちに目がいっちゃうけど、正絹はメンテが大変。シミつけたり、雨で濡れたり、粗相しちゃったりなんて心配のある初心者は、化繊か木綿の新品とか、リサイクルのウールでもよそゆき柄などの方が着が楽だと思う。

私の七五三の七つの着物は意外にも化繊でした。
萌黄地に色とりどりの蝶の舞い飛ぶ小紋で、本四つ身に仕立ててあり、仕立て直ししながら本裁ちにまで大きくし、7つから成人式直前まで着用しました。この間、正月のお節料理はこぼしたわ、雨上がりの道を歩いて、後ろ一杯に泥はね上げたわと汚しまくっては、母につまみ洗いしてもらいました。
お姫さんのも化繊。古風な小紋柄のを見つけて2尺袖に。
(きゃつは、深さ50cm程のですが、池に落ちました)
他にも、リサイクル市や化繊売り場で目ぼしいものをいくつか。
好き勝手に着倒していますが、洗濯機に入れられるので安心。

着物好きさんは、正絹至上派もウール木綿系のナチュラル派も共に、化繊を敬遠する人が多いですが、今は、「いかにも化繊」だとか「風呂敷着物」なんてタイプは珍しいって位で、もっといい素材が出ています。「すれ違った位じゃわからない」「隣に座ってても判らない」という染めの向上したものどころか「着てても、初心者じゃ着心地に大差ない」という通気性や保温性、質感にこだわったものも出てきています。両面染めの凝ったタイプもあります。
とはいえ、そういうのは、高くなるので、普通の化繊のお仕立て上がり1万円程度が最初の一枚かと。

リサイクル屋さんでも新品の化繊着物を扱う店もあります。
そういうとこだと、値段も手頃。
関東ならキンカ堂の化繊着物は安い。但し、底値の3900円のは、モロ風呂敷生地だった。ここ位でしか「風呂敷着物」にはお目にかかれませんん。目がつんでいるので、雨コートにしちゃうのに実は最適。

3900円とかで反物を扱う店だと、胴裏2000にミシン仕立てが7000円とかって、仕立ててもらっても2万円行きません。
これは、サイズがわかってきたら、挑戦するフェーズ。
これでぴったりサイズが判るようになったら、ウールとか正絹とかのお仕立てに挑戦します。

私も、親に見立ててもらった着物は、正絹持っていましたが、自分で見立てて買った順といえば、意外にも、「お仕立て上がり化繊」「リサイクルのウール」「化繊のお仕立て依頼」「正絹のお仕立て依頼」なんですよ。

2006/09/14(木) 雨に着物で
ここんとこ連日雨天です。秋雨前線が元気です。
今日も朝から、ざぁざぁ降り。

だというのに、駅につくと、階段の上の姿見の前で、雨コートを着た着物の方がどこか濡れていないかとでもいうような風に鏡を使っていました。

電車に乗ると、3人連れの着物の女性。
うち一人が席があるのに座っていません。
三人の話を漏れ聞いていると、風にあおられてコートの裾がまくれたのでしょうか、大島か何かの単の織物の着物の膝下がびっしょりです。
「これじゃ、座れないねぇ、皺になっちまう」
なんて声が聞こえてきます。
「もんぺ、はかなきゃダメだよ」
とか。

そういえば、夫の実家の母のものに「雪の日に着物を着ていく際に着用した紺サージの袴」というのがありました。
あの地方は、雪は「降る」なんてカワイイものではありません。
「地吹雪」といって、降っていなくても強風で降り積もった雪が横から吹き付けて来るという、いい性格の類です。
お上品にコートを羽織って、尻っぱしょりした位では、何の役にも立ちそうにありません。
そういう風のあるときには、やはり、雨コートの下には、雨よけ袴を穿くというのは、風の強い地方の習慣にあるのでしょうか。
この辺も冬は「赤城下ろし」の強風の吹き荒れる土地。風の強さなら、夫の実家には負けません。

さて、新幹線に乗り換えると、またもや、先客に雨コートを羽織った着物姿。

今日って、こんな雨でも着物を着ていかないといけないような、何か行事でもあるのでしょうか???

皆さん、単のお召しか紬か何かの織物系。

こういうときは、濡れても安心なシルックなどが良いと思うのだけど、お茶の月並会とか、ナントカの茶席となると、化繊では失礼にあたるのでしょうか?

