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2006/08/21(月)
チェーン店に反物を取りに行くと
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夏休みも最後の日。 暑苦しい午後は、くじけて居間のクーラーに漬かる。 そこに電話。
「先日の展示会の景品の反物が届きました」
行き着けのチェーン店の担当さんから。 先日の展示会に夕刻から行くと、浴衣の反物をプレゼントだった。 選んだ柄は、オリエント文様の皿の柄からとった、白地に薄藍で唐草風の柄を染めたもの、。 普通なら、お仕立ての請負ができるわけだが、私は持って帰っちゃう。担当さんもいつものことで、既に聞きもしない。 浴衣にしようかなって思ったけど、「摺り染め」ということで、夏装束にして小袿にしてもいいかも、。ワクワク。
夕刻の買い物のついでに引き取りに行くと、実際の生地は、かわり織りでかなり薄い。つまり「ばっちり透ける」系統。その中でもかなり透け度の強いタイプ。これは、浴衣下どころか長襦袢が要りそうだ。 図柄は、比較的長い繰り返しだが、真ん中に一定して続いているので、あまり柄合わせには気を遣わなくても良さそうだ。
今日の着物は、エメラルドの浴衣に松葉の化繊袴の緑系揃え。 中に薄ピンクの紗のプチへこを結んでいるので、そこが胸元のアクセント。
そして、やっぱり、お決まりの「商品紹介」 「丁度、大島が入ってきたとこなんですよ。見ていってくださいな」 逆だろうね。秋物の大島の入荷に合わせて浴衣の反物が入荷するように仕組まれているに違いない。
「大島とかお好きですか?」 「黒っぽいのが多いし、柄が幾何学的でシャープなので好みでない」 いや、ホント。染め小紋系の曲線に比べると、絣柄はシャープにならざるをえない。 更に、大島って「高い」から。 そういう着物でないとマズイ場所もあるので、母譲りの一枚は持ってる。もってるから、後はいいと思っちゃう。 「それじゃ、こんなのはどうですか?」 担当さんは、奥に入って、風呂敷包みを大切そうに抱えてきた。 中から出てきたのは、「トキエモン」なる人が織り上げたという極上の大島。既に亡くなった方だそうだが、蔵に在庫が積まれており、少しづつ出荷されているのだという。 白大島系に属する白地のベースに、精緻に染め分けた多色染めの絣糸で、ゴブラン織りの如き華やかな花々の咲きこぼれる反物。 こんなのに駅ですれ違ったら「あれ?何織りだろう?」って思いそう。
「こちらへどうぞ」と担当は着付け台の上にいざなう お得意の着せ付け攻撃だ。 「これは、自分で着たら、見えないじゃない」 サラっと逃げる。 仕方がないので、担当さんは、近くにあったマネキンに着せ付けを始める。 みっちりと詰まった柄は、思ったより、一柄が大きい。柄合わせには工夫がいりそうだ。
なーんて、思いながら、「上で家族が待ってるからぁ!」と浴衣の反物抱えて、さぁーっと逃げる。
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