優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/07/27(木) 着物のMYサイズの問題
梅雨明けませんねぇ。なんか8月に入っちゃうとかなんとか。
といいながら、今日は結構暑いです。
外が暑いと、室内は寒くなるので、暑い日は寒いから嫌いです。

って、今日は着物のサイズの話。

着物は洋服ほど厳密ではありません。
多少の差があってもきられちゃいます。
今年は太って、昨年まで来ていたスカートやワンピースが全然入らないのに着物は問題なしだもの。

とはいえ、やはり着物にもサイズはあって、MYサイズに作った着物は着付けも楽で着崩れもしにくいんです。

なんだけどねー、

何をもってかってのが実は曖昧です。

裄を測るにも、昔は「ニ尺ものさしで、首の付け根から手首まで」ってやったんですが、今は「手を45度に下げて、巻尺で採寸」です。
この二つだけでも随分差があります。
それどころか、洋服のように「手を下げて、巻尺で採寸」なんてのもあったとか。
更に「手首まで」もクセモノ。
説1「手首の骨がすっかり見えなくなる位置」
説2「手首の骨の一番高いとこまで」
説3「手首の骨が見える位置」
1分とか2分程度の差ですが、170cm前後の人間にとっては、この1分だって取れるか取れないかが大問題なんです。いい加減にはできない。

更に、うちだけの主義だったんでしょうか、
「ノッポといえども並寸を着ること」っての。
母方から3代続いて、ノッポかつヤセの女ですから、そんな考え方も伝わりやすく。
裄なんか当然足りませんから、「常に、手首と袖口があうように、腕を引いておく」とかビシビシとやられました。

着付けも、身丈短いですから、腰骨位置で腰紐を結ぶ方式です。
着付けは親譲りですから、そういった意味でも腰骨位置です。
「昭和の着物」という本でも、昔の人は腰骨位置で結んだとありました。

ウチはノッポといっても、胸ないし、胸板薄いので、奥行きに身丈を余り取られません。その辺が、まぁ身長の割には短めの着物でも着られてしまえる理由だったりします。
しかも、親譲りの着付けですから、補正しません。
着付け師に着付けてもらったときに分厚いバスタオルを2枚も巻かれて、おすもーさんのような気分で着物を着たときには、長めの着物を用意したのですいが、いつも程 お端折りが無かったことを覚えています。胴回りが全然違いましたから、それって大きく影響するようです。

着付けでも、必要な裄や身丈は変わってきます。
袴をはくときは、着物はほとんど衣紋を抜かず、前もきつめにあわせます。これは裄も身丈も長めにいります。
襟が立つので、首の付け根の位置に襟つけ線がきます。
一方、普通に帯する着付けの場合は、衣紋を5cm程抜くし、襟は、ノッポのイカリ肩は襟を縦長に開けるとスッキリするとか、こんな着方だと、裄は若干少なくて済みます。
襟は寝て、首の付け根位置には襟端がきていますから。裄を襟幅分稼いだのと同じです。
衣紋抜けた分、身丈も稼げます。

裾を床上がりドレくらいに着付けるかもポイント。
お振袖や留袖などよそゆきは床丈と言われています。
小紋を電車に乗って行く場合からは、おうちによって差異があるようです。この場合も床丈に着付ける家もあり、ウチだと、「着物が擦れて痛まないように」と若干短めに着付けます。5cm位でしょうか。
裾裁きが格段によくなります。
5cmあれば、短い着物のお端折りが取れるかどうかに関わります。

後は、袖丈、ふりの長さの方ですね。
最近は身長に関係なく1尺3寸にすることが多いですが、私は1尺5寸を使います。身長が高い場合、フリも若干長めな方がバランスが良い。

サイズは「採寸」の方法にも関係しています。
例えば、長着の身丈は身長と同じ、長襦袢は身長x0.8とか。
でも、身長が同じでも、胸がある人や肩の張った人と胸板の薄い人では、身丈は本来違うわけです。
だから、身長とバストやウェスト、ヒップのサイズからだけでサイズを導き出すのって、かなりアバウトだと思うわけです。
着物は、最初に言ったように、多少の差異があっても着られますからアバウトでも着れなくはないんですが、それはMYサイズじゃないよね。

ホントのMYサイズは、洋服と同じで、着用して微調整なんです。
仮の着物を着て「ここが長い、ここをもう少しだして」とかってやっていくわけです。胸の大きさと位置へ対応は、オクミと襟つけのとこで調整します。
着てると、ここが折りたたまれてしまうような場合は、余ってる証拠。
何枚か作っていると、段々と自分のサイズの着物ができてきます。

でも、たまにいるのだなぁ、「身長より短い身丈の着物は着られる筈がない」とか「普段着でも裾短かに着るのはおかしい」とか断言しちゃう人。その人にとってはそうかもしれない。そういう風に着付けを習ったのかもしれない。でも、世の中にはいろんな体型の人がいて、必ずしも、自分と同じ寸法出しでうまくいくとは限らない。自分と違う着付けを受け継いできた人がいるかもしれない。
「こんな体型のときの寸法出しって違うんだ」「こんな風に着付ける着付け方もあるんだ」って思ってくれると良いなぁって思う。


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