うちの母だったら、ぜーったいに着物は着ないと思う、ドカ雨の朝のことでした。

2006/09/10(日) 院展をみにいくこと
他の地方では雨天だの「曇りのち雨」だのと、雨つは無縁
ではないというのに、関東地方だけ好天。
天気予報では「34度くらいいなるでしょう」などと。

絽の着用目安は「初旬まで」とか「重陽(9/9)迄」とか言われています。初旬なら今日はOK、重陽なら、昨日だなぁ。

って、予想気温を見れば、どう転んでも、「真夏仕様」です。
秋なので、絽の袴は止めにして、合いのにしようかとも考えていたのですが、この天気なら、やっぱり、袴も絽です。

というわけで、本日のいでたち:
 薄縹(うすはなだ)色の地に百合を描いた絽の訪問着。
百合は初夏〜盛夏柄なんだけど、初秋向きの絽は手持ちがありません。
今回はマヌケを承知。
長襦袢は、本麻地の撫子柄の透き紋紗。
袴下帯は、秋草を散らした絽の帯揚げを流用。せめてもの「秋」の演出
袴は葡萄染め無地絽の女袴。
足袋は白、草履はパール白台にパール縹の鼻緒。
バッグは、芸舞妓御用達な細長籠の夏仕様版。籠は白竹、布は薄縹地に桔梗柄の絽縮緬地。
手には、生成り地のパラソル。

昼の新幹線は1時間に一本しかないので、14時上野待ち合わせですが、熊谷13時の新幹線に乗って、40分過ぎに上野着。
地下二階から昇りまくって2階の連絡回廊へ。

右襦袢袖がやけにはみ出てくるなぁと思っていたら、
とれた!
7月末のオフ会に間に合わせた突貫工事品。洗濯もしたから、さすがの泥縄品、ほつれがでてきたらしい。
とはいえ、絽は透けるから、襦袢袖がなしでは済まない。
安全ピンを買い求めて、応急に袖をつなぐ。

今日の会の主旨は「画伯のご案内で院展を見る」というもの。
10分程前に待ち合わせ場所に行くと、しばらくして画伯の到着。
順々とメンバーが集まってきて、時間ぴったりに主宰の登場。
今回初参加の方が到着せず、皆をヤキモキさせましたが、なんと長野からのお越しで、上野駅構内で道に迷われたのだとのこと。上野駅の構造を知らない人には、意図する出口に行き着くのも意外と困難です。

いつもなら、女性の数人が袴姿なのですが、今回は私一人。
盛夏モノを持っていないと無理なので、夏場は着物率が下がります。

さて、院展。春の院展は日本橋三越のギャラリーを利用し、秋は上野美術館を利用しています。秋の院展を見るのは初めてだったのですが、春の作品に比べて、大ぶりなものが並びます。
日本画の基本は屏風画なのでしょうか。これの四曲位が基本のようです。「同人」という選ぶ側だと、大きなサイズもOKで、六曲一双(二枚で一組)といった大作もありました。
院展メンバーでは、大御所で一般にも著名な平山郁夫画伯のも、こういった大作。ここのところ追いかけているシルクロードものでした。
一般に、同じテーマを描き続ける作家さんが多いとかで、春に見た絵に似た印象の絵もいくつもありました。春のの作家名を覚えていないのですが、きっと同じ作家さんなのでしょう。
画伯はここのところ、源氏物語を自分なりに絵にしているのですが、今回は、そこから離れて、仏像を扱っていました。小浜の方のお寺の観音様だそうで、大変愛らしい顔立ちです。実物も良い作品なのでしょうけど、それを絵のモチーフとした絵もまたいい雰囲気。まさに「癒し」の逸品です。
「この人は若手でまだ二十代」「こっちは、最年長の一人で90数歳」わかるのは作家名だけですが、画伯の説明で、どんな作家さんなのかも解説されます。若手は確かに荒削りで斬新で、熟すのは70代からという世界ですが、70代だろうが、90代だろうが、皆、なんと瑞々しい感性を保っていることでしょう。解説されなければ、そんなおじいさんやおばあさんの作だなんて、想像すらできません。

ティータイムを挟んで、次は国立博物館の常設展示に小野小町図を見ようと。
十二単の女性図としても一番有名な絵ですが、ハンカチへの模写とかは見ていても、実物を見るのは初めてです。
かなり剥落が進んでおり、銀と胡粉を使った部分でしょうか、真っ黒になっています。

