優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/07/23(日) サントリーホールのコンサート
昨日の話:
「サントリーホールでコンサートあるんだけど、行く?」
この言い方は、殿の知人からのお誘いですね。
普通演目か演奏者で話すものなのに、この知人は「場所」で言って来るのです。

演奏者は、新交響楽団。創立50年を誇るアマチュア・オーケストラです。年季入ってますから、アマといってもプロ顔負けです。
演目は日本人作曲家シリーズ。芥川也寸志、居福部、黛と。

開演時間は夜の7時。
場所はサントリーホール。

さて、何着ていきましょうね。
着物の格の決め方には「どこまでラフで許されるか」もありますが、逆に「どこまで格上のを着ていっても変じゃないか」もあります。
新響ですから、洋服で言えば下はGパンにTシャツがゾロゾロ来ていることでしょう。浴衣に衿かけて半幅帯でも十分でしょう。
じゃ、上は?

留袖や振袖は浮きそうです。訪問着も留袖クラスのコーディネート、つまり袋帯なんか合わせるのも同様でしょう。
シンプルな付け下げか訪問着辺りにキラキラの絽綴れ名古屋帯辺りが上限でしょうか。

「洋装にしたら」

殿から横槍が

「ほー、イブニング・ドレスがよろしいと」

「いいえ!」
一往復で一蹴。洋服だったら、サントリーホールなら、カクテル・ドレスかなぁ。藍と紫のシュスの交織りでラピスラズリみたいに見えるカクテル・ドレスがあるので、そんなのもいいです。

「これ、ちょっとくたってるかな」
と化繊のゴルフズボンを眺めている。手には紺ニットのネクタイ
「夜のサントリーホールなんだから、背広でしょ」
いや、どうせポロシャツだっているだろうから、そんなのでもいいんだけど、ウチとしては、やっぱり気張りたいのよ。

というわけで、水浅葱の絽の訪問着に古代紫の絽の袴、先日買ってきた花柄の絽の帯揚げを帯代わりにすることにしました。
絽の訪問着は裾にはかなり柄が入っていますが、袴でこちらは見えません。袖の百合柄だけなので丁度良い塩梅。

「準備できたよー」
とお姫さんが入ってくるのを見れば、Tシャツに五分丈ズボン。
「コンサートに行くんだよ、なんつー格好!」
「だって、いつもの格好でいいって言うから」
「誰よ、そんなこと言ってるのは!」
姫の目線が殿の方へ。
一応、ジャージ・ズボンではなく木綿地のをはいている辺り、配慮はしてようではあります。多分、他の聴衆はこんな格好もゾロゾロといるでしょう。でも、ウチの連れとしては、ドレスコードが合いません。殿は殿でネクタイ背広ですし。
夏用の姫の一張羅ワンピを投げてよこします。
「袖なし やだぁ」
あ、脇そりがいるんだっけ。
下に重ねるブラウスも渡します。袖なしワンピはジャンパースカートみたいにブラウスを重ねるのもできるので便利。

以前は、六本木から歩くか神谷町から御殿山を越えてくるしかなかったんですが、今は溜池山王駅から行くことができます。
全日空ホテルを過ぎてエスカレータを上がると、そこは「カラヤン広場」。開場時間に少し間があるので、ホールをはさんだ広場の反対側にあるテラスは人で一杯。7時開場なので、軽食か夕食を兼ねているのでしょう。
こちらも、その一角のSUBWAYでサンドイッチを購入して軽食に。

開場を知らせるオルガンのオートマタが鳴り出しました。

今日の席は2階。
「LA1だって」
どこじゃ、それは。
お席は舞台の左脇上でした。サントリーホールは、舞台の脇も後ろも席があるんです。
音響的には問題のある席ですが、ここには、ちょっとお得な点があるのです。

指揮者が前から見られる

普通の席から見ると、演奏中の指揮者は背を向けっぱなしです。
演奏中、指揮者は表情で、細かい指の仕草で合図を送ります。
今回の指揮者は、小松一彦先生ですから、こういった細かい指揮は見ものです。

なんで、「先生」なのか?って

小松先生は、私が大学の合唱団にいた時期、同じ大学のオーケストラ部の常任指揮者でありました。学生指揮者でなく、大人の指揮者の方で指導にあたっていました。
ウチの大学では、クリスマスに全合唱団とオケ部でメサイアを演奏するというのがありまして、小松先生の指揮で毎年歌ってきたわけです。この団体では入学式と卒業式にも奉仕し、その際にも何度か指揮して下さいました。卒業して20年。やー、先生もお歳を召されて、若手指揮者から熟年の指揮者になっておられました。
小澤征爾と同じく桐朋音大卒の小松先生は、小澤と同じく「踊る指揮」系統です。昔は随分派手に踊ってくれたものですが、年季が入ってそんなに大げさな振りはしなくなりました。
でも、細かく指示してくるとこは、昔と変らず。
お席は、かつてのソプラノの立ち位置と同じエリア。
同じ方向から見つめていました。

お姫さんはというと、来るまでは「行きたくない、興味ない」とゴネていたのですが、演奏が始まると、身を乗り出して、見ています。お姫さんの仲良しは学校の吹奏楽部でトロンボーンを吹いています。なので、興味の対象は金管領域を見ていたとか。
通常の席からは弦楽器の向こうになる管楽器席は、脇からはまっすぐに見下ろせます。今回はミュートをかけたりもあって、それが良く見えるのも面白い。

観客の服装といえば、やっぱりTシャツ姿など軽装が目立ちました。着物も数名いました。絣のお召しか紬、麻あたりでしょうか、それに葛かゼンマイか何かの8寸名古屋とか染め帯とか。軽い感じにまとめていました。

終演後「なんかお腹すかないね」SUBWAYのサンドイッチは結構たっぷりでした。終演後はどこかで食事をしていく予定でしたが、このまま帰宅して家で軽く食べることにして、そのまま電車に。

帰路の高崎線はグリーン車に。土曜の夜の高崎線は混むのです。
7月より、全車グリーン車連結となり至便になりました。
3扉車のグリーン車はかつて東海道線を走っていた車両。
4扉用の二階建てグリーン車よりも座席がよく、席と席との間もゆったりと開いていて快適です。

コンサートの余韻にひたりながら、列車は暗闇を北へと走ってゆきました。


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