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2006/07/25(火)
お直しオバサン
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着物の掲示板に良く出てくる言葉に「お直しオバサン」というのがあります。 主に年配の女性で、着物を着ている若い人の着付けの変なとこを治してくれる良いオバサンでもあり、対応によっては「うざったい、お節介なオバサン」になったりもします。
私は不思議とお直しオバサンには遭いません。 目を丸くしたオバサマが視線を上下するなんてのはしょっちゅうなんですが、それでも何か言われたり、されたりすることはありません。 逆に「お上手に着ていらっしゃるのね」などと言われて、実際の着付けはすっごい状態なので、恥ずかしかったりします。 だって、垂れてきたとか、裾が下がったということこそないけど、襟はゆるゆる、お端折りは長いって着付けなんだもん。手を出したくなる要素満載。
ある人が「姿勢の良い人は直されにくいようだ。そもそも、姿勢が良いと着崩れしにくい」という説をあげていました。 うーむ、 姿勢は確かに良いです。中学のときに器械体操やってて、コーチに背筋ビシビシされたから。 うちのお姫さんは、保育園でビシビシされて、やっぱり背筋ビシっとしています。
一度だけ、着物の展示会の後で一人でお茶してたら、後から来た一団のうちの一人に「ちょっとよろしい?」と言われて、お太鼓のあちこちをごそごそされました。直後に迎えに来た夫の見立てでは「何が違うか判らないけど、今の方がずっといい」という形状になってたそうです。着ている私も、なんか背中の帯の「納まり」が良くなって、「あの人、一体、何をしたの?」といまだに不思議です。
基本的には、帯が一番ターゲットにされやすいかな?着物着る中でも一番難易度の高いパートだし。 私の場合、「羽織を着てる」「道中着を着てる」「袴を穿いている」とおよそ帯付きで歩くこと自体が超稀なので、言われないのかも。
私自身としては、お祭りの浴衣で、着付けが下手なのは、案外と気になりません。足だして歩こうが、袖まくっていようがね。 でも、「パンツが透けてる」とか「身八つ口や襟から見えてる」とか「左前に着付けてる」は、ちょーっと気になる。 イマドキの若い子の洋服って、見せブラだの見せパンだのって際どいのあっても「わかって見せている」わけで、「思いもよらず丸見え」なんてことはしないんですよ。ミニスカはいたら、階段で見えないようにカバンでガードするとか、それなりのマナーができている。 それが浴衣になっちゃうと、「思いもよらず丸見え」なことをしちゃうのよね。 その場で言われても、当人としても恥ずかしいだけなので、買うときとか、着るときに、ちゃんと情報提供してくれるといいなって思います。仕立てあがりの下駄や帯とのパックなんか特に「透けますから下着を着用のこと」って判るように書いたっていいと思う。 呉服屋で売ったものなら、「浴衣下はお持ちですか」位聞くのを常識にしていいと思う。 左前注意は、小学校の「生活」とかで「女性の洋服の合わせと逆、男性の合わせと同じ」ってのを教えるとかするといいように思う。 不織布のハッピか何かで「合わせの実習」とかやってさ。そうすると、子供の時期から興味を持つケースも増えると思う。 なんか、縁日見てると、子供の方が浴衣着てないなって思う。 大人の場合は、自分で浴衣を買えるけど、子供の場合は、親が買って、着せてで実現するので、親がそういったことに興味を持たないと子供が浴衣や着物に興味を持たなかったり、興味はあっても着せてもらえなかったりします。 丁度、私が子供の頃、七五三とか成人式に着物を着ることはさほど一般的ではなくなりつつある時代でした。正月の着物も同様に。 もう少し下がると、縁日に浴衣を着るのも子供の間では、逆に「恥ずかしいこと」のように思われる時期でした。 そんな子供時代を送った人達が大人になったら、自分は今更、着るか?子供に着せるか?ま、そんなわけです。 でも、そんな親に育てられても、子供の方は大きくなって「浴衣着たい、着物着たい!」ってなっちゃったりもする。 んで、親も知らないから、左前なんかになったりする。
着物や浴衣は、一時期の衰退時期から復興しつつある。 でも、親から子へと伝わるノウハウは失われた。 どこかで、「着物を着たい」という欲求は正しく受け止められるようでありたい。
ウチのお姫さん、着物暦14年、一人で着物は着られる。もちろん、左前なんてことは寝ぼけてもしない。一人で袴もはける。 なのに、文庫一つ結べん。爆! 袴はけば事足りちゃうからねぇ。 ま、成人するまでにはお太鼓位結べるように教えようか とーい話だけど。
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