横には、江戸時代の模写図も展示されていました。

両方見比べて「模写図の唐衣の裏を濃縹にしているのは変ですね」と。
後ろ姿の女房装束なので、唐衣の背の一部が折り返って裏が見えている場所は、絵のほぼ中央。紅の薄様で単衣も白に、黄地にグリーンの亀甲を織り出し襟は萌黄の唐衣です。原本では褪色したのか裏は白くなっている部分です。
「縹はコントラスト強すぎ」
更に「女性の装束の裏に濃縹を使うことは普通見られない」と。

そういえば、重ね色目の話では男性の使う色目と女性の使う色目がゴッチャに書かれることもありますが、その色目の掲載された原典が何かを見れば、男性用なのか女性用なのかが判ります。
例えば「女官飾抄」なら女性用、「雁衣抄」なら男性の狩衣用です。

そういえば、縹は女性の重ねで使われる例が少ないです。
源氏物語の衣配りの段で花散里の君に贈っていますから、全く着用しないということは無かったでしょうけど。
でも、問題は「黄地に青(グリーン)の紋織り」といえば、「青色(あおいろ)」とか「麹塵(きくじん)」と呼ばれる色です。これの裏地として相応しい色となると?

「現在の仕立てでは、襟の返しと同じ色だが」と。
とすれば、襟が萌黄色ですから、裏も萌黄になります。
でも、そう塗ってあったなら、襟に萌黄色が残っているのに、裏の部分だけ褪色するのは変です。

「白、生成り、薄黄辺りがありそうな」と思いつつも、当然ながら、答えは出る筈もなく、それでも「絶対!濃縹じゃないね」とそこだけは、皆で納得断定して引き上げました。

「普通の絵を見ているときと、皆さん、目つきが違うね」と画伯がコロコロと笑う。まぁ、装束好きとしては、こういう絵では観点が異なるので。

2006/09/01(金) 二百十日
背景を萩にかえました。背景の変っていない方は、参照ツールの「更新」を押して下さい。
9月1日は二百十日であることが多いです。
初夏の八十八夜と同じで、立春から数えて210日目だとか。
何故か「台風のよく来る日」だと言われています。

昨今の暦では「学校の二学期の始まり」だとか「防災の日」ですね。
関東大震災のあった日なので、この日に避難訓練をする組織は多いようです。
お姫さんが、小学校の頃は、「引き取り訓練をしますので、保護者のお迎えを」って言われて結構面倒くさかったです。
なんせ、始業式の日なので、終わるのが11時とかだから。

今年は、会社の同僚が午前休みしていました。
お子さんがまだ小学生なので、防災訓練の引き取り役だとか。
でも、本当の災害の日には、働く親って迎えに来られないです。
だから、そういう子にとっては、本当にそういうときにどうしたら良いかを知る機会とすべきなんだと思うんですけどね。

ちなみに、ウチの学校の場合、本当の災害のときには、「親が迎えにこれない場合、登校班の班長の親が連れて帰る」となっています。登校班は「町内会」に属しますので、「町内で預かる」というわけです。本当に、班長さんの家に話をつけておいて、ソレやってもらったこともありました。
また、二重保育のお宅に「災害時はよろしく」とお願いしていたときもありました。9/1の訓練の日にもちゃんと来てもらいました。
保育園の頃は、隣施設が防災倉庫だったこともあって「親御さんが引き取りにこられるまで何日でも預かります」と言ってくれていました。学童保育も同じ施設だったので、学童保育時間帯の被災も同じでした。

父母が共に働く家では、家族が全くバラバラな場所で被災することは容易に想像できます。
私なんか東京勤務ですから、徒歩で帰るとなれば、3日以上かかかちゃいます。(「鬼平犯科帖」では2日、新撰組が浪士組として京都に行ったときには3日だというから、現代人だともっとかも)
「各人、どこで誰と合流してどこにいるのか」結構重要です。

私が中高生の頃は、やはり学校が東京で家が横浜だったので「帰宅不能」とみていました。
偶然にも比較的近かった父の会社にまずは、たどり着くことと決めてありました。防災責任者の一人だった父はまず絶対にそこから動かない筈だからと。親と合流できていれば問題なしです。

今の我が家の状況。
私:東京
殿:上尾
姫:大宮

それぞれに離れているので、合流が難しい。
しかも、家からも遠い。
強いて言えば、殿と姫が比較的近い場所にいますが、それも徒歩で想定すると、かなり遠いです。
実は、この条件での避難計画立てていないんだな。ヤバヤバ。
とりあえず「何日かかっても良いので、各人、自宅を目指す」となっています。

ガンバレ 姫!


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