優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/07/15(土) やまと 美裳会 「ルーブルの美」
梅雨の晴れ間の良い天気です。
「五月晴れ」ってホントはこういう梅雨の晴れ間を指す言葉なのだそうです。だってホラ、梅雨は「五月雨(さみだれ)」でしょ。

休日に天気がよければ、洗濯日和。
共働きの我が家では、休日は洗濯必修日なので幸い。
なーんて、ほくほくと洗濯物を干したら、

ごろごろ、、、、ごろごろ

空が嫌な音を立て始めました。
「降ってきたよー」と殿の声。
えーん、慌てて洗濯物を取り込みます。
でも、今日のお日様はパワフル。ほとんどのものが乾いていました。今日の大物は普段着の白小袖が二枚。神主御用達の業務用は乾きも早くて便利です。

通り雨だったようで、雷様はすぐに遠くに移動していきました。
なので、バスタオルなど生乾きだったものは再度、物干しへ。

そこへ リーンと電話音
「今日のご予約でしたよね、いつ来られます?」
行き着けの「やまと」の担当さんからの電話でした。
夏の着物の展示会を今日で予約していたのを、綺麗さっぱり忘れていました。
「5時以降の来店ですと、今回限定の浴衣をプレゼントしますよ」と。
「んじゃ、5時以降に行きますね」

というわけで、5時半頃にでかけました。
ら、さっきより物凄い雨が降ってきました。
今度は本気の夕立です。すぐに止むタイプですが、10秒でずぶ濡れになるタイプです。
会場のホテルは入り口と屋内駐車場がつながっていないのが難点。あきらめて、車から傘を出してさすことにしました。
ものの5m程なんですが、傘なしで済む雨ではありません。

今回は、展示会は毎年開催されていますが、今回は90周年だとかで、パリのルーブル美術館で作品発表をしたんだそうな。
モチーフもルーブル収蔵の美術品から取って。

写真で見ると「こっちがいいな、あっちはイマイチ」って思っていたのが、実物を見ると、イマイチだった方がいい感じで、興味のあった方が意外と冴えない。写真と実物ってかくも違うんですね。

面白かったのは、帯。この展示会では、実に多彩な新技術を駆使した帯を見せてくれます。今回の新技法は「波型筬(おさ)を利用して折りあげた帯」でした。普通、織物といえば、糸は縦糸と横糸が直角に交わる形で構成されます。何本かとばそうが、部分的にしか糸をかけないとかいっても、所詮はこの「経緯は直角に交わる」ということから外れるものではありませんでした。
ソレくらい「当然」「基本」「それ以外はありえない」ってものの一つでした。
それを崩しちゃったんです。織り機で、横糸を揃える「筬(おさ)」は通常平らなんですが、これを波型にしてしまう。
もちろん、織る方も大変です。普通なら、きっちり横糸を引けば良いのを、多少緩めにしないといけません。Sと|では長さが違いますからね。そうやってちゃんと仕上げると、直角交差では見ることのできなかった不思議な色合いがでてきます。
勿論図柄は三角形を織ってもその辺が波によたっているので、味わいのある形になるんですが、それよりも発色が同じものとは思えない変りようを見せます。

ステキなんだけど、こういった錦糸銀糸の帯は留袖やパーティの訪問着用。私のように「普段、まちなかを歩く、小紋やお召し」には不適切です。嫁入り道具で母が誂えてくれた袋帯一本あれば十分足りてしまう位、フォーマル機会には疎遠です。

次の職人さんは、「帝王紫」を染める職人さん。
日本では紫は紫草を用いてきましたが、古代オリエント国家では貝の内臓を使っていました。紫草も数少なく貴重品でしたが、貝紫はもっと貴重。しかも、生きてる貝のでないと無意味なので、採取する海辺でしか染められません。
今でも、婚礼衣装にこの貝紫で染めた糸を使っている村があるそうです。なんと30kmも離れた山村から男が海に出かけて糸を染め、染めた糸を女が布に織り上げるという分担作業。
婚礼衣装など、大事な儀式のためにしか織らない、織れない貴重な生地です。
日本では「イボニシ貝」からこの貝紫の染料が取れるのですが、オリエントのに比べて貝が小さいのでより困難な染料です。
それを着物の紫に利用した品。今でも高価な染料ですから、エビ蔓をあらわす実の部分に注すだけといったポイント利用。
でも、いい色ですねぇ。自然の色って、なんでこう、ホッとする色なんでしょう。
(16日に続く)


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