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2006/08/14(月)
「ユカタ」って
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うー、ピーカンな晴天だ。既に帰省ラッシュは帰路になっているらしい。土曜日に往路のラッシュだたので、短期間で行き帰りしている人が一杯いたんだろうなと想像してしまう。 ウチは明日帰省。あの殺人的渋滞よりは空いている筈。
さて、今日は「ユカタ」の話。今の「ユカタ」って「浴衣」よりも範囲が広いようなのです。麻縮みも綿紅梅も絹紅梅もみーんな「ユカタ」だもんね。 「プレタのユカタ」では、「デートにちょっとおシャレなレストランで食事」にも使ったりします。「あれ、浴衣ってお風呂上りの夕涼み以降じゃなかったっけ」なんて思った時期もあります。 その辺の「違い」がなんで起こるのかって、お話。
日本の中には、色々な土地、色々なおうちによって習慣があります。「夕方からしか着ない」というのも、一つの習慣です。これは、日中の働く姿に長着を用いない職業のおうち(農家とか漁師、職人)や、逆に、浴衣よりも格上の着物を着用するおうちに多い習慣です。(商家とかお武家さん、お公家さん) 昼に着る場合は、昼のと夕刻以降のとは着分けるという習慣のもあります。クーラーのない時代、昼日中着ていた分はもう汗みずくですからね。 お祭りは庶民の「ハレの日」ですから、仕立て下ろしの浴衣を「礼装」として昼から着用します。町内や踊りの会で揃いにしたり、絵羽柄に染めた凝ったのを誂える人もいます。 この浴衣の条件は「仕立て下ろし」なこと。一度洗ったら、もう昼日中の着用はしません。 つーか、綿コーマは水を通すと、柔らかくなるので、着心地が良い反面、「寝巻き着て歩いている」という状態になってしまうからです。 洋服で考えても「どこから見ても寝巻きにしか見えない上下で、どこまで行きますか?」とい言えば、行っても「近所のコンビニ」が一番遠いとこですよね。 江戸っ子は、こんな風にコダワリを持ちますが、洗濯後もしっかり糊をつけてハリを持たせ、昼日中も着る習慣もあります。
浴衣の種類で着分けるというのもあります。一口に浴衣といいますが、かなり乱暴に言えば昨今の捉え方は、「襦袢を着ないで着用する木綿系単仕立の着物」を総称しています。 小千谷縮などの麻、麻綿紅梅、綿絽などは、どちらかというと昼系の浴衣で、襟をかけて着物風にも着られます。(厳密には「浴衣に仕立てる」「夏着物に仕立てる」と区別があるらしい) 一方、伝統的な藍と白の浴衣に代表される綿コーマという平織り生地の浴衣は、夜系。もしくは徒歩圏範囲の昼系。 最近売っているカラフルなプレタ着物の「変り織り」と書かれているタイプ(金糸を織り込んだタイプ等も含む)は昼夜両用系。大方はこのタイプ。単品で2000円位の平織りは夜系になります。
昔は昼に着るのは「浴衣」とは言いませんでした。今の「ユカタ」の範囲はもっと広い。
ちなみに、昼に着る場合と夜に着る場合では、ちょっとだけ注意が違います。 日中は明るいので、白や色の薄い色を着る場合には下着に注意、バッチリ透けてます。 プレタの変り織りや綿紅梅などは、普通のより生地が薄いのでより透けやすいです。 昔の人は「昼は紺地、夜は白地」と着分けてたのには、そんな配慮もあったのかもと思う次第です。
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